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後期高齢者医療制度の廃止は単なる先送り

 今年4月から導入された後期高齢者医療制度。批判が多いこの制度を廃止する法案が、民主党などの野党4党から出されました。自民・公明の与党も、この制度は維持するものの、負担軽減策を打ち出しています。

 ただ、どのような制度になっても、高齢者の医療費は誰かが負担しないといけません。実際に病院に行く患者が負担するか、高齢者全体が負担するか、現役世代の若者に負担させるか、あるいは(受益とは関係なく)税という形で全体で負担するかのどれかです。

 確かに無駄遣いの是正や「埋蔵金」でそれなりの財源が見つかるかもしれません。これらの調査は進めないといけません。しかし、まだ具体的に是正されたり一般会計に組み入れられていない段階で、それを財源とするのは早いです。まさに「とらぬ狸の皮算用」です。

 コントロールできないかもしれないほどの巨額の財政赤字が問題になっている現状では、具体的な財源がないのに新制度を廃止したり負担を軽減したりしようとするのは、将来世代に対して無責任なことです。消費税をメインとした増税とセットにしなければ、どんな立派な政策でも色あせてしまいます。
(参考:Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080523-00000135-jij-pol)

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