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新司法試験、2008年度合格者発表

 法務省は11日、今年度の新司法試験(法科大学院修了者対象)の結果を発表しました。

 今年度の合格者は、法務省が設定した目安(2100~2500人)を下回る2065人で、合格率は33%(昨年度は40%)でした。大学で法律を学んだ人向けの「既習者コース」(2年制)の合格率は44%、そうでない人向けの「未修者コース」(3年制)は22%でした。

 出身の法科大学院別に見てみると、全国の法科大学院は74校。この中で、3校は合格者が一人もいませんでした。また、合格率が50%を超えた法科大学院は、一橋・慶応・中央・神戸・東京のわずか5校。有名な大学ばかりですが、それでも半数弱は落ちました。有名大学の法科大学院に行ったからといって、受かるような試験ではないのです。

 しかも、この新司法試験、受験制限があります。3回しか受験のチャンスがないのです。従来の旧司法試験を含めて3回不合格になった241人については、今後の受験資格を失ってしまいました。成績が悪いのを不合格にするのは当然のことですが、受験機会自体を奪うのは行き過ぎのような気もします。司法試験を受け続けるか、あきらめるかは本人が決めることです。

 ここからは余談ですが、司法試験に受かったからといって、すぐに弁護士などになれるとは限りません。司法修習所での研修と、それに試験が待っています。この試験に受からないと(追試のない一発勝負)、裁判官・検事・弁護士になることができないのです。下手に司法試験に受かっているだけに、司法修習所での試験に落ちてしまったら、そのあとどうするのでしょうか? せっかく高度な法律の知識を身につけたのに、それを活かせぬまま一生を終えるのでしょうか?
(参考:朝日新聞9月12日朝刊 14版、「司法修習生の部屋」 http://barexam.at.infoseek.co.jp/shushu/koushi.htm)

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Comments

こんにちは

裁判員制度がすぐそこに迫っています。
国民参加となれば、必然的に裁判官・検事・弁護士
などを、増やす方向へ行かないと、医療の崩壊のように、司法の崩壊へと向かいかねません。

チャンスを3回に限定する意味がどこにあるのでしょう。
回数で線引きするのは、ちょっと行き過ぎのような気がします。

いくつになってもやり直せると言いながら、これでは
矛盾してますね。

Posted by: まるこ姫 | 2008.09.15 03:30 PM

 まるこ姫さん、こんばんは。

* チャンスを3回に限定する意味がどこにあるのでしょう。

 何回も試験を受けて人生を棒に振る人もいるかもしれませんが、それは自分の選択の結果ですね。何も、国が決めることではないです。

 受験者が多くなると、論文の採点に手間がかかるというのなら、マーク式の試験で受験者を絞ってもいいのです。

Posted by: たべちゃん | 2008.09.15 05:37 PM

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