地下鉄の黒字で穴埋めする、危機的な大阪市バス
皆さんもご存じのとおり、大阪市交通局は地下鉄とバスを運営しています。このうち、ドル箱の御堂筋線がある地下鉄はそれなりに順調で、黒字経営です。しかし、バスは赤字路線が多く、2007年度の経常赤字は20億円、累積赤字は556億円にも上ります。このままいくと、地方公共団体財政健全化法(今年度決算から適用)に定める、経営健全化団体になってしまいます。経営健全化団体になると、バス事業の見直しが強制されます。そこで大阪市は、経営健全化団体になるのを防ぐため、地下鉄事業からバス事業に約68億円の財政支援を行うことにしました。
しかし、大阪市のバス事業にはまず解決すべき課題が多いです。大半の系統は赤字です。特に悪いのがコミュニティバスの「赤バス」。一度乗ったことがありますが(そのときの乗車記はここ)、あまりにも遅くて閉口しました。あんなスピードでは、100円を出すのも惜しいです。
住んでいる名古屋市交通局のバスについても同じことが言えますが、黒字の路線はサラリーマンなども大勢乗っています。彼らはちゃんと運賃を払います。それに対して、コミュニティバスに代表されるような赤字路線は、いわゆる「敬老パス」をもった高齢者ぐらいしか見当たりません。「敬老パス」は市が負担しているのですから、市にはほとんど収入はありません。
公営交通といえども、ちゃんとお金を払って乗る路線に経営資源を集中させ、どうにもならない路線は撤退せざるを得ないでしょう。「敬老パス」の廃止にしろ、不採算路線の廃止にしろ、圧力は強いでしょうが、共倒れを防ぐためにも手をつけないといけないですね。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/politics/local/080907/lcl0809070128002-n1.htm)
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