泉北高速、分割民営化へ
南海高野線の中百舌鳥駅から分岐し、和泉中央まで伸びる泉北高速鉄道。泉北ニュータウンなど、堺市・和泉市・岸和田市(和泉中央からのバスの便がある、東ヶ丘町などごく一部の地域のみ)に住む人の重要な足です。一般には知られていませんが、この泉北高速の正式名称は「大阪府都市開発」(本社:和泉市)です。大阪府の第三セクターで、鉄道業のほかに、物流事業(トラックターミナルや国際物流センターの運営)を行っています。関連会社では、りんくうタウンの「全日空ゲートタワーホテル大阪」を運営しています。
さて、その大阪府都市開発ですが、49%の株を保有する大阪府は、鉄道業と物流事業などに分けて段階的に分割民営化をする方針です。3年以内に株式の売却完了を行うようです。大阪府都市開発は黒字経営を続けていますが、分割民営化によりさらに経営効率を高めることが期待されています。株式の売却益は財政の再建にあてられます。9日の知事などの幹部で構成される戦略本部会議でこの方針は決定され、今後、府議会やほかの株主(関西電力、大阪ガスなど)と調整を行います。
売却は入札によって行いますが、鉄道業は中百舌鳥で接続し、準急などが相互乗り入れしている南海が取得するようです。既に大阪府は南海に株式の取得を打診し、南海も前向きに検討しているようです。南海が泉北高速を買い取り、「南海泉北線」とするのが一番自然でしょう。現在、中百舌鳥で南海ではなく地下鉄に流出する流れが結構ありますが、それに減るメリットがあります。難波まで1社になれば、南海を選ぶ人が増えるでしょう。
利用者にとって期待されるメリットは、運賃の値下げです。難波-和泉中央間の現在の運賃は、620円。これが南海1社にまとまることにより、560円になります(現行の南海の運賃計算方法をそのまま使うと仮定。光明池-和泉中央間の加算運賃20円はそのまま継続されるとしています)。今は2社にまたがるため運賃はかなり高いですが(よく誤解されますが、泉北の運賃水準は南海とほぼ同等です。高く感じるのは、2社にまたがるためです)、それが1割程度下がるかもしれません。
(参考:NIKKEI NET KANSAI http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/news005928.html、Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090409-00000584-san-soci、大阪府都市開発ホームページ http://www.otk-group.co.jp/index.html)
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