宗教法人がラブホテルを経営?
中部地方を中心に20店舗以上のラブホテルを経営している法人。実はこの法人、宗教法人で、しかも収入の4割ほどを(法人税のかからない)「お布施」扱いにして計上していました。当然、このような処理が認められるわけがなく、この宗教法人は国税局から所得隠しとの指摘を受け(隠した所得は約14億円)、2008年2月期までの7年間で約3億円の追徴課税を受けました(重加算税を含む)。この法人は、この指摘を不服として異議を申し立てています。
さて、この法人、「宗教法人」と書きましたが、登記上の所在地である香川県には何ら実態もなく、信者の影もありません。宗教法人の副業としてラブホテルを経営していたのではなく、ラブホテル経営が本業だったのです。それではなぜ、「宗教法人」の看板でラブホテルを経営していたかといえば、そのほうが税金が安いからです。経理方法にもよりますが、普通の株式会社で経営するのに比べて、4割ほど節約できるようです。
宗教法人をつくるにはかなりの手間がかかります。文化庁か都道府県の認証を得なくてはなりません。しかし、行政のできた宗教法人に対するチェックは甘く(このあたり、この話に似ていますね)、(信教の自由が絡むこともあって)宗教法人としての実体がなくてもなかなか解散を命じることができません。一方では活動実態のない宗教法人が増え、もう一方では宗教法人の名を利用したいものもいます。
こうなったらどうなるか。答えは簡単です。宗教法人を売買する市場ができるのです。インターネットのサイトには、宗教法人の売買情報もあります。認証に手間取ることもあり、億単位の金がかかるものもありますが、後で回収することができます。先ほどのラブホテルを経営する宗教法人も1994年ごろに買収されたようです。
(参考:朝日新聞6月9日朝刊 14版)
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Comments
宗教法人が売買される市場があるとは、世も末ですね。 悪いことを考える人は、正義ということはないでしょうね。
Posted by: しみず | 2009.06.10 07:40 PM
しみずさん、おはようございます。
* 宗教法人が売買される市場があるとは、
インターネットで調べたら、宗教法人のほかにも、財団法人や学校法人も売買できるようです。何でもありですね。
Posted by: たべちゃん | 2009.06.11 05:21 AM