堺市民、阪堺線の廃止を事実上容認
昨日(27日)行われた堺市長選挙で、橋下知事の支援を得た無所属新人の竹山氏が、3選を目指した現職(地方レベルを含めると、民主、自民などの与野党相乗り)など3氏を破り、当選しました。つまり、堺市民は、阪堺線の廃止を事実上容認したのです。
当blogを何回も読まれた方なら、私の意図することは理解されると思いますが(参考となる記事はここなど、「路面電車」のカテゴリの中にあります)、初めての方は何のことかはわからないでしょう。竹山氏は、争点の一つとなっていた堺のLRTについて、凍結の意向を示していましたが、阪堺線を廃止することは主張していませんでしたから。しかし、LRTの凍結を主張する候補が当選したということは、すなわち阪堺線を廃止することを容認したことと同じことなのです。
堺を南北に走る阪堺線は、南海本線などと並行しているために、あまり存在価値はありません。路面電車なので、普通の鉄道に比べると遅いです。どちらが勝つかは明白でしょう。そこで、阪堺線を運営している阪堺電気軌道は、阪堺線のうち堺市内の区間(我孫子道以南)の廃止を考えています。堺と堺東とを結ぶLRTには、この状況を打開する効果があったのです。阪堺線もLRTも、基本的な規格は同じなので、阪堺線沿線からLRTを通って、堺東まで行くことができます。こんなことは、普通の鉄道ではできません。LRTは、堺東と堺を結ぶだけではなく、阪堺線とリンクして、鉄道の効果を線から面に広げる効果があったのです。堺の弱い東西の軸となり、核を作る路線だったのです。
もちろん、阪堺線を存続させるために、赤字額を補てんするという考えもあります。しかし、阪堺線がなくなっても、並行する路線はたくさんあります。わざわざ税金で維持させる必要性は見当たりません。そうなったら、堺東へと向かう若干のバス路線の開設と引き換えに、堺の町から路線電車が消えてしまう結果が見えてきます。
この選挙によって、堺はLRTの先進地から一転して、路面電車を追い出すという時代錯誤のことを行う町になるようです。このことの意味を住民がいつ知るか、あるいは知らないまま終わってしまうかはわかりません。ただ、堺や堺東を通り過ぎて、大阪市内に無言で向かうだけです。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090927/elc0909272146001-n1.htm、竹山おさみホームページ http://takeyama-osami.jp/kinkyuu.html)
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