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広島・長崎オリンピックなら見てみたい

 東京が国民の支持を得られなかったため、2016年夏季オリンピックの誘致に失敗したことは記憶に新しいところですが、今度は違う都市が2020年夏季オリンピックに立候補しました。

 それは広島と長崎。両市が主導する平和市長会議(世界で3147都市が加盟しています)において、核廃絶の目標として定めている2020年にオリンピックを開催しようとしているのです。スポーツに政治を持ち込むことの是非は問われますが、平和のイメージのあるオリンピックにはふさわしい土地ですね。都知事の野望ばかりが目立つ、東京よりはるかに魅力的です。

 確かに課題は多いです。オリンピックは原則として1つの都市で行うことにしています。しかも、落選した東京がそうであったように、その都市の中でも、狭い地域内にコンパクトにまとめるのがよいとされています。11日に両市の市長が広島市役所で行った記者会見によれば、広島・長崎のほかにも周辺の他都市(福岡あたりを念頭に置いている?)でも開催地に加わるように呼びかけていることから、さらに分散化します。競技は2都市(+α)で分けるでしょうが、IOCの役員の移動の問題が出てきます。両都市を乗り換えなしで結ぶ交通機関はありません。鉄道も飛行機もバスも直通しないのです。オリンピック開催が決まれば、長崎新幹線がフル規格でできるのかもしれません。新大阪-長崎間を直通する列車(平和にちなんで「はと」?)に乗れば、広島-長崎間が2時間程度で結ばれます。

 夏季オリンピックが大都市で行われることが多いのは、競技場の問題のほかに、ホテルの問題があります。半径50キロ圏内に4万室のホテルが必要とされています。この基準は、人口145万人の福岡市でようやく満たすことができるほど。広島市でも厳しいです。財政問題も重くのしかかります。

 確かに単純にオリンピックをするなら、インフラが整っている東京のほうが有利かもしれません。東京の大きなマイナスポイントは、国民の支持が得られなかったことであり、計画そのものの評価は高かったです。でも、広島・長崎オリンピックには、応援したくなる「何か」がありますね。東京では、逆立ちしても得られるものではありません。
(参考:朝日新聞10月12日朝刊 14版)

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Comments

 今の五輪に世界平和の意味を求めても、失望するだけ。
 今の五輪なんか、巨大なスポーツビジネスに化けてます。
 やるなとは、言いませんが、五輪に理想を求めると、失望し、財政危機を招くだけ。
 だから、シカゴで市民の反対運動が巻き起こったんじゃないですか。

Posted by: アーバンライナー | 2009.10.21 12:29 AM

 アーバンライナーさん、おはようございます。

* 今の五輪なんか、巨大なスポーツビジネスに

 オリンピックは巨大化し、夏季の場合は、首都クラスの大都市でないと開催することができません。

 そのありかたには一石を投じる必要があるでしょう。

Posted by: たべちゃん | 2009.10.22 04:42 AM

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