整備新幹線、新函館止まりや金沢止まりでいいのか?
今月15日に締め切られた来年度の概算要求において、整備新幹線については、今年度と同額の706億円を要求しています。予算案となり、国会を通過するまでまだ時間があるので、これで確定したわけではないのですが、少なくても前年と同額を維持しているということは、公共事業の中では恵まれた部類でしょう。今建設中のところは、北陸新幹線など問題のあるところもありますが、順調にいきそうです。
しかし、北海道新幹線新函館-札幌間など、未着工区間には厳しいものとなっています。昨年の段階で、北海道新幹線長万部-札幌間など、未着工区間の一部について今年度に着工するという話がありました。しかし、来年度の概算要求では新規着工区間の調査費(7億円)は盛り込まれなかったのです。政権が変わったので、自民党時代に行われた話は消えてしまったのです。これらの区間を着工するかどうかは、年末の予算編成までに結論を出すようです。自民党時代なら、いずれは着工されるでしょうが、今は民主党の時代。今までの「常識」は通用しません。でも、新幹線が新函館止まりや金沢止まりのままでよいでしょうか?
確かに自民党時代の計画はあまりにも細切れでした。長万部-札幌間だけをつくって、新幹線を走らせるとは誰も思っていません。そのうちに、新函館-長万部間も着工され、新函館-札幌間が一気に開通するというシナリオが簡単に予想されます。
しかしこのことは、北海道新幹線を否定する理由になりません。北陸新幹線にも当てはまることですが、どちらも新幹線をつくるだけの需要があるのです(詳しくは次の記事で書きます)。北海道新幹線に話を戻しますが、途中にそこそこの規模の町がない以上、一気に札幌までつくるしか解はあり得ないのです。しかも、望まれるのはスピードアップ。盛岡-札幌間を時速260キロでチンタラ進んだら、東京-札幌間が5時間近くかかってしまいます(宇都宮-盛岡間は時速320キロ運転)。しかし、盛岡以北を時速320キロ運転すれば東京-札幌間は4時間30分程度、大宮以北を時速360キロ運転すれば東京-札幌間を3時間50分程度で結んでしまいます。世界有数の利用者を誇る航空機の羽田-新千歳間に対抗できます。まさに「革命」です。整備新幹線を時速360キロ対応にできるか、資金をどうやって出すか(国? JR?)、など課題はたくさんありますが、やってみる価値はあるでしょう。スピードアップした分だけ、北海道新幹線の価値は増えます。
北陸新幹線も、終点が福井や敦賀にとどまるうちは、東京と北陸を結ぶだけのローカル新幹線。しかも、敦賀あたりになると、以前にも書いたとおり、所要時間短縮のメリットはありません。ブレイクスルーは、大阪まで伸ばして発生します。北陸からは、東にも西にも需要があります。それを上手に取り込むには、大阪までの全線開通が欠かせません。どちらも中途半端ではいけないのです。
(参考:時事ドットコム http://www.jiji.com/jc/zc?k=200910/2009101501114)
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Comments
北海道新幹線を札幌まで開業させ、東北も含め350キロ以上の運転速度を確保すれば、航空機から利用者を移転させることが出来るでしょうから、鳩山総理の国際公約であるCO2の削減に大きく寄与するでしょうね。
Posted by: ▲ 飛遊人 | 2009.10.23 09:37 PM
▲ 飛遊人さん、おはようございます。
* 北海道新幹線を札幌まで開業させ、東北も含め
鉄道の整備は、環境に大きなプラスとなりますね。さすがに海外は無理ですが、国内はたいていのところは何とかなります。
Posted by: たべちゃん | 2009.10.24 03:24 AM