空港は赤字、でもターミナルビルは黒字
以前にも書きました通り、国の管理する空港の多くは赤字。26空港中、黒字のものは4つのみです。でも、空港にはターミナルビルがあります。そちらは大抵が黒字。国が管理する26空港で、ターミナルビルなどの旅客、貨物、給油関連の施設を運営する法人は38社ありますが、このうちの32社が黒字でした(朝日新聞が国交省や総務省の資料などから2007年度決算を分析)。それらの法人の中には、多額の留保金を持っているところもあります。32社で合計すると、2300億円にもなりました。
どうしても空港にひとつしかないものは独占的になり、利益が出やすいです。空港にターミナルビルを2つも3つも置くことができないですから、独占は避けられません。国交省も不動産鑑定士に依頼してそれなりに計算をして地代を出しているようですが、儲かっているなら値上げをすればいいのです。これによって、ターミナルビル会社などが持っている利益を回収し、空港の赤字解消につなげていくのがよいでしょう。浮いたお金で基幹空港の整備に充てることもできます。前原国交省大臣も、ターミナルビル会社などへの地代を見直す考えです。また、ここでは深くは触れませんが、これらの法人が国交省や地方自治体の元幹部を役員として受け入れていることも問題となっています。いわゆる「天下り」です。
かつて、塩川元財務大臣が一般会計と特別会計をおかゆとすき焼きにたとえましたが、この空港とターミナルビルも、まさしくその例ですね。表向きはお金がなさそうに見えるのですが、簡単にはわからないところに、お金は隠れているのです。せっかくのお金が活用されず、埋もれてしまっているのです。
(参考:朝日新聞11月7日朝刊 14版、朝日新聞11月11日朝刊 14版)
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