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利用者が極めて少ないという理由で復旧は不可能

 JR東海が名松線の家城以遠を廃止(正確にはバス転換)することに反発している、地元自治体の津市。津市は地盤工学を専門とする三重大学の酒井教授に被害状況の調査を依頼しました。その結果、台風による被害は大したことがなく、名松線の復旧は可能だと結論付けました。

 名松線の廃止に強く反発している津市のことですから、復旧は可能だという結論は予想できた内容です。確かに名松線を復旧させるのは技術的には可能かもしれません。しかし、以前にも書きましたように、名松線の利用者は極めて少ないのです。果たして、名松線は復旧させるだけの価値があるのでしょうか?

 津市は、単にJR東海に甘えているだけでしょう。ぼろ儲けしているJR東海だから、どんなローカル線でも自己負担で維持するのが当然だと思っているのでしょう。中小私鉄や第三セクターなら、地元自治体が負担しないといけないので、シビアな結論になります。工事費を負担してでも存続させるか、それとも廃止を受け入れるか、という厳しい選択です。ところが、相手が巨大なJR東海なので、コストの概念はきれいに消え去ってしまいます。

 これは、名松線に限った話ではありません。JRのローカル線の中には、このようなどうにもならない路線がいくつかあります。JRどころか、第三セクターでも厳しい路線です。それでも、なかなか廃止にならずに新幹線や大都市圏の利益で生き延びています。非常に恵まれています。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/mie/news/20091226-OYT8T00074.htm)

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Comments

 たべちゃんさんへ:
 仮の話ですが、JR東海が、沿線自治体に、ローカル線の維持費を請求したらどうなるでしょうか?
 幹線が稼いで支線を食わせていく構造が維持できないから、鉄道会社も、足手まといのローカル線を切っていくのですから。
 沿線自治体が、鉄道会社に金を払ってまで、名松線を維持する必要性があるかどうか考えるでしょう。

Posted by: パノラマ・ハイパー | 2009.12.29 01:36 PM

 パノラマ・ハイパーさん、こんばんは。

* 仮の話ですが、JR東海が、沿線自治体に、

 これができれば話は早いのかもしれませんが、現実には難しいのでしょうね。

 話は変わりますが、同じ三重県内には、近鉄から分離した鉄道がいくつかあります。どうしても大手私鉄だとコストがかかり(ローカル線だからといって給料を下げるわけにはいかない)、非効率になりますから。伊賀鉄道や養老鉄道には、補助金の受け皿、という要素もあります。

Posted by: たべちゃん | 2009.12.29 09:41 PM

おはようございます。

廃止するしないはともかく、JR東海は沿線自治体や地域の方々とのつきあい方はもっと勉強すべきです。
何をするにしても、地元といい関係が築けないことには、どうにもならないのですから。

リニア予定地の方々も、しっかり見てはりますよ~(笑)

Posted by: Kinoppi☆ | 2009.12.30 10:07 AM

 Kinoppi☆ さん、こんばんは。

* 廃止するしないはともかく、JR東海は

 ローカル線に関しては、(補助金をもらわない限り)JRとしては後ろ向きの政策しかとれません。ただ、それでも地域に根ざして生きている以上、地元自治体との関係の構築は必要でしょうね。

* リニア予定地の方々も、

 本音としては、品川・名古屋・新大阪以外の駅は要らないのでしょうが、それでは地元が納得しません。用地買収も協力してくれないでしょう。

 長野のように迂回ルートにしたり、複数の駅を要求したりするのはともかく、そうでない限りは駅もつくっておいたほうがよいでしょう。本線以外は自己負担とは、虫が良すぎます。

Posted by: たべちゃん | 2009.12.30 10:20 PM

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