リニア、相模原-甲府間を先行開業か?
東京(品川)と名古屋を結ぶリニア新幹線。2025年に一気に開業させるものと思っていましたが、どうやら一部区間から先行開業させるようです。
先行開業させる区間は相模原-甲府間と言われています。この区間にはすでにリニアの実験線があり(2013年度末には実験線が、現在の18.4キロが42.8キロに伸びるようです)、これを活かして営業させるようです。難工事が予想される品川、名古屋の駅(地下40メートル超の大深度地下に建設します)や南アルプスのトンネルを避けると、この区間が浮かび上がってくるのです。相模原-甲府間は直線距離で約70キロありますが、リニアなら10分もかからないようです。
リニアは今までの鉄道とは大きく違う、異質のものです。そういう点では、試運転を兼ねて一部区間で先行開業させるというのは悪い話ではありません。ここで問題点を見つけ、品川-名古屋間の開業につなげることができます。部分開業なので運営費はともかく、減価償却費や利息の支払いなどを含めた採算は取れないでしょう。しかし、一方では莫大な利益を稼ぐことができる東海道新幹線がありますし、リニアの運行のノウハウという将来に欠かせない資産を手に入れることができます。
もっとも、相模原-甲府間が楽に建設できるわけではありません。特に相模原に言えることですが、駅には巨額の建設費がかかります。その巨額の建設費を、JR東海は地元に負担させているのです。ここでつまづいたら、何ともなりません。また、相模原-甲府間はJR東日本の中央線と競合します。そことの調整も必要になりますね。
(追記)
ところが、実際に先行開業できるかどうか検討したところ、相模原-甲府間にも市街地があり、大深度地下でのトンネル工事は長期化が見込まれることが分かりました。結局、相模原-甲府間の先行開業はあきらめ、運行のノウハウを蓄積することはできなくなりました。
(参考:asahi.com http://www.asahi.com/business/update/0108/NGY201001080017.html、http://www.asahi.com/national/update/0930/NGY201109290043.html)
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