宇野-高松航路、3月26日で廃止
かつては国鉄の連絡船も運行されていた、宇野-高松間。1988年に瀬戸大橋が開通して鉄道が瀬戸大橋経由に代わってからも、瀬戸大橋の料金が高いこともあり、宇野と高松を結ぶ航路は、多くのドライバーに利用されていました。トラックドライバーの利用も多く、たった1時間の所要時間なのに、浴場まで用意されていました。
しかし、宇野と高松を結ぶ航路(宇高航路)を運行していた国道フェリーと四国フェリーの2社は12日、3月26日を以って航路を廃止する事業廃止届を四国運輸局に提出しました。瀬戸大橋の料金割引や重油の値上げで経営状況が悪くなり、高速道路の上限1000円のETC割引で大打撃を受けたようです。2012年度から高速道路の無料化が検討されている状況では、これ以上の事業存続は無理と判断し、撤退を決意したようです。
橋が架かると航路が廃止になるのが船の宿命かもしれませんが、揮発油税等の暫定税率の撤廃(これは最終的には先送りになりましたが)や高速道路の無料化(当初の予定よりは小規模ですが、行われることには変わりありません)といった道路優遇策に対するマイナスの影響の現れでしょう。
便利になるのはマイカー利用者ばかりです。自動車を優遇する政策は、フェリー以外の交通機関にも悪影響を与えています。JRもバスも景気のいい話はありません。いくらハイブリッド車など環境に優しい車が出たとしても、遠出をすれば意味はありません。大型の車になっても意味はありません。最終的には電気自動車の類も出るでしょうが、道路という資源を食うことには変わりありません。
公共交通はある程度のボリュームがないとできないのは事実です。すべての玄関から玄関まで公共交通でアクセスできるとは決して思いません。しかし、需要の多い幹線は公共交通に委ね、車の利用を抑制する政策に転じなければならないのではないでしょうか?
(追記)
3月4日に廃止届を撤回した国道フェリーに続いて、四国フェリーも3月11日、廃止届を撤回しました。これにより3月26日の航路廃止は免れることになりますが、あくまでも暫定的なもので、根本的な解決とはいい難いですね。
(参考:山陽新聞ホームページ http://svr.sanyo.oni.co.jp/news_s/news/d/2010021223001364、Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100311-00000793-yom-bus_all)
| Permalink | 0
「船」カテゴリの記事
- 「クイーンビートル」、運休のおわびに1万円(2024.09.01)
- 船の世界にもリニア?(2024.08.21)
Comments
タベチャンさんへ:;
鳩山首相が、国連総会で、我が国は大気中に排出する二酸化炭素を25%削減すると、大見得を切ったのに、それを実現する政策を考えずに、相変わらずの大衆迎合の行き当たりばったりの思い付き政策ばかり。
国がこの体たらくなら、地方自治体の首長等は、大量輸送機関に対する理解は無く、地方自治体の交通政策は無きが如し。
トラムなんか時代遅れのチンチン電車的捉え方、富山市の施策は、例外的です。
天然資源も食糧も、海外に依存しているこの国の将来はどうなるのか?
Posted by: パノラマハイパー | 2010.02.13 11:36 AM
パノラマハイパーさん、おはようございます。
* 鳩山首相が、国連総会で、我が国は大気中に排出する二酸化炭素を
言うこととやることが全然違いますね。夏の選挙に勝つことだけが目的なのです。
* トラムなんか時代遅れのチンチン電車的捉え方
堺の対応は前時代的で情けないですね。せっかくのLRTのチャンスを無駄にし、既存の路面電車を廃止に追い込もうとするのですから。
Posted by: たべちゃん | 2010.02.14 06:45 AM
フェリーが維持できて
本四連絡橋の通行量が増える
いい方法はないものでしょうか
Posted by: XXX | 2010.02.14 11:04 AM
XXXさん、こんばんは。
* フェリーが維持できて
パイが増えればいいでしょうが、それでは答えになりませんね。
瀬戸大橋の料金が高かったことがフェリーにプラスに作用した面はあります。ですから、橋の料金を下げるのに税金を投入するのは理解できますが、それ以外の一般の高速道路を税金で値下げする必要はありませんね。
Posted by: たべちゃん | 2010.02.14 11:00 PM