たった10分で貨物列車を新幹線に載せる
3年ほど前に記事を書きましたが、開発は順調に進んでいるようです。
JR北海道の柿沼副社長は1日、札幌市内で講演をしました。その講演の中で、貨物列車を新幹線に載せることによって、青函トンネル内を高速で移動することができる「トレイン・オン・トレイン」構想についての話がありました。
新函館まで開業した時点では、新幹線は1時間に1本ぐらいしか運転されないでしょう。新幹線が通過した後に青函トンネルに入れば、十分に逃げ切れます。しかし、新幹線が札幌まで全線開業すればそういう訳にはいきません。新幹線の本数が増えますから。青函トンネルの中で貨物列車を抜かすことができず、新幹線はノロノロ運転を強いられます。航空機に対抗するため、札幌まで高速運転することが至上命題の北海道新幹線にとっては致命的です。
そこで出てきたのが「トレイン・オン・トレイン」なのです。在来線を走ってきた貨物列車を新幹線に載せて、高速で青函トンネルを走り抜けるのです。JR北海道の構想では、青函トンネルの双方の入口の近くに新幹線用と在来線用の2つのレールがスライドするダブルトラバーサーを設置し、在来線を走ってきた貨物列車を入れます。参考にした記事には画像がなかったので、どういうものかよくわからないですが、自動車を大型トレーラーのコンテナに積み込むような感じで、貨物列車を専用の新幹線車両に載せるのです。貨物列車を新幹線に載せる時間はたったの10分。あっという間の時間です。
また、柿沼副社長は、「トレイン・オン・トレイン」の技術を使って、マイカーを新幹線に載せる、「カートレイン」を青函トンネルで実現させたいと考えているようです。しかし、この構想には欠点があります。青函トンネルの入口までどうやって車で行くのか、ということです。青森側にしても函館側にしても青函トンネルの入口は、高速道路のインターチェンジからは離れています。高速道路のインターチェンジから離れたところまで慣れない道を運転して行く人はそういません。いくら「カートレイン」が速くても、アクセスに時間がかかっては意味がありません。かといって、「カートレイン」の駅を青森や函館の近くに置くこともできません。車を載せて重たくなった「カートレイン」を運行するには、軌道もしっかりしないといけません。しかし、整備新幹線は青函トンネル区間を除いて、重たい貨物列車の走行を前提としていません。「カートレイン」を青森や函館まで走らせようと思ったら、何らかの改良がいるのです。それを考えると、「カートレイン」は難しいものがありますね。
(参考:北海道新聞ホームページ http://www.hokkaido-np.co.jp/news/bullet_train/213317.html)
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Comments
①コンテナを搭載したコキ車を其のまま新幹線用の輸送車(コキ車?)に載せるのですか?車両建築限界の高さ制限に抵触しないのですかね?
②スイスで、山岳地帯の長大隧道を通過する列車で、マイカーを乗せて走る貨物列車を、鉄道の雑誌で見た事あります。実用化されると良いですね。
Posted by: パノラマハイパー | 2010.02.05 04:44 PM
パノラマハイパーさん、こんばんは。
* ①コンテナを搭載したコキ車を其のまま
そんな感じになると思われます。規格の大きい新幹線を走るから建築限界をクリアできるのでしょう。
Posted by: たべちゃん | 2010.02.05 11:09 PM
TB有難うございました。
折り返しTBさせていただきました。
さて、積載の様子ですが、動画で紹介しているWebページがありましたので、こちらを見ればイメージが膨らむと思います。
もっとも実際この形で実現するかどうかは別の問題ですが・・・
http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/video/?c=special&v=75929401001
Posted by: hanwa0724 | 2010.04.09 10:24 PM
hanwa0724さん、こんにちは。
* さて、積載の様子ですが、
残念ながら、私のパソコンでは見ることが出来ませんでした。2年前に買ったばかりなので、古くはないはずですが。
* もっとも実際この形で実現するかどうかは
北海道新幹線が札幌までの全線開業し、「トレイン・オン・トレイン」が必要に迫られる事態になればいいのですが。
Posted by: たべちゃん | 2010.04.10 05:23 PM
たまたまネットを流していて拝見しましたが、根拠の無い妄想をあたかも事実かのように語ると言うのは好きではありません。
「トレイン・オン・トレイン」について高速インターから遠いいことが欠点だとおっしゃいますが、無根拠も良いところです。
大間~函館のフェリーをご存じないのでしょうか?
函館こそ中心地に近いですが、大間は青森東ICまで137kmの距離です。
それでも多客期は乗れないほどの需要があります。
一方、木古内-函館は40km弱です。
その上で「高速道路のインターチェンジから離れたところまで慣れない道を運転して行く人はそういません。」という根拠は何でしょうか?
全国にこんなところはいくらでもありますよ。
つまり、高速インターから遠いいことが決してメリットではないものの、欠点というほどの状況では無いといえます。
「高速道路のインターチェンジから離れたところまで慣れない道を運転して行く人はそういません。」というのは全く無根拠です。
次に「青森や函館の近くに置くこともできません」というのもどういう根拠でしょうか?
元々青函連絡船関係の施設があった場所で、十分過ぎるほど土地はありますよ。
「余っている」と言う方が適切なくらいです。
また、「整備新幹線は青函トンネル区間を除いて、重たい貨物列車の走行を前提としていません」という根拠もなんでしょうか?
例えばJRの標準的な大きさのコンテナの最大積載量は一個5トンです。それが一両に5個ですから25トンです。それに積載貨車の自重が18トンちょっとですから単純計算で43トンです。(実際の荷重は40トン程度)
では、鉄道車両に自動車を何台積めるのかですが、その昔、新車輸送用に国鉄でク9000形という貨車があり、これですと1500ccクラスの自動車8台積めます。自動車一台かなり多めに2トンとしも16トンにしかなりません。(そもそも12トンしか積めません)
つまり、コンテナ運ぶより自動車の方がはるかに軽いわけです。
しかし、元々在来線の貨物が走る区間はこの重量に耐える設計で作っているわけですから、「整備新幹線は青函トンネル区間を除いて、重たい貨物列車の走行を前提としていません」というのは全く根拠がありません。
この程度のことは、ネットを調べれば意図も簡単に出てくることです。
あまり、個人の方のブログに突っ込むということはしないのですが、あまりに酷い妄想振りですので、コメントさせていただきました。
Posted by: よくいる通りすがり | 2011.01.19 07:51 AM
よくいる通りすがり さん、おはようございます。
* 大間~函館のフェリーをご存じないのでしょうか?
ここのフェリーは経営状況が厳しく、公設民営方式で何とかやっていく方針が出たばかりです。どうやら、ここのフェリーは大間から(近隣の主要都市である)函館へのアクセスが主眼であるようです。
* 次に「青森や函館の近くに置くこともできません」というのもどういう
計画をみる限りでは、カートレインの駅は青函トンネルの出入り口付近に設置されるもので、青森や函館(の近郊)ではありません。
津軽半島には高速道路の計画はなく、アクセス面ではかなり不利です。
* また、「整備新幹線は青函トンネル区間を除いて、
それが事実なら、今ごろ貨物列車が新幹線上を走っているのでしょう。
真偽のほどはともかく、新幹線と貨物が共存せざるを得ない青函トンネルでは新幹線も時速140キロ走行しなければならない( https://tabechan.cocolog-nifty.com/note/2010/02/post-8d5d.html )という話があるなど、制約は大きすぎます。
* この程度のことは、ネットを調べれば
結構な自信がおありなのですね。
(参考:Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110121-00000046-san-l02、青森県ホームページ http://www.pref.aomori.lg.jp/kotsu/build/kokikaku_kansen.html)
Posted by: たべちゃん | 2011.01.22 08:15 AM
回答は単なる論点のすり替えです。
> ここのフェリーは経営状況が厳しく、公設民営方式で何とかやっていく方針が出たばかりです。
高速インターから遠いところまで運転していく人がいないという主張の説明になっていません。
例えばナッチャレラのように函館-青森のようなアクセスのいいところですから撤退しているわけですから、高速インターから遠い事は全くの無根拠です。
需要がそもそも無いか、需要に対して供給が過剰なら、利用者がいたとしても、経営的には厳しくなるのは当然です。
また、トラック業界の事も何も知らないようですが、トラックは経費を浮かせようと一般道を走るという事も多々あります。
深夜、東京に向かう幹線道路は様々な地域のナンバーの車が多数走っていますよ。
東京湾アクアラインが出来た時も、料金が高すぎると15分でいけるところを数時間かけて首都高や一般道経由で向かっているトラックが殆どだと問題になっていました。
つまり、公設民営方式で何とかやっていくこと高速インターから遠いという話の間には何の因果関係もなく説明になっていません。
> 次に「青森や函館の近くに置くこともできません」というのもどういう
> 計画をみる限りでは、カートレインの駅は青函トンネルの出入り口付近に設置されるもので、青森や函館(の近郊)ではありません。
お話が支離滅裂ですが、計画がどうなっているのかではなく「青森や函館の近くに置くこともできません」というあなたの主張に根拠が無いのではないかという事です。
計画がトンネルで入口付近というのは函館駅や青森駅の周辺にスペースがあるけど、そこから車を載せると当然、その分の運賃が加算されるため、出来るだけ節約志向が強いドライバーには出来るだけ自走してもらって、最短距離だけ輸送しようということではないんですか?
> 津軽半島には高速道路の計画はなく、アクセス面ではかなり不利です。
上記の通り、アクセスの利便性は大きな問題ではありません。
> また、「整備新幹線は青函トンネル区間を除いて、
> それが事実なら、今ごろ貨物列車が新幹線上を走っているのでしょう。
あなたの無知振りには呆れます。
新幹線貨物自体は当所から計画があり、東海道新幹線の鳥飼基地付近の遺構は有名です。
http://diary.naritama.org/images/20081018_3.jpg
なぜこの施設を作ったのかについては諸説がありますが、当時の技術では新幹線並みの速度の貨物列車を設定する事が難しいこと、騒音の問題、在来線との積み替えに時間を要する事などから費用対効果が無いとして打ち切られています。
ただし、新幹線貨物構想は出ては消えて出てては消えてを繰り返しています。
また、車両重量自体、コンテン一両35トンにも満たないですが、E5系の新幹線は電動車で45トンと貨物より重いです。
そもそも路盤に対する強度は重さではなく、軸中という単位を使います。
例えば40トンでも、車輪が4つ=4軸あれば1軸10トンです。
そのため機関車など重量のあるものは6軸などで軸中分散します。
そのため、重量自体は軽くても軸が少ないために軸中が上がって走れないというケースもあります。
90トン6軸なら1軸15トンですが、80トン4軸なら1軸20トンです。
つまり、軽い重いというだけでは語れません。
騒音については貨車やコンテナの方が建て付けが悪いですから、例えばドアが動いてバタバタうるさいとかは、津軽海峡線が出来た当所に問題になっていますよ。
もっとも、その話とあなたが主張する、「整備新幹線は青函トンネル区間を除いて、重たい貨物列車の走行を前提としていません」という主張に何の関係もありません。
先に説明したク9000形のように自動車を積載して運搬するという事は昔からある話ですし、近年でも(東京)浜松町-(札幌)白石間でカートレインを走らせています。
つまり、もともと在来線は自動車積載して走るくらいは余裕の強度を持っており、重量からみても軸重からみてもあなたの主張は全くの無根拠です。
> 真偽のほどはともかく、新幹線と貨物が共存せざるを得ない青函トンネルでは新幹線も時速140キロ走行しなければならない
そもそもなぜ140km/hか知っているんですか?
技術的に新幹線と同じくらいの速度で走らせることは可能です。
しかし在来線車両の構造的限界と機関車の牽引力の問題がありますよね。
ですが、この話も「整備新幹線は青函トンネル区間を除いて、重たい貨物列車の走行を前提としていません」という話とは何の関係もありません。
> 結構な自信がおありなのですね。
あなたのお話が支離滅裂なだけですよ。
以下、URLが貼られていますが、あなたの主張の裏づけには全くなっていませんよ。
因果関係があるというのなら、きちんち因果関係を説明してください。
あなたの主張は全般的に言えることは実に短絡的だということです。
報道された事などを鵜呑みにして、それがどういう要素、どういう側面があることか全く考えていないというわけです。
正直、この程度の見識であるのなら、ああでも無い項でも無いと情報など出さないことです。
Posted by: よくいる通りすがり | 2011.01.27 10:04 PM
よくいる通りすがり さん、おはようございます。本文並みの長いコメント、お疲れ様です。
* つまり、公設民営方式で何とかやっていくこと
フェリーの経営状況がよいのなら、公設民営方式でやっていく必要がありません。すべて民間に任せても、適切に設備更新までやってくれます。
* 計画がどうなっているのかではなく
わざわざ青函トンネルの入り口まで走ってくれるのなら、青森や函館の近くにこだわる必要はないでしょう。
* 新幹線貨物自体は当所から計画があり、東海道新幹線の
東海道新幹線は整備新幹線なのですか?
* ですが、この話も「整備新幹線は青函トンネル区間を除いて、
青函トンネル以外でも貨物の走行があれば、こういう制約は出るかもしれないですね。
最後に、当blogにはこういう記事( https://tabechan.cocolog-nifty.com/note/2009/12/post-11e2.html )があります。
自分の知識を披露したい気持ちはわかりますが、先ほど掲げた記事を熟読の上、一度頭を冷ましてからおいで下さい。
Posted by: たべちゃん | 2011.01.31 05:14 AM