吉備線もLRTに転換か?
様々な路線が集中する岡山駅。山陽新幹線から山陰(米子・松江・出雲方面)や四国方面への重要な乗換駅です。
ここ岡山駅から、吉備線というローカル線が出ています。備中高松を通り、総社にいたる約20キロの路線で、ディーゼルカーが日中は1時間に1本の割合で運転されています(備中高松まではほぼ1時間に2本の運転)。JRのローカル線としてはそれなりの数字ですが、「便利」とは言いにくいです。そこで岡山市は、吉備線をLRT化することを目指して、JR西日本と協議をはじめることになりました。その費用2400万円は新年度の一般会計予算案に計上しています。この2400万円で、JRとの適切な役割分担や運転コスト、採算性を調査、協議します。
もともと吉備線は、(LRT化された)富山港線と同様、JR西日本が維持管理費の安い路面電車への転換を検討していた路線でした。岡山市は検討を重ね、ようやくJR西日本と協議をはじめる段階に至ったのです。
JRの安い運賃では、大都市近郊みたいに利用者が多いか、(特急料金が高いために客単価も上がる)特急がたくさん走っている路線ぐらいしか採算が取れません。吉備線のように、それなりの都市から出ているローカル線では、ある程度の需要があっても採算がとれず、消極的な経営になってしまいます。ほとんど客が乗らないローカル線なら廃止してしまってバスに転換すればいいのですが、そういう訳にはいきません。しかし、中都市近郊の路線は、磨けばそれなりに利用される可能性が高いです。1時間に1本あるかないかという本数では、使いたくても使えません。こういう路線は結構多いのです。
富山港線から転換した富山ライトレールはいいお手本。かつては1時間に1本あるかないかという本数でしたが、今では15分間隔になり使いやすくなりました。JRにこだわっても何の進歩もありません。株主を気にして収支を第一に考えなければならない組織から、それなりの収支があればいいという組織に変わることにより(足らない分は税金で補填する)、利便性の向上を図ることができます。
吉備線の改善につながるLRT化を進めるとともに、このような動きがほかの線にも広がってもらいたいですね。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/tabi/domestic/railway/20100306-OYT8T00578.htm)
| Permalink | 0
「鉄道」カテゴリの記事
「JR西日本」カテゴリの記事
- 「サロンカーなにわ」に乗ることのできるミニツアー(2025.01.12)
「路面電車」カテゴリの記事
- 広電の高架は発泡スチロール製(2025.01.14)
- ライトライン、休日もスピードアップ(2025.01.03)
- 京阪、大津線の正月用フリー切符、早目に買えば得だった(2024.12.31)
- 求む、二刀流(2024.12.30)
- 諏訪神社移設で横断歩道から乗車可能に(2024.12.22)
Comments
吉備線LRT化にあたっては、富山港線と異なり電化が必要なので、投資費用が高くなる可能性があります。
どうせ電化するなら、現在の倉敷経由より距離が短いので、「やくも」もこちらを走らせるという手もあります。(単線というネックはあるが)
Posted by: かにうさぎ | 2010.03.14 06:54 PM
吉備線は非電化単線ですが、まさか、昔の札幌市電のように、ディーゼル路面電車を走らすなんてことは、無いかと存じますが、津山線の法界院まで、トラムにして、総社~備中高松~岡山~法界院を運転したらどうかと、考えます。
岡山~法界院間2.3㎞は、途中に停留所を3箇所くらい設け、津山直通列車は、全て通過させる。
トラムと列車の接続は、法界院で行えばどうでしょうか。(名鉄各務原線の新岐阜~田神間をイメージしていただければ…………) 実現すると、宜しいですね。
Posted by: パノラマハイパー | 2010.03.15 12:39 AM
かにうさぎさん、こんばんは。
* 吉備線LRT化にあたっては、富山港線と
ディーゼルカーの路面電車という例もありましたが、一般的には電化するのでしょうね。
* どうせ電化するなら、現在の倉敷経由より距離が短いので、
こうなると吉備線はJRで維持しないといけないので、「LRT化」とは全く別の話になりますね。
Posted by: たべちゃん | 2010.03.16 12:10 AM
パノラマハイパーさん、こんばんは。
* 津山線の法界院まで、トラムにして、
吉備線をLRT化した場合、岡山電気軌道と直通することが想定されますが、こういうケースがあってもいいでしょうね。
Posted by: たべちゃん | 2010.03.16 12:17 AM