運転士になる夢をかなえるのは今からでも遅くはない?
「電車の運転士になりたい」という夢を子供のころに持っていたものの、それが叶わずに今を過ごしている方もいるでしょう。しかし、まだあきらめてはいけません。千葉県の第三セクター鉄道のいすみ鉄道が、その夢をかなえようとしています。
いすみ鉄道は、一般の社会人が、ディーゼルカーの免許をとることができる制度をつくりました。約1年半から2年の間、学科から実技まであらゆる訓練を行い、国交省の動力車操縦資格(甲種内燃)の取得を目指します。免許を取得した後は嘱託乗務員扱いとなり、週1回以上の割合でディーゼルカーを運転します。
ただ、一般の社会人が免許を取得するにはかなりの難しさがあります。まず、訓練生になった段階で、訓練にかかる費用700万円をいすみ鉄道に支払わないといけません(当然ながら自己都合で訓練を中止した場合でも、訓練費は返還されません)。しかも、週1回の出勤でよい学科訓練はともかく、乗務訓練は週3~4回の出勤が求められます。今までの仕事との両立はできません。しかも、免許を取るまでの間も給料は支払われますが、その額は最低賃金です。
いくら子供のころの夢をかなえる機会だとしても、金と自由になる時間の両方がないと難しいのです。
(追記1)
いすみ鉄道の700万円を払って運転士になるための訓練を受ける制度ですが、1週間で20人もの人が応募したため、1回目の募集が打ち切られました。
(追記2)
訓練費700万円を自腹で払って運転士になろうとした1期生4人は、3度目の挑戦となった2011年11月の技能試験で全員合格しました。今後は客への対応や非常時の訓練を行い、車内での試験に合格すれば契約嘱託運転士として1人で乗務を始めます。来年5月ごろの予定です。
いすみ鉄道では2期生2人もただ今訓練中で、2012年1月には3期生4人の募集説明会を予定しています。
(追記3)
お金を払って運転士になる制度は2016年の7期生で最後になりました。
(参考:いすみ鉄道ホームページ http://www.isumirail.co.jp/topics/100305.html、朝日新聞3月11日朝刊 中部14版、asahi.com http://www.asahi.com/national/update/1221/TKY201112200687.html、千葉日報ウェブ http://www.chibanippo.co.jp/news/local/314798)
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Comments
これって、リストラなんかで、早期退職を余儀なくされた人には、良いかも! 彼の会社、累積赤字を抱えて、存続の危機に在りとか。
社長さんも、公募してましたから。
上総中野で接続している小湊鉄道と一体的に運行するとか、考えないと……。
Posted by: パノラマハイパー | 2010.03.10 08:42 PM
パノラマハイパーさん、こんばんは。
* これって、リストラなんかで、
700万円を前払いし、しかも当面の間はかなりの低収入です。どういう人が応募したのでしょうか? 家族がいて、生活がかかっている人には厳しいですね。
Posted by: たべちゃん | 2010.03.12 12:37 AM