« 亀山の芸術的な接続 | Main | 20年後の関西の航空需要 »

月ヶ瀬と関西線

 前のの続きです。


 亀山の接続は極めて悪い。しかし、そう言っても仕方ないので、いったん外に出て昼を食べる。食事を終えて駅に戻ると、加茂行きのディーゼルカーが停まっていた。キハ120の2両編成。しかし、レールバスタイプのキハ120は、JRとして経営が成立たないようなローカル線に向いたものであり、いつも2両で動く関西線には合っていない。姫新線のキハ127のように、2両固定編成のほうがよい。運転室もトイレも節約できる。車内は結構乗っているので、2両固定編成が妥当だ。

 亀山を出て約1時間、月ヶ瀬の玄関口に当たる、月ヶ瀬口で降りる。梅のシーズンはここからバスが出るが、それも接続が悪く、50分待ち(運がよいと1分で発車というケースもあるが)。月ヶ瀬梅渓まで歩いて2時間かかるというので、バスの発車まで駅で待つことにする。ここの駅は「月ヶ瀬口」というが、実は京都府相楽郡南山城村にある。しかし、駅には何もない。平日の7時から15時までしか駅員はいない。梅のシーズンも例外ではなく、シャッターが降りている。駅前には1軒店があるが、ここも閉まっている。駅の北側には国道が走っていて車がよく通るが、駅を訪れる人はいない。月ヶ瀬からのバスがやってきた。このバスが月ヶ瀬へと折り返す。しかし、訪れるにしては遅い時間なのか、私以外の乗客はいなかった。駅で降りた人はそれなりにいたが。

 奈良県に入ったと思ったらすぐ月ヶ瀬に着く。もともとは「月ヶ瀬村」といったが、今は合併して奈良市になっている。梅のシーズンのみの臨時バス停には、テントが張られている。帰るのに時間がちょうどいいのか、待っている客は多い。月ヶ瀬口からのバス停は「尾山口」といい、梅渓から離れたところにある。坂を降り、しばらく歩くと梅渓への入口がある。急坂を登るとあちこちで梅が咲いている。ちょうど見ごろのようだ。梅渓はダム湖を見下ろす位置にあり、売店もところどころにある。

 尾山口16:00のバスで月ヶ瀬を後にする。来たときと同じバス、同じ運転士だ。月ヶ瀬へのバスは13時台がないが、運転士が同じ人であることを知ると、これはやむを得ないだろう。運転士の昼休みの時間なのだ。少し遅い時間なので、前の便より客は少なく、途中から乗ってきた人を含めても5人しかいなかった。

 月ヶ瀬口でまた30分ほど待って、ようやく加茂行きのディーゼルカーが来た。ディーゼルカーはしばらく木津川沿いを進むが、突如としてマンションが立ち並ぶ。終点の加茂だ。国鉄時代は単なる中間駅に過ぎなかったが、JRになってからここまで電化され、乗り換え駅となった。ここからは20分間隔で運転され、利便性が高い。全列車始発なので、確実に座ることができる。非電化の加茂以東とは大違いなのだ。

| |

« 亀山の芸術的な接続 | Main | 20年後の関西の航空需要 »

旅行・地域」カテゴリの記事

鉄道」カテゴリの記事

JR西日本」カテゴリの記事

近畿」カテゴリの記事

Comments

 たべちゃんさんへ;

 関西本線の加茂までは、JR西のアーバンネットワークに位置付けられてますが、加茂~柘植~亀山間は、ローカル線扱いで、JR西自体、活性化や輸送改善する気ないみたいですね。
 国鉄時代に、草津線が柘植まで電化した時に、亀山迄電化しないかなと、素人考えしたことも有りました。
 極論ですが、加茂~伊賀上野~柘植~亀山間を伊賀鉄に移管したらって、思います。
 亀山~四日市~名古屋間も、なかなか複線化しませんね。JR東海も関西本線には、いまいち、力をいれませんね。四日市~名古屋間は完全に複線化すべきって、考えます。

Posted by: パノラマハイパー | 2010.03.12 04:50 PM

たべちゃんさん こんばんは。いつもお世話になっております。

親戚が亀山にいる関係で関西本線はよく利用するのですが、年を追う毎に不便になっていく気がします。
特に 加茂〜亀山間は目を覆うばかりの状況です。

コメントのご指摘にあるように、関西「本線」と呼ぶのに違和感を覚えるぐらいに「本線」に見えない路線ですが、
これでも30年前には キハ35が4連で走ったり、キハ58の急行「かすが」が(確か6連ぐらいで)走っていました。
途中各駅のホームが 意外に長大編成対応なのもその頃の名残ですね。

本文でご指摘のように、東海と西日本の境界駅である亀山と、加茂の接続の違いは呆れるばかりです。

軌道の改良や電化など、手間とコストはかかりますが、大阪〜亀山間を直通できるようにすれば、スピードアップができ、沿線人口の増加は間違いないと思います。

名阪国道や近鉄の発展によって じりじりと業績が悪化していると言われる関西本線ですが、ジリ貧の大きな理由のひとつは、積極的に手を打たない 自らの経営姿勢にもあるのではないかと強く感じます。

Posted by: たなか | 2010.03.12 11:14 PM

 パノラマハイパーさん、こんばんは。

* 極論ですが、加茂~伊賀上野~柘植~亀山間を

 JRの経営が成り立つのは、大都市近郊か、特急が走る路線です。中小私鉄や第三セクターならともかく、JRだと関西線亀山-加茂間は厳しいですね。

* 亀山~四日市~名古屋間も、なかなか複線化しませんね。

 部分的には複線化されていますが、全部ではないためにどうしても制約が出てきます。伊勢鉄道と分岐する河原田までは複線化がいりますね。

Posted by: たべちゃん | 2010.03.12 11:56 PM

 たなか さん、こんばんは。

* 途中各駅のホームが 意外に長大編成対応なのも

 途中、月ヶ瀬口で降りましたが、かなりホームは長かったですね。

* 軌道の改良や電化など、手間とコストはかかりますが、

 加茂で大和路快速とくっついて大阪へ直通できるようになればいいですが、車両の開発もいるでしょうし、コストもかかるでしょうね。

 また、沿線は地形的に厳しいところが多く、改良しても楽観的な見通しはないですね。

* ジリ貧の大きな理由のひとつは、

 問題は運賃が安いため、JRに投資できる資金がないというものです。沿線自治体の金銭協力が欠かせないですね。

Posted by: たべちゃん | 2010.03.13 12:02 AM

たべちゃんさま コメントありがとうございます。

おっしゃる通り、
車両開発コスト・厳しい地形・JRの投資余力不足、
その上、沿線自治体の援助が見込み薄(財政的に厳しそう。何より複線電化に冷ややかに見える)。問題山積みです。

柘植〜亀山間電化を書かれている方に私も同感で、単線電化なら加茂〜亀山間より実現しそうにも思えます。
いずれも難所の「加太越え」が残るのが問題ですけれども。

話は飛躍しますが、
いっそのこと、中央リニアのリニア方式をやめて、現行の新幹線方式にするというのは如何でしょうか。

東海道で実現しなかった350km走行の実施や、沿線各県に複数駅を設置すれば、速達性が多少犠牲になるものの、関西本線の諸問題も含め多くの問題が解決しそうな感じもします。
今まで積み上げてきたリニア技術がお蔵入りするのは勿体ないですが、新幹線方式ならば多少低コストかつ着工時期も早くできるのでは??

一応、中央リニア計画には一案として新幹線方式もあるようですね。

ご教示よろしくお願いします

Posted by: たなか | 2010.03.14 01:18 AM

 たなかさん、おはようございます。

* 柘植〜亀山間電化を書かれている方に

 亀山まで電化しただけでは何の意味もないと思います。鳥羽まで電化して、京都から特急(かつては京都から鳥羽まで、急行「志摩」が走っていましたが)を走らせるのなら話はわかりますが。スピードの問題があるので、どれだけの人が利用するかはともかくとして。

* いっそのこと、中央リニアのリニア方式をやめて、

 新幹線方式だと、新大阪で山陽新幹線との直通が可能になるというメリットがあります。技術的にも確立しています。リニア方式がうまくいかなかったときのために備えているのでしょう。

* 沿線各県に複数駅を設置すれば、

 これをやると、各県から設置要望が相次ぎ、収拾がつかないでしょう。確かに三重県では2つ(亀山または四日市、伊賀)欲しいのですが。

Posted by: たべちゃん | 2010.03.14 07:53 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 月ヶ瀬と関西線:

» ケノーベルからリンクのご案内(2010/03/11 08:53) [ケノーベル エージェント]
相楽郡南山城村エージェント:貴殿の記事ダイジェストをGoogle Earth(TM)とGoogle Map(TM)のエージェントに掲載いたしました。訪問をお待ちしています。 [Read More]

Tracked on 2010.03.11 08:53 AM

« 亀山の芸術的な接続 | Main | 20年後の関西の航空需要 »