大阪に米軍基地を受け入れる場所はない
27日に行われた全国知事会議。この会議で、鳩山首相は全国の知事(代理出席した18人の副知事等も含みます)に対して、米軍普天間基地等で行われている訓練の一部を他の都道府県で分散して受け入れるように要請しました。しかし、知事からは異論が相次ぎました。正直言って、安全保障上必要とは認識していても、地元には何のメリットもない米軍を受け入れるところはありません。たったひとりの知事を除いて。
唯一前向きな検討をしたのが、橋下大阪府知事。大阪府には米軍基地がないので、安全保障に関してはただ乗りしているというのです。
でも、大阪府に米軍基地を受け入れる場所があるのでしょうか? 南部には関空という国際空港があり、滑走路が2本あるので、多少は余裕があります。しかし、滑走路が2本ということはそれなりに需要があることを意味しています。めったに航空機が来ない、地方空港とは話が違うのです。以前にも書きましたが、現実的な話ではありません。両手があれば数えられるような地方空港のある県にお願いしたほうがよいでしょう。訓練もしやすいです。わざわざ混雑しているところで訓練する必要はありません。
マスコミの報道をうのみにすれば、関空は大赤字の危ない空港です。しかし、赤字の内容を分析すると、その原因は明らかです。赤字の原因は有利子負債がもたらす利子。この利子がなければ、黒字の空港なのです。結構な金額になります。ですから、将来性のある空港なのです。拡張ができず、時間の制約がある伊丹のほうが将来性はありません。
関空へのアクセスも改善が見込まれます。以前にも書きましたが確実にできるのが、北梅田地区の新駅。ここから「はるか」に乗れば、40分程度で関空です。値段のほうも改善が進んでいます。「はるか往復割引きっぷ」がそれです。14日間有効で、「はるか」の普通車指定席が使えます。気になる値段は、天王寺が3000円、新大阪が3600円、京都が4700円(ほかの駅からの設定もあります)。片道あたりにするとそれぞれ1500円、1800円、2350円ですから、あと一歩の数字です。
そもそも、米軍基地は沖縄が集中してかわいそうだから、各地に分散するというものではありません。必要があって配置されるのです。どうしても国境の近くや首都圏に多くなります。関西を新たに防衛対象にするならともかく、そうではない限り大阪に訓練を含めて米軍基地を受け入れる必要性はないでしょう。
(参考:朝日新聞5月28日朝刊 中部14版、JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/ICSFiles/afieldfile/2010/03/18/20100318_otokukippu.pdf)
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