熊本市電、路面電車を道路の端に移設
普通、路面電車は道路の真ん中に敷かれ、停留所に行くには道路を横断する必要があります。しかし、歩道に寄せたら、路面電車寄りのほうは道路を横断する必要はありません。バスと同じような感覚で利用することができます。利用者にとっては便利です。先月26日から、熊本市電の一部区間で、路面電車の線路を従来の道路の真ん中から、端に寄せた区間が出ました。
端に寄せた区間は、熊本駅前電停-田崎橋電停間。2号線の末端区間に当たる、約570メートルの区間です。ここが道路の端に移設され、JR熊本駅や合同庁舎(国の出先機関が入ります)から道路を渡らずに路面電車に乗ることができます。交通事故の危険性も減ります。
線路が端に寄ることにより、路面電車のある側の商店からは「買い物がしにくくなる」という批判が出ます。LRTの計画が幻に終わった堺でも、こういう反対はありました。今回のケースでも、熊本駅や役所のあるほうに路面電車が寄ったためにできたという側面はあるでしょう。しかし、本来道路は駐車場ではありません(街中なので、駐車禁止のところも多いです)。それに、車で行くなら、街中より郊外のショッピングセンターのほうがはるかに楽です。
サイドリザベーションと言われる路面電車を道路の端に寄せて敷く方式は、利用者にとっては便利になります。街中ならこのように公共交通機関を整備して、車の利用を抑えるということは望ましい方向です。状況によりますが、ほかの都市でも検討してよい話でしょう。
(参考:熊本市交通局ホームページ http://www.kotsu-kumamoto.jp/Content/asp/topics/topics_detail.asp?PageID=2&ID=227&type=1、Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100427-00000107-yom-soci)
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Comments
富山県高岡市の万葉線でも、沿線の商店街から路面電車反対の声が出てましたが、日本じゃ路面電車は、時代遅れの物と捉えています。
ドイツでは、かなりの都市で、路面電車が活躍し、町の中心部はトランジットモールで、自動車の乗入れが出来ないようになってます。
この背景には、欧州は、天然ガスをロシアから供給されており、ロシアが天然資源を政治的な武器にしているため、資源防衛の立場から、自動車使用を抑制し、公共交通の利用を促しているのだと思います。
ロシアは、天然ガスの供給量や値段を上下させて、被供給国を政治的にえげつなく揺さぶりますから。
Posted by: パノラマハイパー | 2010.05.03 08:11 PM
パノラマハイパーさん、おはようございます。
* 富山県高岡市の万葉線でも、沿線の商店街から
残念ながら、路面電車が単なる「古い乗り物」としか認識されていませんですね。
もっと海外の先進的な事例を紹介しないといけないでしょう。海外では路面電車も高速鉄道も高く評価されていると。
* この背景には、欧州は、天然ガスをロシアから
日本も、天然資源は海外に依存しています。できるだけ資源を節約する方向に持っていかないといけません。
Posted by: たべちゃん | 2010.05.04 04:51 AM
こんにちは。
以前見たときに、駅前から路面電車を利用しやすくする施策のひとつかなと思っていたのですが、端に寄せるという考えも入っていたんですね。
Posted by: ちゃいにーず | 2010.05.09 11:36 AM
ちゃいにーずさん、おはようございます。
* 以前見たときに、駅前から路面電車を
端に寄せることによって、JRの駅から路面電車を利用しやすくなりますね。
Posted by: たべちゃん | 2010.05.11 04:52 AM