100系(JR西日本)、300系(JR東海)、2012年春に引退
民営化直前の1985年にデビューし、2階建てグリーン車、個室、2階建て食堂車(JR東海が製造したものは、食堂車の代わりにカフェテリアを連結)で接客設備の充実を図った100系。そして、1992年にデビューし、時速270キロの性能で東京-新大阪間を従来より20分速い2時間30分で結んだ300系。いずれも2012年春で引退するようです。
100系の引退の原因は、スピードが出ないこと。「のぞみ」も「ひかり」も時速285キロ以上で運転する山陽新幹線では、時速220キロでは遅すぎます。次の駅まで逃げるのも大変です。近いうちに「のぞみ」はN700系に統一され、「ひかりレールスター」の代わりに「さくら」が運転されます。どちらも山陽新幹線では時速300キロ運転です。100系を引退させ、「こだま」を500系と700系7000番台にすることにより、「こだま」も時速285キロ運転ができます。底上げになるのです。
ところで、「さくら」のデビューは来年3月。しかし、先に述べたように100系の引退は2012年の春です。1年のブランクがあります。この1年の間に、これまで「ひかりレールスター」用として使われてきた700系7000番台を「こだま」用に改造するのでしょうか? もっとも、もともと8両編成の車両なので、500系などのような大幅な工事は要らないですが。
これに対して300系の引退の原因は、省エネ機能を向上させたN700系の登場によるもの。300系が引退しても、700系がある以上、東海道新幹線のスピードアップはありません。
JR西日本の所有する300系については当分残るようです。しかし、100系が引退する山陽新幹線の「こだま」は、500系と700系7000番台で賄えます。古い300系を短編成化して「こだま」にする必要はありません。そもそも300系は短編成化が難しいようです。当分の間は、JR東海に貸し出して「こだま」として使ったり、臨時列車用として使ったりするかもしれませんが、JR西日本のもそう遠くはないでしょう。
(追記1)
JR西日本は「さくら」用のN700系7000番台を19編成所有します(残り10編成はJR九州が所有)。しかし、19編成がそろうのは、九州新幹線開業1年後の2012年3月。そのため、100系も2012年春まで残りますし、「さくら」は1時間に1本しか運転できません。
(追記2)
2012年12月までに300系は引退する見通しです。JR西日本のも廃車が進むのでしょう。
(追記3)
JR東海の300系は、ダイヤ改正の前日、2012年3月16日に引退します。JR東海は、運行最終日となる2012年3月16日に全車指定席の臨時列車(東京10:47発「のぞみ329号」(「ありがとう300系」のぞみ号))を運行するなど、引退イベントや関連企画を行います。
引退1か月前の2012年2月17日からは、300系車両に、ヘッドマークやサイドステッカーによる車体装飾を行います。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100508-OYT1T00188.htm、http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110830-OYT1T00715.htm、47news http://www.47news.jp/CN/201005/CN2010050401000387.html、朝日新聞6月2日朝刊 中部14版、JR東海ホームページ http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000013673.pdf)
| Permalink | 0
「鉄道」カテゴリの記事
「JR東海」カテゴリの記事
- 東海道新幹線グリーン車に半個室(2025.03.20)
- 「JR東海&16私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ」、休日の翌日も利用可能に(2025.02.27)
- リニアが開業すれば、静岡や浜松に「ひかり」が1時間に2本停まる(2025.03.02)
- 「EXサービス」見直しで、一部商品は大幅値上げへ(2025.01.31)
Comments
そういえば、JR西の0系ひかり編成も末期は東海道区間のこだま専用になっていたこともありましたね。山陽区間で16両編成は輸送力をもてあましてしまいますからね。
Posted by: とこよっち@福島支部。 | 2010.05.10 11:09 PM
とこよっち@福島支部。さん、おはようございます。
* 山陽区間で16両編成は輸送力を
「ひかりレールスター」でさえ8両ですから、16両だと輸送力過剰となってしまいますね。
Posted by: たべちゃん | 2010.05.11 05:13 AM