やはり高速道路無料化は地方に甘い
今月28日0時から始まる高速道路の無料化実験。今年度中に開通が予定されている東九州道の2区間(いずれも宮崎県内)も無料化の対象となります。今回、無料化される区間は地方を中心とする区間ですが、最終的な姿はどのようなものになるのでしょうか?
最終的に無料となる区間は、今回の社会実験の結果を踏まえて決定されます。ただ、前原国交相の8日の就任会見でも明らかになったように、首都高速や阪神高速のように交通量の多いところは、無料にするとさらに混雑が激しくなります。渋滞ばかりで、高速道路を走るメリットがありません。こういう高速道路は無料の対象にならないのです。
首都高速や阪神高速のみが有料として残るわけでもありません。大都市周辺のように、無料化すれば渋滞が激しくなるようなところは無料化の対象から外れます。東京外環道、名古屋環状二号線のようにこれからつくる高速道路も有料が前提です。今回の無料化実験と同様、地方のそれほど利用者がいない高速道路のみが対象になるとも考えられます。
確かに、利用者の多い高速道路を無料化すると、激しい渋滞が起こり、高速道路を使う意味がなくなります。すでに1000円乗り放題で激しい渋滞が起きているところもあります。すべての高速道路を無料化する必要はありません。本格的に無料化するなら、揮発油税等の値上げのように自動車交通に対して適正な負担を課すべきでしょう。しかし、地方のみの無料化なら、大都市の住民は(すでに償還し終わったはずの)高速道路料金を負担し続け、地方の住民だけが無料化の果実を得ます。税金でこれからも必要な維持費を負担してくれるのです。公平性を欠きます。地方のみを無料化するのなら、幹線で得た料金収入は幹線でのみ使うなど、受益と負担がリンクするかたちでないといけません。
以前のコメントにも書きましたように、地方の高速道路だけを無料化するのなら、トンネルなどの短い有料道路で実例があるように、地元自治体の負担で建設費の未償還部分を賄う必要があるでしょう。それならある意味納得できます。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100615-OYT1T00103.htm、Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100611-00000016-rps-soci)
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Comments
たべちゃんさんへ:
本当に高速無料化を考えるならば、名神高速とか東名高速のような完成後、かなりの期間を経て、減価償却が完了した高速道を無料化し、無料の自動車専用道にすべきかと、考えます。
それで、東名、名神が渋滞するならば、速度無制限の超高規格の超高速道を建設すればどうかと思います。
名神高速が開通した頃、30年経たら、無料で通行出来ると言ってました。
のアウトバーンとフォルクスワーゲンは、ナチス時代に景気浮揚の政策の一環として、建設、製造されたのですから。ナチスを見習って、景気浮揚策で、超高速東名道路、超高速名神道路を建設したら如何かと。
Posted by: パノラマハイパー | 2010.06.29 06:47 PM
パノラマハイパー さん、こんばんは。
* 本当に高速無料化を考えるならば、名神高速とか
東名や名神はすでに建設費も償還しているのですが、ここを無料化すると混雑はかなりのものになりますね。単純に高速料金を無料化するわけにはいかないです。
* それで、東名、名神が渋滞するならば、
部分的に開業している新名神は、かなりスムーズに走ることができます。いずれはほかの区間も開通することでしょう。
Posted by: たべちゃん | 2010.06.29 10:52 PM