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貸付料の試算根拠を求める新潟県の真意は?

 整備新幹線は国や地方がお金を出してつくり、JRが運行します。JRは借り物の線路で新幹線を運行しているわけですから、大家の国に対して貸付料を支払います。2014年度に開業予定の北陸新幹線長野-金沢間の場合、その額は年247億円となる試算がすでに出ています(2008年に与党(当時)のプロジェクトチームに対して出したものです)。

 その貸付料の試算根拠を求める声が上がっています。その声の主は、新幹線を運行するJR東日本やJR西日本ではありません。新潟県なのです。貸付料は、新幹線開業によって生まれる収益の増加分と、並行在来線分離によって減少する赤字の減少分を基に算出されますが、JRの経営内容に触れるところがあるため、詳細なデータはこれまで出せませんでした。しかし、新潟県は6日、自らも公の立場に立ちながら、国に対して開示請求を行ったのです。国は30日以内に県に対して開示するかどうかを通知します。

 これまでも整備新幹線は、長野新幹線(北陸新幹線高崎-長野間)のようにすでに開通した区間があります。それらの区間を運営するJRからは、すでに貸付料が支払われています。その貸付料は、基本的には新たな整備新幹線の建設に使われます。しかし、新潟県は、その貸付料を県に還元すべきだというのです。今まで払った建設費の負担を、貸付料収入でカバーしようというのです。

 これははっきり言って新潟県のわがままです。整備新幹線はまだまだ建設しないといけない区間があります。北海道新幹線は札幌を、北陸新幹線は大阪を目指して。そもそも金沢止まりの北陸新幹線は、北陸の人しか使えないローカル新幹線です。北陸の人を除いて、できなくても特に困らないのです。

 新潟県はすでに上越新幹線があることもあり、北陸新幹線には厳しい態度をとっています。新幹線が開業したら、上越新幹線の地位が低下し、北越急行の経営問題が出てきます。北陸新幹線がなければこんな問題は起きません。しかし、それは(フル規格での)北陸新幹線の建設が具体化する15年ぐらい前にしておかないといけない議論だったのです。そのころの計画だと、長野-上越間だけを建設するというものでしたから。北陸新幹線に乗らずに、「はくたか」に乗ったほうが速いという、何の価値のない新幹線だったのです。
(参考:毎日jp http://mainichi.jp/area/niigata/news/20100807ddlk15020108000c.html)

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