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September 2010

JR四国、高速化構想&ICカード導入?

 規模が小さく、新幹線の計画もないJR四国。高速道路の1000円乗り放題で利用者の減少を招き、経費の削減のため今月から無人駅の数を増やしています

 今年就任した泉社長の話によれば、JR四国に必要なのは高速化。航空機や車との競争に打ち勝つには、やはりスピードが大切なのです。私も同じ認識です。速くないとお金を払って乗ってくれません。

 しかし、泉社長も指摘していますが、鉄道は昔の技術でつくられ、急カーブがいたるところに存在します。山脈でもトンネルで貫く高速道路とは大きな違いです。泉社長はこの問題を解決するには新幹線の導入がベストと考えています。並行在来線を切り離すという条件なら、松山までならそれなりの需要があり、新幹線も採算が取れるでしょう。しかし、新幹線は予算がないのですぐにはできません。北海道新幹線や北陸新幹線が完成してからになります。何十年も先の話です。

 次善の策としてJR四国が考えているのが、線路の改良。時速160キロ運転ができるぐらいに改良するのが目標のようで、そうなれば新大阪と松山の間を2時間半で結ぶことができるようです。現状では最速でも3時間40分ぐらいかかりますので、大幅な所要時間短縮です。本当に線路改良だけでこれだけ短縮できるかは疑問ですが。

 参考にした記事にある地図を見れば、松山に伸びる路線が今治を通らず、ショートカットしているように見えます。確かにここをつくれば30分程度は所要時間の短縮ができそうですが、30キロ以上の線路をつくればかなりの費用がかかります。JR四国の見込んでいる費用1500億円はそれだけで吹っ飛んでしまいます。

 JR四国は、高速化を考えている路線として、予讃線(高松-松山間)のほかに、土讃線(高松-高知間)、高徳線(高松-徳島間)を挙げています。いずれも振り子式の特急が1時間ごとに走っており、線路の改良が求められるところです。

 1500億円と見込んでいる費用については、国に頼むことになります。記事ではやや否定的に書かれているところもありますが、中距離の輸送は鉄道の得意分野であり、高速道路を税金を使って無料にするよりはよほど有用な使い道とも言えます。

 泉社長はICカードについても触れています。お隣の岡山では「ICOCA」が使えますので、それを高松近郊で導入しようとも考えたようですが、20~30億円の費用がかかるようです。高松近郊以外ではICカードの導入は考えられないでしょうが、高松近郊では使えるようにしたほうがいいでしょうね。当然、会社の壁を越えて岡山でも使えるのが話の前提です。

(追記1)
 2012年5月に判明した話ですが、土讃線に関しては、新たにトンネルを掘って直線化を図り、それによって所要時間の短縮を図る構想があります。すでにJR四国のほかに四国4県の行政関係者も加わっての「高速化検討委員会」も開かれています。しかし、想定されている大杉-土佐山田間(24.1キロ)だけでも事業費は1000億円を超えます。JR四国は整備新幹線の手法で整備することを考えているため、負担の生じる高知県は現段階ですでに慎重な姿勢を示しています。整備新幹線の場合、地元の負担は1/3。事業費を1000億円として、建設に10年かかるならば、単年度負担は33億円程度になるのですが。

(追記2)
 四国の高速化に関連して書きますが、徳島県は、四国新幹線の必要性を訴えています。山陽新幹線が被災したときの代替として四国新幹線を位置付けています。四国新幹線は1973年に大阪-徳島-高松-松山-大分のルートで構想されましたが、実現のめどが立たないため2008年度に地質調査の予算が打ち切られました。2012年5月に、2013年度の国の予算編成についての政策提言を行い、その中の重要項目として四国新幹線を取り上げました。

 確かに新幹線のスピードは圧倒的で、車に対抗できる最大の武器となります。理想的な改良方法です。先にも書きましたが、松山までならそれなりの需要は見込めそうです。しかし、整備新幹線の財源が厳しい中、四国までできるのは非常に先のことになりそうです。このままのペースでは50年後でも難しいでしょう。
(参考:asahi.com http://mytown.asahi.com/kochi/news.php?k_id=40000001009250002、高知新聞ホームページ http://www.kochinews.co.jp/?nwSrl=288132&nwIW=1&nwVt=knd、朝日新聞ホームページ http://www.asahi.com/travel/rail/news/OSK201205280134.html)

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武蔵野線東エリアからの直通列車「しもうさ号」、12月4日運転開始!

 昨日に引き続き、12月4日ダイヤ改正の話題です。

 東京の北の玄関口、大宮。すでに八王子・府中本町から武蔵野線を経由して大宮まで直通の快速(「(ホリデー)快速むさしの号」)が走っています(乗車記はここ)。混雑する東京駅に寄らずに速く行くことができる、便利な列車です。

 この列車が12月4日のダイヤ改正でパワーアップすることになりました。武蔵野線西エリアからの「むさしの号」は増発され、今までの2往復(休日は1往復)から3.5往復になります。現在は武蔵野線内でも快速運転していますが、改正後は武蔵野線内(北朝霞以西)は各駅に停車します。

 また、これまで設定がなかった東エリア(西船橋方面)からも、大宮への直通列車が運転されます。名前を「しもうさ号」といい、1日3往復します。基本的には西船橋発着ですが、海浜幕張行きのものもあります。武蔵野線(武蔵浦和以東)・京葉線内では各駅に停車します。

 大宮から新幹線に乗せることによって、利用者に目的地までの所要時間が短くなるような印象を与えます。東京からだと新青森まで最速3時間23分かかりますが、大宮からだと最速2時間57分です。2時間台なのです。そのためにも、大宮へのアクセスを強化する必要がありますが、3往復とか4往復では少ないですね。利用者の数の問題はありますが、1時間に1本ぐらいは欲しいところです。
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/press/2010/20100916.pdf)

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新青森-青森間、特急料金0円

 24日、JR北海道・JR東日本から12月4日ダイヤ改正のプレスリリースが出されました。

 新青森から北海道方面へのアクセスは、「スーパー白鳥」「白鳥」。以前にも書きました通り、10往復が新青森まで乗り入れます。多客期には臨時の白鳥が2往復(うち1往復は青森発着)運転されます。「はまなす」も青森発着で残ります。今回のダイヤ改正では東日本エリアのみの改正であるためか、夜行列車の廃止はないようです。

 特筆されるのは、新青森-青森間の特急料金。寝台列車を除いて、乗車券のみで自由席に座ることができます。つまり、特急料金が0円なのです。新青森-青森間は単線で線路に余裕がないことから、特急と普通を兼用できるこの特急料金0円の制度は、JRにとっても利用者にとっても便利なものでしょう。私のblogを見られたのでしょうか?

 乗継割引でも配慮が見られます。新青森だけではなく、青森から特急に乗った場合でも乗継割引が適用になります(八戸での乗継割引は廃止になります)。新幹線が新函館まで伸びるまでの暫定的な施策とは思いますが、青森でちょっと観光をしてから在来線特急に乗る、ということもできます。

 反対の弘前方面については、青森との距離が短いからなのか、八戸へ直通していた特急が廃止になり、その分普通列車が増発になります。短距離でも特急や(485系を使った)快速でアピールするという手もありますが、線路容量の問題があるのでしょう。現在、秋田方面への昼行の特急は「いなほ」と「かもしか」がありますが、これがすべて「つがる」になります。「いなほ」の新潟直通はなくなるようです。6往復(大館-青森間の毎日運転の臨時列車2往復を含む)の「つがる」はすべて新青森に停車します。「つがる」は当分、485系4両編成で運転されます。「当分」ということは、新青森開業で仕事がなくなるE751系を4両編成に改造の上、「つがる」に投入するのでしょうか? それとも、また別のことを考えているのでしょうか?

(追記)
 「つがる」は2011年4月23日からE751系の4両編成になりました。E751系はもともと6両編成ですが、外された2両がどうなるかはわかりません。
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/press/2010/20100916.pdf、http://www.jreast.co.jp/akita/press/20110201-1.pdf、JR東日本盛岡支社ホームページ http://www.jr-morioka.com/pdf/press/pdf_1285550797_2.pdf、JR北海道ホームページ http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2010/100924-1.pdf、毎日jp http://mainichi.jp/area/akita/news/20100925ddlk05020042000c.html、railf.jp http://railf.jp/news/2011/04/24/175900.html)

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50キロしか走ることのできない電気自動車でもいいかもしれない

 朝日新聞では、2面に「ひと」という欄があります。今回取り上げられたのは、電気自動車の普及を目指す日本EVクラブ会長の舘内端氏です。

 環境に優しい車のひとつに電気自動車が挙げられます。しかし、電気自動車の欠点のひとつに航続距離の短さがあります。普通のガソリン車のようにガソリンスタンドで簡単に燃料を補給することはできません。高速で充電するタイプでも15~30分かかるようです。買い物などの用事をするときに合わせて充電をしておく、というイメージでしょうか?

 話を航続距離に戻します。舘内氏の改造電気自動車の航続距離は50キロしかありません。でも、これでも日常の足としては十分なのかもしれません。高速道路を使った長距離のドライブはできませんが、近くのショッピングセンターへの買い物や、駅までの送迎なら使えます。

 50キロまでしか使えないがゆえに、鉄道などほかの交通機関との役割分担もしやすくなります。鉄道やバスなどの公共交通機関はある程度の需要がないと成立しません。駅などへのアクセスは自動車に委ねます。買い物も車で行けばいいでしょう。しかし、中距離以上は鉄道に任せます。1000円乗り放題や(部分的ですが)無料化で安くなった高速道路を使ってのドライブはもってのほか、ということになります。

 電気自動車でも航続距離が伸びるに越したことはないでしょうが(いずれは技術の進展で解決されるでしょう)、(50キロしか走ることができないがゆえに)本来の適性に合った使いかたができるようになるというのは、悪くはない話なのかもしれません。
(参考:朝日新聞9月22日朝刊 中部14版、高砂製作所ホームページ http://www.takasago-ss.co.jp/products/power_electronics/sp/tqvc/index.html)

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金本選手の連続試合出場は最優先事項なのか?

 昨日のナゴヤドームでの中日戦。0-0のまま、良く言えば緊迫した、悪く言えば重苦しい展開が続きます。

 そのままの状態で9回表の攻撃に入ります。2アウトランナーなしの場面で、守備固めで入っていた藤川俊選手のところに代打が出されます。金本選手です。しかし、金本選手も凡退し、(好投の久保投手まで変えた影響があったのでしょうか)裏で1点取られて負けてしまいました。多くの人が期待する阪神タイガースの優勝は厳しいです。

 チャンスだとか、ピッチャーに打順が回ってきたというのならわかります。昨日の金本選手の代打の起用には疑問符が付きます。金本選手の連続フルイニング出場は4月で止まりましたが、スタメンで出なかった日も代打で起用され、連続試合出場は続いています。昨日もスタメンから外れましたので、どこかで代打に出さないと記録は止まってしまいます。真弓監督が9回でサヨナラ負けをすることを予想して、無理に代打で起用したのでしょうか? 読みは大したものです(普通は勝つ方向にもっていくのでしょうが)。

 一番大事なことは、阪神タイガースを優勝に導くこと。金本選手の記録ではありません。好調ならスタメンで起用され、ほっといても連続試合出場は続くのです。何が一番重要なのかを認識しておく必要がありますね。

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博多南線廃止の噂

 博多駅からさらに伸びる博多南線。もともとは博多総合車両所への回送用の線路でしたが、住民の要望を受け、1990年に旅客営業を開始しました。それまで博多南駅周辺から博多に行くには、車だと約1時間かかることもありましたが、鉄道だとたったの10分。現在では通勤・通学客を中心に1日約1.2万人が利用し、平日の午前7時台には博多行きが1時間に5本、夕方から夜にかけても博多南行きが1時間に2~3本運転されます。

 しかし、これだけの人が利用する路線ですが、先行きが見えないのです。その原因は、来年3月12日の九州新幹線の開業。博多総合車両所への回送用の線路はそのまま、(当初の目的通り)九州新幹線の本線になるのです。今のところ九州新幹線は1時間に4本だけですが、将来的には増発されるでしょうし、長崎新幹線も加わるかもしれません。今までのように自由に使えなくなるのです。

 さすがに「廃止」と言うことはないでしょう。鉄道を廃止させるには1年前に届け出が必要です(地元との合意があれば短縮可能)。2007年の博多南線の輸送密度は12041人。国鉄時代に「幹線」と区分されるクラスですので、廃止はあり得ません(仮に出したとしても、新幹線の開業には間に合いません)。全国のJRには、輸送密度が博多南線の1/10未満のところもゴロゴロあります。7月の豪雨で橋が流された美祢線もそのひとつです。それでもなかなか廃止されずに生き残っているのです(美祢線も復旧工事には1年以上の時間がかかりますが、廃止はされないようです)。

 ただ、朝のラッシュ時などで本数の減少はあるでしょうね。満員の状態が続くなら、本数を減らす代わりに、(ホームの延長などの工事が必要でしょうが)16両の新幹線も投入しないといけないかもしれないですね。

 ダイヤの正式発表は年末の予定です。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100917/biz1009171018006-n1.htm、週刊東洋経済 2010年4月3日号、asahi.com http://www.asahi.com/travel/rail/news/SEB201009080028.html)

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宮城交通が仙台-川崎町間高速バスを新設

 以前に書いた、仙台と川崎町を結ぶ「ツアーバス」についての続報です。

 これまで仙台と川崎町との間を結ぶ路線バスを運行していたのは、宮城交通。「ツアーバス」騒動で喧嘩を売られたかたちになりました。町の広報に「ツアーバス」のことが載ったということは、川崎町自身が宮城交通のこれまでの姿勢に不満を持っているということですから。

 その宮城交通(ミヤコー)は10月1日から、仙台(県庁市役所前)-川崎町(ボートピア川崎)間に高速バスを運行することになりました。東北道経由で運行され、仙台駅前-川崎中央間が最速41分です(平日朝の始発便のみ村田町役場前などに立ち寄るため、遅くなります)。1日3往復します。運賃は1000円です。回数券や定期券の販売もあります。

 最初から宮城交通サイドが高速バスを運行すれば何ともなかったのですが、「ツアーバス」の話があるだけに、後味の悪いものもあります。宮城交通サイドは、この高速バス路線について「採算をとるのが難しい」と認識していますから。「ツアーバス」封じの目的があるのでしょう。
(参考:宮城交通ホームページ http://www.miyakou.co.jp/cms/uploadfiles/output/4c920772-dff4-4b7a-8fd9-1934c0a80204/、Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100917-00000023-khk-l04)

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225系は12月1日デビュー

 このblogでも何回か取り上げた、JR西日本の新型近郊型車両、225系。12月1日にデビューすることになりました。

 すでに御存じのとおり、225系は2つのタイプの車両がつくられます。最高速度が時速130キロで2列+2列シートの0番台(110両製造)と、最高速度が時速120キロで2列+1列の5000番台(116両製造)です。12月1日には、0番台、5000番台が同時にデビューします。

 投入される路線は、0番台がJR京都線・JR神戸線など。敦賀-米原・近江今津-大阪-上郡・播州赤穂間です。草津線にも乗り入れます。5000番台が阪和線・紀勢線(周参見以北)・関西空港線・大阪環状線・新大阪-西九条間です。

 5000番台についていえば、紀勢線や新大阪-西九条間にも乗り入れるので、113系・117系・221系を置き換えていくのでしょう。5000番台は223系0番台・2500番台と基本的な仕様が同じなので、阪和線・紀勢線の快速系の車両は同じタイプの車両に統一されます。223系0番台・2500番台と同じ運用で「関空快速」などにも起用されるのでしょう。運用の合理化が図れます。

 なお、置き換え対象となる車両のうち、朝夕だけですが、117系は和歌山線にも使われます。しかし、225系の投入線区には入っていません。ここだけに117系が残るとは考えにくいのですが、どうするのでしょうか? 「通勤・通学時の助っ人」と割り切り、阪和線あたりから103系を持ってくるのでしょうか?
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/1174977_799.html、Railway Enjoy Net http://www.railway-enjoy.net/unyo/waka105_117.html)

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九州新幹線、新大阪-鹿児島中央間23000~24000円は高すぎる

 いまだに決まらない九州新幹線の運賃・料金。新大阪-熊本間が16000~18000円、新大阪-鹿児島中央間が18000~21000円と言われていますが、目が飛び出るような発言がありました。JR九州の唐池社長が15日の定例会見で話したことなのですが、新大阪-鹿児島中央間の正規の運賃・料金(普通車指定席)を23000~24000円と考えているようです。

 いくらなんでも高すぎます。確かに正規料金よりも(実際に使う)割引切符の値段のほうが重要でしょうが、(めったに使う人がいない)航空機の正規の料金より若干安い程度では、「高すぎる」というイメージしか与えません。大体、特急料金を博多で分けたとしても、21000円も行かないはずです。口は悪いですが、「ぼったくり」と評されても仕方がない水準です。

 もともと九州新幹線の特急料金の水準が高いのなら話もわかります。しかし、以前にも書きましたように、すでに開業している区間の特急料金は、東海道・山陽新幹線並みです。100キロ程度の博多-熊本間は安くても(運賃込みで4000~5000円を考えているようです。現状が3940円ですから、妥当な水準でしょう)、300キロ近い博多-鹿児島中央間(運賃込みで1万円前後)は跳ね上がるのでしょうか? これまで薄利多売路線だったJR九州らしからぬ話です。

 800系にしろ、N700系にしろ、九州新幹線の車両はデザインがよく、「乗ってみたい」と思わせるものがあります。しかし、新幹線は観光列車ではありません。速くて、そこそこの値段だから使ってくれるのです。ごく一部の人以外にとっては新幹線は単なる移動手段であり、SLなどのように乗ること自体が目的という列車ではありません。物事には限界があるのです。いくらなんでも、21000円以上の水準はおかしいでしょう。

 もっとも、割引切符もどれぐらい期待できるかわかりません。JR九州サイドは2万円程度と考えているようですが、航空機の「特便割引3」(JAL)、「特割タイプC」(ANA)より安くないといけないですね。新幹線ができても航空機のほうが速いのですから、2万円は確実に切らないといけません。
(参考:日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/life/news/article/g=96958A9C93819891E3E7E2E3848DE3E7E2EBE0E2E3E29E8A93E2E2E2;da=96958A88889DE2E0E3EAEAE7E6E2E0E3E3E0E0E2E2EBE2E2E2E2E2E2、asahi.com http://www.asahi.com/national/update/0913/SEB201009130005.html、ZAKZAK http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20100913/dms1009131244004-n2.htm)

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近鉄新型特急はオール3列シート

 2013年にデビューする予定の、近鉄の新型特急。このblogでも取り上げたなのですが、新たな情報が入ってきました。6両全部が3列シートなのです。車内で食事できる空間(ビュッフェのことか?)や個室(「ビスタカー」の階下席のような半個室はありますが、本格的な個室はこれまでなかったようです)もあるため、従来よりも高い特急料金を適用することにしたのです。なお、新型特急のデビューと同時に、時間帯などで特急料金を変動させる制度を取り入れるようです。

 近鉄の小林社長の話では、新型特急の登場に合わせて、特急料金をのみならず、利用状況に応じてダイヤや停車駅も見直す考えのようです。減便の話につながるのでしょうか?

 小林社長は特急車両の阪神乗り入れについても言及しています。特急列車の定期運転はすぐにはできないものの、「楽」や「あおぞら」といった団体専用列車を使って、三宮・姫路から伊勢志摩方面へ試験的に運行を行うようです。阪神側も団体列車の運行には積極的なようで、早く運転したいとのことです。姫路方面から伊勢志摩へは、これまでJR西日本がキハ181系を使って修学旅行用の団体列車を運行していましたが、キハ189系への置き換えに伴い、姫路からの修学旅行列車の運行を終了します。それを補う意味もあるでしょう。それにしても、乙特急用の汎用車両ではなく、「楽」などが乗り入れるとは少し想定外ですね。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100915/biz1009152217024-n1.htm)

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東北新幹線東京-新青森間16370円

 先日、ダイヤが明らかになった東北新幹線。運賃・料金も決まりました。

 新幹線開業後の東京-新青森間の運賃・料金は、16370円。現在の東京-青森間が16890円なので、520円の値下げになります(八戸で在来線特急に乗り継ぎ)。乗り継ぎがなくなることと、新幹線開業により営業キロが短縮されることから(在来線の八戸-青森間は96キロですが、新幹線の八戸-新青森間は81.8キロになります。在来線は新幹線開業によりJRから分離されるため、新幹線での距離がそのまま営業キロとなります)、安くなるケースが多いのです。基本的には盛岡-八戸間と同じようなパターンなので、サプライズはありません。九州新幹線のように予想がつかないわけではありません。

 なお、隣駅との間(八戸-七戸十和田、七戸十和田-新青森間)の自由席、特定特急料金(立席)は従来通り840円となる予定です。
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/press/2010/20100911.pdf)

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「つばめ」、小倉に乗り入れへ

 今日も引き続き九州新幹線の話題。みなさんも御存じのとおり、九州新幹線には3つの種類の列車が運行されます。速達列車の「みずほ」、主要駅停車タイプの「さくら」、そして九州島内で運行される「つばめ」です。

 このうち、「つばめ」については、JR九州エリアの博多-鹿児島中央間のみで運行されるとみられていましたが、一部の便について「つばめ」を小倉まで延長させる方針です。

 「つばめ」の一部を小倉まで延長させるのは、次に述べる理由があるからです。九州新幹線開業後、博多駅に発着する便がさらに増えます。しかも、博多駅に発着する便の大半は、博多駅を始発駅あるいは終着駅とするものです。博多駅はホームが増設されますが、それでも厳しい状況です。そのため、一部の「つばめ」を小倉まで延長させ、博多駅の負担を軽減させるのです。

 小倉と博多の間は、新幹線と在来線特急の運営会社が違うこともあり、激しく競いあっています。九州新幹線が全線開業してもその状態が続き、JR九州は小倉-博多間については新幹線を無視して、在来線に誘導するものと思っていました。そのことから考えると、一部とはいえ、「つばめ」を小倉まで延長させるのは良い意味で意外な決定です。

 しかし、小倉まで行く「つばめ」は1日1~3本程度の模様。ごくわずかな、例外的な存在です。同じ九州島内の話ですし、1時間に1本ぐらいは欲しいところです。800系が山陽新幹線を走ることを問題にする人もいるかもしれませんが、信号などの方式は博多駅に乗り入れる以上何らかの対策が取られるはずでしょう。また、距離があるとはいえひと駅だけの話なので、時速260キロの800系でも問題にはなりません。N700系「のぞみ」と100系「こだま」の所要時間の差が3分にとどまるので、ダイヤに与える制約はないと言ってもいいでしょう。

(追記)
 800系は山陽新幹線へ乗り入れることができますが、実際には行われていないようです。
(参考:西日本新聞ホームページ http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/196832、東洋経済ONLINE https://toyokeizai.net/articles/-/310292?page=3)

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「みずほ」に乗ると500円追加料金

 来年3月12日に全線開業する九州新幹線。九州新幹線の運賃・料金は3か月ほど前に記事を書きましたが、まだ決まっていないようです。山陽新幹線と九州新幹線の特急料金を東海道・山陽新幹線のように通しで計算するか、東海道新幹線と東北新幹線のように別々に計算するかが決まっていないためです。ただ、予定では新大阪-熊本間が16000~18000円、新大阪-鹿児島中央間が18000~21000円になるようです。

 以前に書いた、「熊本まで16000円、鹿児島中央まで18000円」より高くなっていますが、以前の値はかなり低い数字でしたから、今回の数字のほうが幅がある分だけ正しいのでしょう。ちなみに、新大阪-熊本間の運賃、特急料金(「ひかり」と同じと仮定、通しで計算)、特急料金(「ひかり」と同じと仮定、博多で打ち切り計算)はそれぞれ、10370円、6170円、8160円です。鹿児島中央だと、11760円、7230円、9000円です。博多-鹿児島中央間は1万円前後を考えているようです。ただ、新八代以南が部分開業している九州新幹線の特急料金が「ひかり」並みであることを考えると、9000円を少し超えるぐらいになるとは思いますが。計算では、現状より少し下がると想定しています。もちろん、割引率は落ちるとは言え、割引切符の類はできるでしょう。いくら速いとはいえども、往復8000円の高速バスより倍以上もする水準ですから。

 話が長くなってしまいました。先月、突如、九州新幹線に「みずほ」ができることがアナウンスされましたが、この「みずほ」に乗るには500円程度の追加料金がかかるようです。「のぞみ」の追加料金が新大阪-博多間で300円であることを考えると、九州新幹線のみの利用であっても「みずほ」追加料金はかかるのでしょうか? スピードが「のぞみ」並みなので仕方がない面がありますが、割引切符では制約は課さないようにしていただきたいものです。
(参考:asahi.com http://www.asahi.com/national/update/0912/OSK201009110163.html、YOMIURI ONLINE http://kyushu.yomiuri.co.jp/keizai/detail/20100912-OYS1T00260.htm)

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やはりリニアは東京-大阪間を一気に開業させるのが望ましい

 8月30日に行われた国交省の交通政策審議会中央新幹線小委員会の第7回会合。元経企庁長官の堺屋太一氏と東大名誉教授・元宇宙開発委員会委員長の井口雅一氏の両氏にヒアリングを行いました。ここで、堺屋氏は、リニアを新大阪まで一気に開業させることが必要だと主張しました。いったん名古屋止まりにすると赤字が確実なので、永久に新大阪まで伸びない危険性(つまり、リニアが赤字のままになる)があるからです。リニアも黒字を出すことが重要であると主張しています。コンコルドのように、技術にこだわりすぎて、採算が取れなかったら意味がないということです。堺屋氏は、東京に経済活動が吸い寄せられ、名古屋や大阪が衰退する「ストロー効果」についても言及しています。

 東京一極集中の問題は、堺屋氏も主張しているように、国として解決しなければならない問題であり、JRの責任ではありません。また、リニアだけが一極集中を招くのではありません。リニアを問題にするのなら、整備新幹線も問題にしないといけません。一極集中を解消させる効果があるのは、九州新幹線ぐらいです。東京から離れたところで建設されるため、東京への「ストロー効果」が発生しないのです。九州新幹線によって、九州の中心都市、福岡の力が強くなります。最悪なのは、北陸新幹線。名古屋や大阪の力を削ぎ、一極集中を助長します。前原国交相は、北陸新幹線の敦賀までの新規着工について、敦賀以西の計画の明確化を条件として挙げていました。しかし、それは北陸新幹線をフル規格で金沢まで着工する段階で解決していなければいけなかった問題だったのです。大阪までのフル規格での直通の見込みがない限り、北陸新幹線ができなくても別に問題ではないのです。所詮は北陸へのローカル新幹線なのですから。

 JR東海ではどうにもならない東京一極集中の問題は別として、現状のリニアの最大の問題は、新大阪まで一気に開通しないこと。当初は名古屋までしかできないため、名古屋でのスムーズな乗り換えを考慮しないといけません。新大阪まで全線開業すれば利用者は減ると言っても、整備しないといけません。新大阪まで一気につくれば、乗り換え設備は(利用者が少なくなるため)簡略化できますし、名古屋駅にこだわる必要もなくなります。

 まだ、時間がかかっても新大阪までできればいいです。最悪のケースは、新大阪までつくるだけの財源がないとき。名古屋止まりのままでは、頼りにしている航空機からの移転が進まず、(堺屋氏の主張するように赤字になるかはともかく)投資を回収するのはかなり難しくなります。国から借りてでも、一気に新大阪までつくったほうが賢明なのは明らかです。

 リニアがいったん名古屋止まりになるのは、建設費が高いということもあります。リニアという新しい技術なので、既存の新幹線より高くなるのは、ある意味仕方ないかもしれません。ただ、先ほども述べたように、リニアを一気につくれば、名古屋駅にこだわる必要はなくなります。名古屋への輸送を東海道新幹線に任せ、名古屋近郊に駅をつくることもできます。奈良付近も奈良市ではなく、けいはんなにすればいいでしょう。ここならわざわざ大深度にする必要はありません。こうやってコストを下げるのも手でしょう。

 JR東海は名古屋の会社ですから、名古屋駅にリニアを通したいところでしょう。だからと言って、名古屋駅にこだわり、新大阪までできないようでは元も子もありません。最優先事項は東京と大阪の間を完成させることです。新大阪まで通してこそ、リニアは活用されます。羽田は空いた枠で国際線を増やすことができます。リニアの開業が早ければ、北陸新幹線を米原経由で通すこともできます(リニアの開業が2045年と遅いと、小浜経由でつくったほうが早いです)。堺屋氏は海外からの低金利融資で新大阪まで一気に開業させるだけの財源を確保すべきとしていますが、国内にお金がだぶついています。国が低金利か無利子で貸し出せばいいのです。それこそ生きた金の使いかたなのです。
(参考:日経ケンプラッツ(会員登録要) http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/const/news/20100901/543150/)

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いすみ鉄道で、まさかのキハ52復活!

 ローカル線の普通列車用の車両として、(キハ20などの同様のタイプを含めると)全国各地で見られたキハ52。最晩年はJR西日本の大糸線で使用され(そのときの乗車記はここ)、先月に引退したばかりです(定期列車としては今年3月のダイヤ改正で引退しましたが、イベント用の列車として何回か使われました)。

 大糸線のキハ52は1963年製。50年近く経っているので、普通は廃車の運命です。博物館などで保存されれば上出来です。しかし、その超中古車キハ52を現役の車両として購入するところが出てきました。先月、会社が存続することが決定した、いすみ鉄道です。希望者にお金を払わせることで運転士になることができるで話題になったところです。

 いすみ鉄道は、所有している6両のレールバスの更新を行うとともに、鉄道ファンを呼ぶためのツールとしてキハ52に目を付けたのです。購入するのは大糸線で最後まで走っていた3両のうちの1両。来年春から運行を始める予定です。かなり古い車両ですが、いすみ鉄道サイドでは、きちんと整備すれば、あと10年は持つと考えているようです。

 いすみ鉄道は、もともとは国鉄の木原線。木原線では、キハ52と同タイプのキハ20が走っていました。そのころの懐かしい国鉄ローカル線のイメージの復活を目指しているのです。東京の電車はすっかり新しくなりましたから。
(参考:千葉日報ウェブ http://www.chibanippo.co.jp/news/chiba/local_kiji.php?i=nesp1283911688)

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スカイマーク、羽田-中部便など開設

 東京-名古屋間はJR東海の天下。新幹線が頻繁に走っているため、航空機の出る幕がありません。かつては羽田と名古屋空港とを結ぶ便がありましたが、新幹線との競争に敗れ、1982年に廃止になりました。

 しかし、来年2月、そのJR東海の天下に殴り込みをかけるところが現れます。その名はスカイマーク。29年ぶりに羽田との便を復活させるのです。スカイマークは同時に、中部から新千歳への便を1日2往復、茨城への便を1日1往復させます。それに加えて来年度の上期には、南九州(新幹線と競合しないところ)、沖縄へも就航させるようです。将来的には中部発の国際線も考えているようです。

 中部から羽田への便は1日1往復。しかし、羽田行きも中部行きも最終の新幹線が出た23時ごろに運航されるのです。羽田-中部便には、新幹線への対抗や国際線への乗り継ぎという意味合いがありますが、機材の入れ替えという要素もあるでしょう。将来、国際線などができて中部を発着する便が増えれば話は変わりますが、今のところは中部にはスカイマークの拠点はありません。夜のうちに中部に来て、新千歳などに飛び、また羽田に戻る。そういうパターンで運航されるのでしょう。両方の空港に到着するのは、日付が変わるころ。そうなると(新たな接続バスができない限り)中心部への公共交通機関での移動は難しいです。まだ中部行きのほうは、知多半島に住んでいる人にとっては便利がいいかもしれませんが。単純に東京に行くことだけを考えたら(国際線への乗り継ぎや機材のやりくりは考えない)、羽田行きは早朝にしたほうが良さそうです。車を空港に置いて出かけることもできますから。
(参考:スカイマーク株式会社ホームページ http://www.skymark.co.jp/ja/company/press/press100906.html、毎日jp http://mainichi.jp/select/biz/news/20100908k0000m020146000c.html、朝日新聞9月7日朝刊 中部14版)

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関空から成田までたったの5000円?

 世界的に見て最近増えているのが格安航空会社(LCC)。無料でのサービスを絞る代わりに、運賃は既存の航空会社よりも安いのが第一の特徴です。国内の航空会社にはLCCに相当するものがありませんが(スカイマークはそれに近い存在?)、海外の航空会社の中にはすでに関空などの日本の空港に乗り入れているものがあります。日本第二の都市大阪が近くにあり、24時間使え、滑走路も2本ある関空はLCCの誘致に積極的(国際線の新規就航には1年半、着陸料を無料にすることもやっています)なこともあり、乗り入れる便が多いのです。LCCにとっても近距離の国際線は距離の割には運賃を高くすることができ、収益的にはおいしい路線です。

 元気がない日本の航空会社ですが、黙ってみているわけにはいきません。そういう状況の中、全日空は、関空を拠点としたLCCを設立する方針のようです。来年度中に国内線と国際線の就航を開始する予定のようです。国内の就航先は成田、福岡、那覇などが想定されています。運賃は成田や福岡が5000円前後、那覇が8000円前後のようです。新幹線の半額以下、高速バスと比べてもかなり安い水準です。国際線は中国や韓国を結ぶ路線が中心となるようで、運賃は既存の航空会社の半額以下を目指すようです。もっとも、国内線も国際線もANAからの振り替えはあるとは思いますが。

 全日空のLCCは、ANAとは別ブランドで行います。給与体系も別で、外国人のパイロットを雇うなどして、大幅なコスト削減を行うようです。また、全日空のLCCは、全日空が筆頭株主になりますが、国内の旅行会社や流通業界、海外のファンドからも出資を募るようです。関空に対しては、LCC向けの旅客ターミナルビルの建設を求め、近く合意する見通しのようです。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20100908-OYT1T00753.htm?from=top、朝日新聞9月8日朝刊 中部14版)

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東北新幹線、新青森開業時ダイヤ発表

 いよいよ3か月後の12月4日に新青森まで延伸される東北新幹線。「はやぶさ」がデビューするまでは、「はやて」が看板列車。その東北新幹線「はやて」の時刻が明らかになりました。

 すでに明らかになったように、新青森発着の「はやて」は1日17往復。東京-新青森間が1日15往復、仙台-新青森間が1日1往復、盛岡-新青森間が1日1往復です。基本的には、現在八戸発着となっている「はやて」が伸びる格好になっていますが、盛岡始発の「はやて93号」(現行は休日運休、改正後は毎日運転)が現行の7:16発から6:54発に繰り上がったりなどの微調整があります。「はやて93号」は新青森に7:56に着きます。これなら通勤にも使えますね。そういう意味では以前の疑問は解決されました。東京-新青森間は最速で3時間20分、東京行きの始発「はやて12号」のみが該当します(新青森行きの最速は「はやて21号」などの3時間23分です)。

 盛岡以北の停車本数は、いわて沼宮内が8往復、二戸が12往復、八戸が17往復、七戸十和田が12往復です。八戸を通過する列車が1本もないのは意外だったですし(最速達便ぐらいは通過すると思っていました)、七戸十和田に12往復も停まるのは意外でした。いわて沼宮内と同等クラスだと思っていましたので。

 もちろんこの新ダイヤ、「はやぶさ」が登場する来年3月には変わります。「はやて」が1号からではなく、11号からになっているのもその影響かもしれません。新型のE5系で走るものが1号から割り振られるのでしょうか?

(追記)
 盛岡始発の「はやて36号」は、新幹線が開業する12月4日から当分の間、新青森始発で運転されます。この列車は、盛岡までノンストップで運転されることとなり、八戸には停まりません。新青森で臨時列車「白鳥74号」(新青森17:02着)からの接続を受けるため、八戸に停まる余裕がなかったのでしょう。

 なお、新青森方面はすべての列車が八戸に停まります。
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/press/2010/20100907.pdf、JR東日本盛岡支社ホームページ http://www.jr-morioka.com/pdf/press/pdf_1287121760_1.pdf、デーリー東北 http://www.daily-tohoku.co.jp/news/2010/10/16/new10101609top.htm)

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フリーゲージトレイン、新型台車にも不具合あり

 長崎新幹線はフリーゲージトレイン導入が前提の新幹線。新鳥栖-武雄温泉間、諫早-長崎間を在来線と共用するため、標準軌と狭軌とを直通できるフリーゲージトレインがないと、話にならないのです。

 しかし、以前にも書きましたが、その肝心のフリーゲージトレインの開発がうまくいっていないのです。これまで実験を続けてきた台車(2代目)は、新幹線上で時速270キロが出たものの(しかし、山陽新幹線で「のぞみ」「みずほ」「さくら」が時速300キロ運転するあるいは見込みである現状では、時速300キロの性能が必要となります)、在来線のカーブ区間では線路に異常な圧力がかかるため、最高速度が80キロまでしか出ませんでした。そこで国交省は2代目の台車による実用化を断念し、新しい台車(3代目)の開発に着手しました。しかし、その新しい台車でも問題が見つかったのです。

 今年から開発を始めた新しい台車は、車輪の前後の間隔を5センチ縮めたものです。それに加えて、線路側のレールの留め金や継ぎ目を強化することにより、カーブ区間での速度を速める計画だったのです。新しい台車は(試験走行用の車両が3両編成のため)7台つくる予定だったのですが(1台は予備用?)、最初の1台を室内で実験したところ、2004年度まで実験されていた初代台車(時速200キロまでしか出ませんでした)の時点から問題になっていた車輪のぶれが出てきました。技術的に解消する見込みが立たず、この状態では残り6台の台車もつくれません。長崎新幹線武雄温泉-諫早間の開業予定は2018年3月とされています。そこから逆算すれば、2013年度までに台車を実用化する必要性があります。当初は2007年までに台車の開発を終える計画でしたが、この状態ではまだまだ先になってしまいます。台車の開発から車両走行試験の完了まで数年かかるものですから。

 前原国交相は先日、長崎新幹線諫早-長崎間の新規着工にはフリーゲージトレインの技術の確立が必要だと指摘しましたが、これでは新規着工どころか武雄温泉-諫早間の開業もできません。狭軌でそのまま走らせるのでしょうか、それとも財源を北海道新幹線・北陸新幹線に投入し、既着工区間を含めて長崎新幹線を後回しにするのでしょうか?
(参考:西日本新聞ホームページ http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/192047)

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宮城県川崎町の「ツアーバス」タイプ路線バスに東北運輸局がNo

 最近、全国各地で「ツアーバス」タイプの高速バスが走っています。いろいろ課題はありますが、安い運賃などを武器にして日々走りまわっています。もっとも、既存のバス会社が走らせる高速バスとは違い、よく似た形態であるにもかかわらず法規制が緩いという盲点を突いたところがあります。

 さて、先月17日から宮城県柴田郡川崎町に新たなバスが走る予定でした。仙台市役所、仙台駅前と川崎中央、野上中央との間を結び、1日4往復。最速51分(仙台駅前-川崎中央間)、運賃は500円。ちゃんと町の広報でも案内されていたのですが、とあるところからストップがかかりました。ストップをかけたのは、東北運輸局だったのです。

 その理由は、運行会社が普通の路線バス免許ではなく、「ツアーバス」形式で運行を行おうとしていたこと。高速バスの世界ではごく普通の話ですが、今回は生活路線だったのが影響しているのかもしれません。「ツアーバス」といえば、地元とのトラブルもありそうですが、今回の場合は地元の町の広報でも案内があった通り、町としても期待していたことでしょう。ちなみに今でも川崎町からは仙台へのバスが運行されています。宮城交通により運行され、1日4.5往復(平日)、3.5往復(土曜日)、2往復(日祝日)しています(このほかに、大河原への便があります。平日は1日5往復、休日は3.5往復です)。仙台駅前-川崎中央間の運賃は1090円です。町としては宮城交通に対して不満があったのでしょうか?

 確かに高速バスと似た形態でありながら、法的規制が緩いという「ツアーバス」の問題はあります。もともと予約が前提の長距離の高速バスや夜行バスとは違って、普通の生活路線で「ツアーバス」が成立するのかを含めて、どうすれば解決するかを考えていきたいところです。
(参考:47NEWS http://www.47news.jp/localnews/miyagi/2010/08/post_20100815151548.html、川崎町ホームページ http://www.town.kawasaki.miyagi.jp/resources/content/1603/443.pdf)

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「たこフェリー」、筆頭株主が撤退の意向

 明石と岩屋とを結ぶ「たこフェリー」。このフェリーを運航する第三セクター「明石淡路フェリー」(本社:明石市)の筆頭株主で、56%の株式(残りの株式の保有割合は、17%は明石市、17%は淡路島の3市、10%は自己株式)を持つ「ツネイシホールディングス」(本社:福山市)は、先月30日の役員会で撤退の意向を表明しました。明石市の北口市長は、「ツネイシホールディングス」に撤退の意向の撤回を求めるとともに、新たなスポンサーとして、同じ区間で高速船を運航する「淡路ジェノバライン」(本社:淡路市)に3日、支援を要請しました。

 「明石淡路フェリー」は明石海峡大橋の開通によってフェリーの需要が減り、それまで運行してきた会社が撤退したためにつくられた受け皿会社。もともと経営状況の厳しさが予想されたところからの出発だったのです。2000年の会社設立以降、従業員の削減や船舶の売却でコストの削減に努めてきましたが、高速道路の割引や燃料の高騰の影響により、経営が悪化。2005年度から赤字に転落し、今年度も1億円以上の赤字が見込まれるため、「ツネイシホールディングス」は撤退の意向を打ち出したようです。

 奇抜なネーミングで知名度がある「たこフェリー」。今後はどうなるのでしょうか?
(参考:毎日jp http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20100904ddlk28020342000c.html)

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新余部橋梁を訪ねて(5)

 姫路でも買い物をし、高速化が行われた姫新線に乗りに行く。姫新線は上月までの高速化とともに、新型車両キハ122系・キハ127系の投入(2扉転換クロスシート、ドア付近はロング)、期間限定ながら増発も行われている。播磨新宮までが30分に1本、佐用までが60分に1本の割合だ(このほかに、車庫のある余部発着が何本かある)。ここまでが鉄道としてやっていくことができる範囲なのだろう。佐用方面からの列車が遅れた関係で、10:42発の余部行きは6分ほど遅れて発車。次の10:54発播磨新宮行き(上月行き連絡)は定刻に発車。いずれもキハ127の2両編成。車両とホームの間に段差がなく、乗りやすい車両だ。ワンマン運転が多いため、通路を広くとっている。座席は2列と1列の組み合わせだ。運転士が後ろの車両を見やすくするため、連結部分は透明になっている。解放的な車内だ。列車は走り出す。新型だけに加速はいい。

 所定のダイヤでは、次の播磨高岡で姫路行きと行き違いを行う。しかし、ダイヤが乱れているため、その姫路行きは来ない。どうやら行き違いが次の余部駅になったようで、列車はそのまま発車した。そのころ、山陽線でも人身事故があったようで、JR神戸線も定時運行されるか心配だ。次の余部で折り返すことにする。反対側に停まっていたのは、本来余部を10:57に出るもの。8分遅れて出発した。こちらも立っている人がいる。姫路の近郊路線として期待できるところだ。

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新余部橋梁を訪ねて(4)

 倉吉6:23発の鳥取行きに乗る。キハ47の2両編成。改良された路線なので、キハ47と言えども動き出せば速い。だんだん乗客は増え、ボックスに2人ぐらいいる状態で鳥取に到着。相席を嫌って立っている人もいる。

 鳥取からは高速バスで姫路へ。名前は「プリンセスバード」、直訳すれば意味はわかる。予約不要のバスのため車内で運賃を払っても良かったが、駅北側のバス乗り場で切符を買う。

 7:30ちょうどに「プリンセスバード」は発車。7分ほど走ると鳥取道鳥取インターだ。鳥取道は社会実験に関係なく、もともと無料でつくられた高速道路。道路標識にも無料であるということが書かれている。料金所の設備が要らないので、立地がよければインターチェンジは非常に簡素なものになる。極端な話、高速道路と一般道とを結ぶスロープがあればいい。ただ、用瀬は上下線のパーキングエリアとインターチェンジをひとつにまとめているため、かなり複雑だが。

 鳥取道にはパーキングエリアが2つだけある。福原(佐用方面のみ)と用瀬だ。いずれもトイレだけのパーキングエリア。ただ、西粟倉と河原のインターチェンジのすぐ近くには道の駅がある。鳥取道にも案内がある。知っていれば使えるだろう。普通の高速道路と違ってここは無料なのだ。途中でいくら降りてもいい。この「プリンセスバード」にはトイレがないため、福原でトイレ休憩。休憩するなら設備の整った、道の駅のほうが良かったが。

 智頭インターを過ぎると、なぜか国道の標識を見掛ける。片側1車線のままだが、制限速度が70キロから60キロに下がる。そのまま県境のトンネルに入るともっとすごいことになる。高速道路のはずなのに、横に歩道があるのだ。片側1車線のときには付きものの、センターラインのポールがない。どうやらこのトンネル区間は一般道の扱いのようだ。これも鳥取道が無料であることの現れ。一般道のトンネルに乗り入れるという芸当もできる。トンネルを抜けると歩道は消え、制限速度60キロの自動車専用道路の扱いとなる。

 西粟倉から先は工事中。「プリンセスバード」も国道を走る。この「プリンセスバード」、佐用平福―西粟倉間は、乗降ともに可能な区間。大原でひとり降り、逆にひとり乗った。

 鳥取道の未開通区間は大原―西粟倉間のみなので、大原から再び高速に乗る。中国道は当然有料なので、佐用ジャンクションの手前に料金所がある。

 その後、「プリンセスバード」は、中国道、播但連絡道路、姫路バイパスを経て、姫路南インターで降りる。まっすぐ北に行けば姫路駅だ。しかし、この「プリンセスバード」の姫路側の業者は神姫バス。JRのみが便利な南口に停める訳にはいかない。「プリンセスバード」はJR姫路駅をぐるっと西側から回り(そのお陰でモノレールの遺構やチラッとではあるが姫路城を見ることができた)、定刻より若干早く姫路駅に到着した。(続く)

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新余部橋梁を訪ねて(3)

 鳥取からは快速「とっとりライナー」。キハ126系の2両編成。座席が埋まっていたので、一番後ろで立つことにする。

 鳥取から先は高速化が行われた区間。快速はスピードを出して走っていく。とは言ってもこの列車、倉吉までの通過駅は泊のみ。ダイナミックに駅を通過する姿を見ることはできない。余談だが、この列車はワンマンカーである。そのこと自体はいいのだが、実は倉吉まで、後ろの車両のドアは開かない。途中の駅は無人駅の扱いなのだ。「みどりの窓口」があり、一部の特急が停まる鳥取大学前も例外ではない。駅員の休憩時間なのか? ちなみに、翌日朝に鳥取行きの普通列車に乗ったときは、湖山と浜村には駅員がいた。鳥取大学前は無人駅のままだ。JR西日本の「JRおでかけネット」を見る限りでは、鳥取大学前は7:10~18:30(11:50~12:50を除く)の間、営業していることになっているが。

 赤碕でキハ121の単行の普通を追い越すと、ようやく快速らしく通過運転する。交換設備のある駅でも、スピードを落とさずに走る。今のところは快走する山陰線の列車だが、不安が全くない、という訳ではない。高速道路の建設が進んでいるからだ。国道を走る車よりは速いが、高速道路だと厳しい。安閑とはしていられない。

 境線の列車は出た直後。駅の売店に立ち寄り、次の列車を待つ。境線の列車はみな「鬼太郎列車」かと思ったら、米子16:30発のはキハ121の2両編成だ。ちょっと拍子外れ。

 境線は分割民営化ごろに駅を増設したので、駅と駅の間隔が狭い。約1.2キロの間隔で駅がある。加減速に優れた電車のほうが良さそうな区間だ。列車はこまめに停まり、乗客を降ろしていく。

 米子空港が近付いた。境線は、空港の近くを走っているが、滑走路の延長のため、線路を東へ迂回させる工事が行われた。迂回区間の終わりの辺りには、空港への連絡駅、その名も米子空港駅ができた(正式には、大篠津駅の移転と改称)。その様子を見るために境線に乗ったのだ。

 終点の境港は、NHKの朝の連続ドラマでブームになっているところ。以前に行ったことがあるので、駅前を散策して、同じ列車で戻る。車内には境港の観光を終えた観光客が多い。しかし、夕方の米子行きなので、途中から乗る客は少ないと思っていたら、そうではなかった。途中の駅からも乗ってくるのだ。お盆の帰省客の影響があるとはいえ、不便なら乗って来ない。JRを利用する客でも、車で米子に行く。こうやって利用されているということは、やはり境線はポテンシャルのある路線だ。JR西日本はローカル線の分離を考えているようだが、ここなら前向きな意味での第三セクター化もできそうだ。富山ライトレールみたいに。立っている人もいる状態で米子に到着。

 山陰線で東に向かう。次の列車は米子18:30発の若桜行き。キハ47の3両編成。しかしガラガラで、始発の時点でボックスを占領。いつもは少しぐらい通勤客がいるのだろうか?

 高速化された山陰線。特急や快速は新型車両が走っているが、普通の主力は旧型のキハ47。待避や交換待ちのために、時間がかかる。例えばこの列車は倉吉まで1時間25分かかるが、米子を18:00に出る快速「とっとりライナー」は倉吉まで50分、淀江で追い越していった「スーパーまつかぜ12号」に至ってはたったの32分だ。

 今日の宿は倉吉。最初は鳥取で考えていたが、宿が取れなかったのだ。駅前の、大浴場のあるホテル(入浴のみの利用もできる)で疲れを癒す。

 倉吉は町外れに駅があるためか、駅前にレストランの類はないようだ。居酒屋やスナックはたくさんあるが。(続く)
(参考:JRおでかけネット http://www.jr-odekake.net/eki/top.php?id=0640791)

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新余部橋梁を訪ねて(2)

 高架の福知山から乗り継いだのは、113系の2両編成。湘南色。福知山より先でも223系5500番台をよく見掛ける。113系は少数派のようだ。通常はワンマン運転だが、今日は車掌が乗っている。京都からの快速電車から乗り継いだ客が多く、混雑している。何とか空席を見つけて座った。「たんば1号」の到着を待って発車。終点の城崎温泉まで混雑は続く。城崎温泉では浴衣姿の女性が改札をしていた。

 城崎温泉で足湯に入り(ほんの少しの時間だが、それでも気持ちいい)、駅弁を買う。やはりここは「かにずし」だ。「北近畿3号」の接続を待って、浜坂行き普通列車(キハ47の2両編成)は発車。特急乗り継ぎの客もいるので、立っている人もいる。

 鎧を過ぎ、いくつかのトンネルを抜けると余部橋梁。新しい橋になって2日目だ。従来の鉄橋(いわゆる「余部鉄橋」「餘部鉄橋」。過去の旅行記はこちら)の山側に並行して架けられている。鉄橋は大部分が撤去されているが、餘部駅に近い一部分はそのまま残されている。橋を渡り切ったところが餘部駅。余部橋梁を撮影するファンが多い。もうすぐやってくるキハ181系の「はまかぜ」を狙っているのだろうか? キハ181系と新しい橋との組み合わせは今年度中のみだ。餘部では橋目当ての観光客だろうか、降りる人が多い。鉄橋から普通の橋に変わったので一時的なものになるだろうが、停車時間を長めにしてグッズを売るのもいいかもしれない。もっとも、高速化に伴い、鎧と久谷の交換設備を撤去したので、ダイヤの余裕は少なくなっているが。

 浜坂で乗り換え。キハ121の単行なので、大混雑。荷物を棚に置くことすらできない。途中で降りる客も少なく、混雑が続く。いきなり線路が高架になり、周りが建物で埋め尽くされると、鳥取。(続く)

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