松江の社会実験は特急料金無料
松江市は、今月、公共交通の利用促進、渋滞の緩和、CO2排出量削減を目的に、交通社会実験を行います。
舞台は山陰線。今月の平日に限り、特急「スーパーまつかぜ4号」が玉造温泉・宍道駅に、快速「通勤ライナー」が玉造温泉駅に臨時停車します(もちろん、玉造温泉・宍道駅には無料駐車場を設け、パークアンドライドに対応します)。これにより、7時台には玉造温泉・宍道の両駅から松江方面に5本の列車が停まります。玉造温泉からだと最速5分、宍道駅からでも最速13分の高速通勤・通学です。帰りの時間はまちまちですが、行きは大体決まっています。時間が決まっているので、道路は渋滞しやすいです。朝はわずかな時間でも貴重なので、朝を狙って利便性を高めるというのは、方向性としては合っているのでしょう。
しかし、いくら駅に特急が停まると言っても、特急に乗れば特急料金がかかります。松江-玉造温泉間の運賃は190円、松江-宍道間は320円ですが、特急料金(自由席)は6枚つづりの回数券でも1枚あたり約500円します。運賃が異様に安く、それを特急料金等で埋め合わせるため、バランスが悪くなっています。山陰線に限らずJRの運賃・料金制度の大きな問題点で、(鉄道としての使命を失った)超赤字ローカル線や並行在来線の問題の根本的な原因なのです。しかも、特急がない超赤字ローカル線の赤字を補てんするのは、その線とは全く縁のない新幹線や大都市の通勤電車の客なのです。受益と負担が全く合っていないのです。
話を本題に戻します。今回の社会実験では、決められた列車の特急料金を無料にします。朝7時台の特急列車(「やくも8号」「スーパーまつかぜ4号」)に玉造温泉・宍道駅から乗り、松江駅で降りた場合、特急料金が無料になるのです。改札口付近で係員から特急券をもらって、乗ればいいのです。松江市側がJRから自由席特急券を買い、利用者に渡しているのでしょう。
(参考:松江市ホームページ http://www1.city.matsue.shimane.jp/matidukuri/koututomatidukuri/kotumachi/kotsujikken/kotsujikken.data/jr-jikkenn2.pdf、JRおでかけネット http://tickets.jr-odekake.net/shohindb/view/consumer/tokutoku/detail.html?shnId=110000262&uniquekey=12b86ca6780)
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