近鉄、2012年3月に準急廃止?(総論)
以前にも書いた、近鉄の2012年減便の話。どうやら進んでいるようです。2012年3月に抜本的なダイヤ改正(改悪?)を実施し、電車の運転本数を削減します。これにより、保有している車両(2010年3月現在で1952両)を1割ほど減らし、無人駅も拡大させます。近鉄がこのように電車の本数などを大幅に減らすのは戦後初めてのようです。
ダイヤ改正の主な内容は、準急を廃止して急行に振り替えること。急行の停車駅は増やします。場合によっては本数は減らさずに電車の長さを短くしたり、逆に本数が減ったのをカバーするために電車を長くしたりするケースもあるようです。もっとも、近鉄は早速準急廃止などの報道を否定する文書を出しましたが、すぐに反応すること自体が(減便改正を)事実と認めていることの証拠でしょう。ある程度の方向性は当たっているはずです。
近鉄が減便をする背景には、大幅な輸送人員の減少。ピークの1992年3月期には約8.1億人運んでいましたが、2010年3月期には約5.8億人と3割減っています。それなのに、電車の運転本数などはそれほど変わらずにここまで来たのです。近鉄も営利企業ですから、総論として減便をせざるを得ないところは、やむを得ないでしょう。
なぜ準急がターゲットになったのでしょうか? 多くの路線を保有している近鉄は、急行といえども遠距離へのサービスが求められます。そのため、近鉄は伝統的に、大阪などの大都市近郊ではそれなりの駅であっても急行が通過します。大阪線の急行がかつては五位堂まで停まらなかったのはその典型例です。近鉄八尾などの主要駅は準急がカバーしていました。近鉄の準急は、他社における急行みたいな役割を果たしていたのです。しかし、最近は急行が河内国分や(名古屋線の)近鉄蟹江にも停まるようになり、準急の必要性が薄れているところもあります。
それでは実際に準急は廃止できるのでしょうか? 現在、近鉄で準急(区間準急を含む)が走っているのは、大阪線・名古屋線・奈良線・京都線(朝夕のみ)・南大阪線。昼間時間帯を中心に、次回、各線区ごとに見ていきます。
(参考:毎日jp http://mainichi.jp/kansai/news/20101016ddn001020008000c.html、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/economy/business/101016/biz1010161206005-n1.htm、近鉄ホームページ http://www.kintetsu.jp/news/wfiles/20101018ichibuhodo.pdf)
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