常磐線特急にE657系投入
新幹線が通らない常磐線は特急の天下。「スーパーひたち」「フレッシュひたち」が35.5往復(上野発着列車のみ、そのほかにいわき発仙台行きの「スーパーひたち」が1本あります)し、1日約2.6万人の利用があります。651系とE653系の2種類の車両で運転されています。
JR東日本は、その常磐線に新型特急車両E657系を投入します。E657系は10両編成(定員はグリーン車30名、普通車570名)で、16本投入されます。2012年の春から営業運転を開始し、2012年秋にすべてを置き換えます。
E657系は走行中の振動を軽減するフルアクティブサスペンションを先頭車とグリーン車に設置するとともに、空調を個別吹き出しとします。各座席で風向きと風量の調節ができます。また、WiMAXを用いたブロードバンド環境を構築し(当初は水戸以南のみ)、車内でインターネットができます。各座席にはパソコンを置くことができるテーブルとコンセントが備え付けられています。改良型ハンドル形電動車いすが利用できる大型トイレ・多目的室と車いすを固定することができる座席を設置するとともに、各客室内とトイレには乗務員と連絡可能な非常通話装置、各客室の出入り口には防犯カメラを設置します。
これはただの新型車両への置き換えではありません。E657系が運転を開始する2012年春には、常磐線特急の運行区間が大きく変わります。上野発着の特急はいわきまでしか行きません。原ノ町、仙台方面にはいわきで乗り換えになります。E657系は上野-いわき間で運転され(置き換えが完了する2012年秋までは651系も使用)、いわき-仙台間はE653系で運転されます。いわき-仙台間に運転される特急の愛称は、新たなものがつけられます。乗り換えとなるいわきでは、同一ホームでの乗り換えが行えるように配慮されるようですが、特急料金も通しの料金でできるように配慮しなければいけないでしょう。
この置き換えによって、651系とE653系の大半が余ります。その行き先については発表がなされていません。しかし、デビューして20年経つ651系は廃車になるかもしれませんが(同じころにデビューした253系も大半は廃車になりました)、E653系はほかの線に行くことになるでしょう。60ヘルツにも対応し、耐雪・耐寒構造にもなっているE653系は便利な存在です。「いなほ」や「北越」(ただし、「北越」は2014年の北陸新幹線金沢暫定開業で廃止になると考えられます。新潟-新井間の「くびき野」になると思われます。それを考えたら、「いなほ」のほうが優先順位は明らかに高いです)の置き換えに回ることでしょう。ただ、E653系にはグリーン車がありません。転用の際にはグリーン車を設置する改造がなされるものと思われます。
(参考:JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/press/2010/20101206.pdf)
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