九州新幹線「さくら」、新大阪-鹿児島中央間21300円
なかなか決まらなかった九州新幹線の料金。このblogでも何回か取り上げたのですが、ようやく決まりました。JR九州が10日、国土交通大臣に認可申請したのです。今回申請したのは、九州新幹線の特急料金の上限です。50キロ以下の区間を利用する場合や東海道・山陽新幹線と九州新幹線を乗り通すときには、認可後の届け出により割安の料金を適用します。
主な区間の運賃・普通車指定席料金(「さくら」通常期)の合計額は、新大阪-鹿児島中央間が21300円(現在は、「ひかり」「リレーつばめ」「つばめ」の組み合わせで21000円)、新大阪-熊本間が18020円(現行:16540円)、博多-鹿児島中央間が10170円(現行:9420円)、博多-熊本間が4990円(現行:3940円)、熊本-鹿児島中央間が6760円(現行:6350円)です。現行のケースと比較すると、一部の区間を除いてどこも料金が上がっています(新鳥栖は鳥栖、新大牟田は大牟田、新玉名は玉名と比較しています。また、新幹線開業とともに熊本方面に600メートル移設される筑後船小屋は、新駅の位置に在来線特急が停まったとして料金の比較をしています)。すでに開業している新八代以南も、若干ですが特急料金が変わります。
このように料金が上がった原因は、九州新幹線の料金が高いこと。150キロまでは現在の東海道・山陽新幹線と同じですが、それを超えるとかなり上がるのです。博多-鹿児島中央間の特急料金は4810円、東海道・山陽新幹線だと3760円です。
反対に、50キロ以下(50キロをわずかに超える博多-筑後船小屋間を含む)の利用については、安い料金が適用されます。指定席で1710円、自由席で1200円です。並行する在来線もJRが運営する博多-新八代間、川内-鹿児島中央間の隣接駅相互間(博多-久留米間を含む)の自由席はさらに安く、830円です。150キロをわずかに超える博多-新八代間については、150キロ以内の料金(指定席2920円、自由席2410円)を適用します。
東海道・山陽新幹線と九州新幹線を乗り通した場合、東海道・山陽新幹線と九州新幹線の料金を合算します。しかし、このままでは、指定席と自由席の差額が1020円となってしまいます。そこで、指定席で東海道・山陽新幹線と九州新幹線を乗り通す場合、九州新幹線の料金を510円引きます。すなわち、指定席の場合は、切符を博多で分けずに通しで買ったほうが若干安いのです(博多駅で「のぞみ」と「つばめ」を乗り継いでも、改札さえ出なければ構いません)。また、小倉と九州新幹線各駅相互間、新鳥栖・久留米と東海道・山陽新幹線各駅相互間を指定席で利用する場合、自由席との差額が510円になるように調整されます。すなわち、前者は山陽新幹線が740円引きになり(九州新幹線の510円引きはそのまま)、後者は九州新幹線が880円引きになります。
1日朝夕に2往復ずつ運転される「みずほ」の追加料金については、山陽新幹線のみにかかることになりました(九州新幹線のみを利用する場合にはかかりません)。「のぞみ」と同じで、新大阪-博多間300円です。
これまで九州新幹線は繁閑にかかわりなく年間を通じて同一の指定席料金でしたが、3月12日以降はJR西日本などと同じく、200円高い繁忙期、200円安い閑散期を設定します。繁忙期、閑散期、通常期の区分はJR西日本などと同じです。
また、九州新幹線にはこれまでグリーン車はなかったのですが、N700系のデビューにより、新たにグリーン車が登場します。グリーン料金は、100キロまでが1000円、200キロまでが2000円、300キロまでが3000円です。東海道・山陽新幹線と九州新幹線を乗り通すときは、両者のグリーン料金を合算します。
(参考:JR九州ホームページ http://www13.jrkyushu.co.jp/newsreleaseweb.nsf/9dd28b8cb8f46cee49256a7d0030d2e6/549543b259283fbc492577f500088703/$FILE/%E4%B9%9D%E5%B7%9E%E6%96%B0%E5%B9%B9%E7%B7%9A%E3%81%AE%E9%81%8B%E8%B3%83%E3%83%BB%E6%96%99%E9%87%91%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%EF%BC%88%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B9%E8%B3%87%E6%96%99%EF%BC%89.pdf、http://www13.jrkyushu.co.jp/newsreleaseweb.nsf/9dd28b8cb8f46cee49256a7d0030d2e6/549543b259283fbc492577f500088703/$FILE/%E4%B9%9D%E5%B7%9E%E6%96%B0%E5%B9%B9%E7%B7%9A%E3%81%AE%E9%81%8B%E8%B3%83%E3%83%BB%E7%89%B9%E6%80%A5%E6%96%99%E9%87%91%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6%EF%BC%88%E5%88%A5%E7%B4%99%EF%BC%89.pdf)
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Comments
今回の運賃発表ですが、概ね予想通りではあるものの残念発表な感じですね。
というのは、長崎方面に行く場合の新鳥栖での乗り継ぎに付いて何も記載されておらず、博多からの割引きっぷの設定はあっても乗継割引も設定されないのではないかという気がしてならないからです。
せっかく関西方面から新鳥栖まで「さくら」が結ぶのに、従来どおり博多での乗り継ぎの方が安くて便利になれば、新幹線開業によるメリットが薄れます。もっとも「長崎新幹線に賛成させる」策かもしれませんが…
今回の発表でひとつだけ意外だった点がありました。
それは、久留米-博多間が隣駅ではないのに特定特急券で乗車できることです。
Posted by: うえしょう | 2010.12.12 09:14 PM
うえしょうさん、おはようございます。
* というのは、長崎方面に行く場合の新鳥栖での乗り継ぎに付いて
現在の九州新幹線には乗継割引はありません。鹿児島中央方面からはともかく、新大阪方面からは従来通り博多で乗り換えると想定されます。割引切符で九州新幹線博多-新鳥栖間にも乗ることができるようになることを期待します(九州新幹線の料金が高いため、難しいところがありますが)。
もっとも、価格のほかに本数が違い、おまけに駅周辺の施設を考えると、博多が乗り換え駅に選択されるのは当然なのでしょうが。
* それは、久留米-博多間が隣駅ではないのに
50キロ以下の割引料金は、他の新幹線にも取り入れてもらいたいところですね。駅の細かい整備新幹線ならではの話かもしれませんが。
Posted by: たべちゃん | 2010.12.13 05:00 AM
どうやって新鳥栖のメリットを見出すのかなと思ったら、「博多での乗継割引廃止」というカードでしたか…(結局は長崎新幹線を推進させる案のような気もします)。
これなら、値段的にも
1.新大阪(のぞみ)博多(かもめ)長崎
2.新大阪(さくら)新鳥栖(かもめ)長崎
が、意外といい勝負になるかもしれないです。
1.の方が両数的・本数的に便利で、始発から利用できる場合も多いので有利で、2のメリットは車両が新しいのと、博多駅の乗り換え回避という点くらいかも。
Posted by: うえしょう | 2010.12.28 10:59 PM
うえしょうさん、おはようございます。
* どうやって新鳥栖のメリットを見出すのかなと思ったら、
新鳥栖に乗り継ぎ割引が適用されるならともかく(小倉・博多ですら廃止するのですから、その可能性は極めて低いでしょう)、そうでない限りは新鳥栖で乗り換えるメリットはないでしょう。
九州新幹線に乗ることにより新たに新幹線料金がかかりますし、第一、直通の「さくら」で新鳥栖に停まるのは少数にとどまります。
Posted by: たべちゃん | 2010.12.30 07:50 AM