民主党になってもころころ大臣が変わります。1年半も経っていないのに、国交相は早くも3人目。旧社会党出身の大畠氏です。その大畠国交相、整備新幹線について見直しをする姿勢を見せています。
当blogで何回も書いているように、整備新幹線はこれまで成果を挙げ、未着工区間についても現在の特急の利用者数から考える限り、新幹線として整備されるに足るだけのものを有しています。鉄道建設に使われる予算がさほどないのに財源不足を理由にしたり(それなら「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」の剰余金を全く関係のない国民年金にまわさずに、鉄道建設に充てればよかったのです)、人口の減少などのマイナス面をことさら強調する必要はありません。基本的には整備新幹線計画を廃止したり縮小したりする必要はありません。未着工区間については前原国交相時代に的確な問題点の指摘がなされています。それをいち早く解決することが重要なのです。
鉄道が特性を発揮できるのは大都市圏の通勤輸送か都市間の高速輸送です。車でも十分出せる時速130キロ(スピード違反ですが)に安住していては、鉄道の緩慢なる死を招くだけです。特急がないならなおさらです。地方幹線は単価の高い特急があったからこそ価値があったのであり、運賃の安い普通だけでは経営が難しいのは当たり前のことです。これまでは特急でお化粧をしていたのです。
大畠国交相は高速道路の無料化についても見直しの姿勢を見せています。全国の高速道路を無料にするのは現実的ではありません。高速道路の無料化にしろ値下げにしろ、高速道路会社の経営努力の結果ならわかりますが、税金でやるようなものではありません。政府がする仕事はインフラ整備であり、(有料である以上)その維持は民間の仕事です。また、高速道路の建設についても見直しをする必要があるでしょう。並行して走る鉄道が廃止になったり、「よく廃止にならずに残っているものだ」と思えるようなところでも高速道路の建設が行われています。こういうところをつくっても、到底採算は取れません。最初から「新直轄方式」として無料でつくっているのはその現れです。国ですら、採算は取れないと認識しているのです。険しい山を回避するためのトンネルと、町を迂回するバイパスで十分です。
世界では高速鉄道建設の動きがあちこちで見られ、わが国も新幹線システムの輸出をしようとしています。それなのに足元では、これまで一定の成果を挙げてきた新幹線を否定しています。全国主要幹線に新幹線が整備されたのなら話はわかります。しかし、現実にはこの3月にようやく青森から鹿児島までの線路ができるレベルに止まり、北海道や四国にはまだありません。北海道はあと5年すれば南端の函館には達しますが、四国には計画すらありません。また、東京と大阪を結ぶ新幹線も一本だけです。決してもう新幹線をつくるところがない訳ではありません。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110118-OYT1T01015.htm、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110115/plc11011509540007-n1.htm)
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成田空港へのアクセス特急として使われてきたJR東日本の253系。後継のE259系が登場したことにより、大半が廃車になりました。残ったのはごく一部。「日光」「きぬがわ」用にリニューアルされた車両と、長野電鉄に行った車両だけです。
その長野電鉄に行った3両編成2本は、2100系とされ、「スノーモンキー」の愛称で2月26日から走りはじめます。長野電鉄の特急は、元JR東日本の「スノーモンキー」と元小田急の「ゆけむり」の二本立てで運行されます。
「スノーモンキー」の1号車湯田中寄りには4人まで使うことができる個室があります。この個室を使う場合は、特急券(100円)のほかに指定席券を買う必要があります。指定席券は乗車当日(前売りはありません)に、湯田中行きは長野駅で、長野行きは湯田中駅でのみ発売されます(信州中野7:36発の長野行きは、信州中野駅で発売します。須坂7:05発の信州中野行きでは個室は発売されません)。空席があれば車内でも購入できます。指定席券の値段は1室1000円です。
(参考:長野電鉄ホームページ http://www.nagaden-net.co.jp/webstation/news_index.html)
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宮崎は、九州一の大都市である福岡から遠く、かなりの時間がかかります。鉄道だと遠回りになり、急ぐなら航空機、安さを求めるならバスです。
九州新幹線の全線開業により、新幹線と「きりしま」(3月のダイヤ改正で、1日10往復に増えます)を乗り継いで、博多―宮崎間最速3時間33分。しかし、新八代でバス(「B&Sみやざき号」。仮称の段階で「新幹線リレー宮崎号」と言っていたものです)に乗り換えるとさらに速いのです。博多―宮崎駅間の最速は何と3時間8分。1日16往復あり、途中、人吉インター、えびのインター、小林インター、都城北、宮交シティに停まります(えびのインターは1日4往復のみ停車)。なお、「B&Sみやざき号」は人吉インター―宮崎駅間相互の利用はできません。
このバスなのですが、割引切符もあります。(JR九州が運営する)九州新幹線とのリレー輸送がテーマのバスということもあるのでしょうか、その名も「B&Sみやざき2枚きっぷ」。例えば福岡市内―宮崎駅・宮交シティ間の1枚当たりの値段は6800円。正規の運賃・料金(9290円)より26.8%安いです。この「B&Sみやざき2枚きっぷ」、九州新幹線では自由席に乗ることができます。グリーン車や指定席に乗る場合は差額の支払が必要です。
周遊タイプの切符もあります。その名は「宮崎・鹿児島のんびりきっぷ」。行きは「B&Sみやざき号」、帰りは「きりしま」に乗ることができます(逆に「きりしま」を先に乗るのも可)。九州新幹線と「きりしま」は自由席です。もちろん、鹿児島中央で途中下車することもできます。5日間有効で、福岡市内発着で15800円(熊本、長崎など、ほかの出発地からの設定もあり)。正規の運賃・料金は21830円、「B&Sみやざき2枚きっぷ」と「九州新幹線2枚きっぷ」を1枚ずつ使えば17300円ですので、お得です。正規の運賃・料金と比較して27.6%安いです。「B&Sみやざき号」と「きりしま」とを乗り比べ、南九州を楽しむのもいいかもしれません。
(参考:JR九州ホームページ http://www13.jrkyushu.co.jp/newsreleaseweb.nsf/9dd28b8cb8f46cee49256a7d0030d2e6/7a90392468ab4dd74925781d0057f643?OpenDocument、http://www13.jrkyushu.co.jp/newsreleaseweb.nsf/9dd28b8cb8f46cee49256a7d0030d2e6/cba7eda30d00788649257806002eb117/$FILE/%E5%88%A5%E7%B4%99%EF%BC%91%E3%80%80%E4%B9%9D%E5%B7%9E%E6%96%B0%E5%B9%B9%E7%B7%9A%EF%BC%92%E6%9E%9A%E3%81%8D%E3%81%A3%E3%81%B7%E8%A8%AD%E5%AE%9A%E5%8C%BA%E9%96%93.pdf)
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写真を見ると313系にそっくりなキハ25系。まるでパンタグラフを描き忘れたかのように似ています。
そのキハ25系ですが、3月から武豊線で運用を開始します。朝夕のラッシュ時は4両で、それ以外は2両で走ります。武豊線に投入されるキハ25系はトイレありの0番台とトイレなしの100番台がセットになった2両編成のものが5本。扉間に転換クロスシート(扉の前後は固定式)が5列並んでいます(キハ75系は6列)。100番台の車端部はロングシートになっていて、定員は0番台が134人、100番台が140人です。キハ75系より若干定員が増えています。
3月のダイヤ改正で武豊線が増発される訳ではありません。余ったキハ75系は快速「みえ」の4両化に使われると考えられます。
武豊線に新車が投入されても、しばらくするといなくなってしまいます。2015年に電化されるためです。電化後は、高山線や太多線で使われる予定です。高山線の美濃太田以南や太多線も、武豊線と同様、名古屋近郊にありながら電化されていない区間。そういう路線で引き続き通勤通学輸送を担っていくのでしょう。
(参考:毎日jp http://mainichi.jp/area/aichi/news/20110113ddlk23020234000c.html、railf.jp http://railf.jp/car/jr/central/dc-25.html、「編集長敬白」 http://rail.hobidas.com/blog/natori/archives/2010/11/17_1.html)
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近鉄の「アーバンライナー」などにある「デラックスシート」。3列シートの座席は快適です。1編成(6両または8両)のなかに1両しかないため、「デラックスシート」から先に満席になることもよくあります。
これまで、「デラックスシート」の料金(特別車両料金)は乗車距離に関係なく、一律410円でした。しかし、3月16日(この日にダイヤ改正を行うのでしょうか?)からは距離に応じた料金になります。大阪難波―大和八木間など80キロ以下だと200円、大阪難波―近鉄名古屋間など181キロ以上だと500円です。200円から500円まで、100円刻みで4段階に分かれます。今までかからなかった大阪難波―近鉄奈良間もかかるようになります。80キロ以下なので200円です。
また、同じ3月16日から「近鉄名阪まる得きっぷ」も変わります。デラックスシート用、レギュラーシート用ともに4枚綴りのものが5枚綴りのものに変わります。10枚綴りのものは継続して発売されます。5枚綴りのものも10枚綴りのものも、1枚当たりの値段は若干上がります。デラックスシート用もレギュラーシート用も1枚当たり50円か80円の値上げです(5枚綴りのレギュラーシート用の1枚当たりの値段は4枚綴りのものと同じ)。この「近鉄名阪まる得きっぷ」は名古屋市内や大阪市内などの金券ショップでバラ売りされることが多いです。金券ショップの相場も若干ながら上がることでしょう。
(参考:近鉄ホームページ http://www.kintetsu.jp/news/files/110119tokubeturyokinkaitei.pdf)
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アーバンネットワークの一員であるにもかかわらず、未だに旧型の電車が大量に走る阪和線。103系のトップナンバー、クハ103-1はその象徴ともいえる存在です。しかし、そのクハ103-1を含む編成が、3月12日のダイヤ改正により引退します。
225系の大量投入により、阪和線の103系にもかなりの余剰が出ると思われていましたが、引退する103系が1編成だけとは意外です。もともとJR京都線などで使われてきた205系が宮原に戻されたのが影響しているのでしょうか? 宮原に戻された205系は、元通りの7両編成になっています(阪和線ではサハを組み替え、6両編成と8両編成にしていました。225系の大量投入により、快速にしか使えない8両編成の出番がなくなったのです。サハを廃車して6両編成にするか、サハをクハに改造して4両編成2本にしないと使えません)。もっとも、JR京都線などの普通は207系か321系に統一されているので、性能が劣り、(地下区間が多い)JR東西線にも入ることができない205系の運用はかなりの制約を受けるのですが。
この改正では以前にも書いているように、100系が新大阪に姿を見せなくなります。岡山以西ではまだ走り続けますが、それもあと1年です。阪和線を颯爽と通過していった(阪和線利用者にとっては一部を除いて通過するだけの迷惑な存在だったのですが)381系も、国鉄色が6月で消えてしまいます。徐々にではありますが、変化が起こっているのでしょうか?
(追記)
やはり阪和線の103系の廃車が1編成6両で済むわけがなく、昨年10月から今年3月までの半年で38両が廃車になっています。また、阪和線には大阪環状線や大和路線から103系が転入し、オレンジや黄緑色のままで走っています。
阪和線から転出した205系については、平日の朝ラッシュ時だけしか使用されません。車庫で寝ている時間が長いです。
(参考:YOMIURI ONLINE http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20110119-OYO1T00182.htm、railf.jp http://railf.jp/news/2011/01/21/094200.html、「鉄道ダイヤ情報」 交通新聞社 2011年5月号)
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名古屋市内をぐるっと取り囲む東名阪。3月20日に名古屋南ジャンクション―高針ジャンクション間が開通します。途中には有松、鳴海、植田の各インターチェンジが設けられ、すでに開通している高針ジャンクション―上社ジャンクション間には上社南インター(名古屋南ジャンクション方面のみ)が設けられます。
この新規開通区間には、新たな高速道路の名前がつけられます。名古屋第二環状自動車道、略して「名二環(めいにかん)」です。すでに東名阪として開通している名古屋インター・高針ジャンクション―名古屋西ジャンクション間も名前が変わります。東名と東名阪は名古屋インターで接続しています。東名と東名阪は名前が似ていて紛らわしいので、この機会に名前を変更することにしたのでしょう。
新たに開通する高針ジャンクション以南も、大都市名古屋にある路線のため、出入口ともに料金所を設けることはせず、基本的には均一料金です。普通車で500円です。しかし、入るインターチェンジの場所によっては、600円(普通車の場合)かかるケースもあります。ETC利用者は均一料金区間(名古屋インター-上社ジャンクション・名古屋南ジャンクション―名古屋西ジャンクション間)を30キロ以上利用した場合、ETC利用者以外は均一料金区間で一番遠いところ(名古屋南ジャンクションまたは名古屋西ジャンクション)までの距離が30キロ以上の場合です。すでに開通した区間(名古屋インター・高針ジャンクション―名古屋西ジャンクション間)のみを利用する場合は30キロを上回りませんので、ETC利用者が値上げになることはありません(ETC利用者以外は既開通区間のみの利用であっても値上げとなるケースがあります)。具体的には、内回り方向(名古屋西ジャンクション方面)は名古屋南ジャンクション―植田インター間から利用した場合、外回り方向(名古屋南ジャンクション方面)は山田西インター―名古屋西ジャンクション間から利用した場合です。これらの入口から高速道路を利用した場合、ETC利用者も含めていったん600円徴収されます。しかし、ETC利用者については出口を通過する際にチェックされ、30キロ未満の利用であれば100円の返金となります。ETC利用者以外は出口に料金所がないため、返金はなく、600円のままです。ETC利用の有無によって金額が変わるのです。
また、ETC利用者以外は、利用する区間によっては行きと帰りで料金が異なるケースが出てきます。例えば、名古屋西ジャンクションに近い大治南インターから勝川インターまで往復する場合です。行きの大治南インターでは(均一料金区間で一番遠い名古屋南ジャンクションまで30キロ以上あるため)600円徴収されます。しかし、帰りは一番遠い名古屋西ジャンクションでも30キロ未満のため、500円です。行きと帰りで料金が違うのは奇妙な話ですが、やむを得ないのかもしれませんね。ETCが出る前なら、均一料金そのものを値上げして解決していた話です。高速道路をある程度使う人ならETCは持っているでしょうし、距離に応じた料金にしようと思ったら仕方がないのかもしれません。
(参考:NEXCO中日本ホームページ http://www.mei-nikan.jp/top.html、http://www.mei-nikan.jp/pdf/price.pdf)
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南海本線の特急「サザン」に使われる10000系は1985年に登場し、和歌山方面、そして船を介して四国への看板列車として活躍してきました。
その10000系もデビューして25年が過ぎました。10000系は関空開港のころに大量に増備されたのですが(このときに2両編成から4両編成に改められました)、そろそろ新しい車両の話が出始めるところです。南海も例外ではなく、「サザン」用に新たな車両をつくります。新たな車両は12000系。4両編成2本をつくり、今年の秋に投入します。将来的にはさらに増備するようです。南海本線(和歌山方面)の特急は原則としてリクライニングシートの指定席4両とロングシートの自由席4両がセットになって走ります。しかし、ごく一部の特急(2往復のみ)は10000系が足らず、ロングシートだけの「自由席特急」として走ります。12000系の投入により、全ての和歌山方面への特急が指定席を連結した「サザン」として走ることでしょう。
12000系の外観は、「波」をイメージしています。大阪湾岸・和歌山へ押し寄せる人と車両の「波」と、全国から大阪ミナミへ押し寄せる人の「波」をイメージしています。車内に目を移します。シャープの「プラズマクラスター技術」を搭載し、ウイルスの作用を抑制するとともにカビ菌などを分解・除去します。座席背面にはAC電源とともに大型テーブルを置き、パソコンなども使うことができます。車いす対応トイレを設置するとともに、床面の高さを55ミリ下げ、ホームとの段差を減らします。男性用トイレにはすでにいくつかの駅で導入実績がある無水小便器を置き、節水に取り組みます。
12000系は先ほども述べたように、4両編成。10000系と同じです。南海の利用実態から考えると、2両編成のほうが良さそうですが(通勤客などの利用が見込まれる朝夕は、増結や増発をしてもいいでしょうが)、4両編成のままです。4両編成の10000系をすぐに2両編成にするのは難しいでしょうが、12000系を2両編成にすることにより(当面は2本を併結)、将来的には指定席は2両のみにする方向にもっていったほうがよいでしょう。そうすれば自由席は最大6両まで増やすことができます。そういう意味では残念ですね。
(参考:南海ホームページ http://www.nankai.co.jp/company/news/pdf/110117.pdf、毎日jp http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110117k0000e040041000c.html)
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茨城空港に行くバスも基本的には主要停留所である小川駅に立ち寄るが、石岡駅9:35発の便は小川駅に立ち寄らず、玉里辻から空港にノンストップ。通常の便より5分短い、30分で空港に着く。専用道を走っていたときにひとり降りたので、空港まで乗ったのは私のみだ。茨城空港は1階がチェックインカウンターと搭乗・到着口(国際線もあるため、入国審査や税関もある)、2階がカフェテリアと売店、展望デッキになっている。神戸とソウルに1日1往復、上海には週3便が発着するだけの空港なので、設備は簡素だ。駐車場に止まっている車が目立つのみだ。ボーディングブリッジもなく、利用者は1階から(バスではなく)歩いて移動するようだ。神戸へのスカイマークが停まっていたので離陸する場面を見たいとも思ったが、離陸は10:40。見ていたら遅くなるので、折り返しのバスで戻る。10:25発だ。乗客は私ひとり。
帰りのバスは小川駅までも各停留所に停まっていく。帰りも乗客は少なく、小川駅でひとり乗ったのみ。2人しか乗っていない。ほかの便の状況はわからないが、これでは「かしてつバス」は厳しいかもしれない。中途半端なのだ。需要が少ないなら(専用道をつくらずに)通常の道路を走ればいいのだし、もし地元サイドの話のように、朝のラッシュ時に渋滞するのなら、(一気に全線を廃止せずに)小川駅までを部分的に存続させる方策もあったはずだ。もっとも、部分的に存続しても経営は厳しく、好転する可能性は低いのだが。バス専用道なら渋滞しやすい町近くだけ整備すればいいというメリットがあるし、難しいところだろう。
石岡に戻ったら後は名古屋に帰るだけ。しかし、そう単純にはいかない。駅には人だかりができているし、ホームには通過するはずの「スーパーひたち15号」が停まっているからだ。どうやら石岡の少し水戸寄り、羽鳥―岩間間で、架線にビニールか何かが付着して電車が止まっているらしい。取りあえず駅の横のパン屋で、昼食用のパンを買う。
間もなく運転を再開したので、上野方面のホームに行く。先に到着したのは所定が石岡10:30発の普通。途中で後続の特急に抜かれるかもしれないが、行けるところまで行ってみよう。「スーパーひたち22号」の通過を待って約50分遅れで石岡を出た。土浦でも何のアナウンスなくすぐに出たのでそのまま乗っていたら、佐貫で「フレッシュひたち24号」に抜かれた。乗る予定だった列車だ。仕方ないのでそのまま上野まで行く。上野の直前、北千住で「スーパーひたち26号」にも抜かれ、終点上野には40分遅れで着いた。
(参考:茨城空港ホームページ http://www.ibaraki-airport.net/index.html)
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ここまで来たら乗っておきたいのが、鹿島鉄道の廃線跡にできたバス。鹿島鉄道は2007年3月に廃止になり、その後は代替バスが運行されたが、石岡付近の渋滞が激しく、バスがダイヤ通りに走ることができないという事態が起こるようになった。また、鉄道時代より利用者が大幅に減少した(代替バスの利用者は鉄道の約4割)。そこで、沿線自治体が鹿島鉄道の廃線跡を利用して、バス専用道を整備した(2010年8月30日から利用開始)。専用道の区間は、石岡一高下―四箇村駅間の5.1キロ。四箇村駅の少し先の小川駅までは日中1時間に3本運転される(休日は1時間に2本の時間帯もあり)。運行は関鉄グリーンバスが行なっている。
大宮から京浜東北線、武蔵野線、常磐線、最後に土浦から「フレッシュひたち9号」の力を借りて石岡へ。駅の前にバス停が見えなかったので、駅員に訪ねると左側にあるとのこと。ロッテリアを過ぎ、薄暗い建物の中がバスターミナルなのだ。一番前に停まっているのが、鹿島鉄道代替のバス。横に長い「か」のマークがあり、愛称は「かしてつバス」。運転士から一日乗車券1000円を買う。休日のみ使うことができ、「かしてつバス」(石岡駅―鉾田駅、茨城空港)に乗り放題だ。停まっていたバスは石岡駅9:35発の茨城空港行き。せっかくだから、茨城空港にも行ってこよう。
運転士を除いて、私を含めて2人しか乗っていないバスは、石岡駅を出た。すぐに左に曲がり線路を渡ると、右にまた曲がる。遮断機とバス停(石岡一高下)がある。ここからが専用道だ。鉄道の廃線跡らしく、左に緩やかな弧を描いて、常磐線と分かれていく。
鹿島鉄道は単線だったので、専用道も狭く、ところどころすれ違いのために幅が広くなっている。専用道はバス以外通行禁止。歩行者と言えどもバス停付近以外は通行禁止だ。ところどころ、道路と交わる。鉄道時代は踏切があったところだ。比較的大きな道路(車がなんとかすれ違うことができる幅があるもの以上)は専用道側に遮断機があり、バスの運転士が専用のリモコンで操作して開ける。バスは一時停止して安全を確認してから走る。狭い道路では遮断機がなく、バスはそのまま走る。一時停止しなければならないのは、バスではなく交わる道路のほうだ。バス停は屋根がついているところが多い。鉄道時代の遺構はほとんどないが、石岡南台駅(鹿島鉄道の駅があったところにできたバス停は、バスになっても「駅」と称している)はホームと跨線橋が残っている。四箇村駅で専用道はおしまい。並行して走る国道に移る。廃線跡は荒れたままだ。(続く)
(参考:小見玉市ホームページ http://www.city.omitama.lg.jp/2347.html)
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「ゴロンとシート」でもよく眠ることができた。正直言って、開放式では寝台料金を取るに値しない。さすがに510円の指定席料金は安過ぎるが。2000円ぐらいで毛布を配れば十分だろう。船の2等船室みたいに。八戸で買っておいた「復活いわし蒲焼風弁当」を朝食にする。大宮には2分遅れで到着。定時と言ってもいいだろう。
昨年12月のダイヤ改正で、貨物線を使って走る、新たな列車が誕生した(正確に言えば、臨時列車の運転実績はある)。西船橋と大宮とを結ぶ「しもうさ号」だ。1日3往復と少ないが、毎日運転されることには違いない。この機会に乗っておこう。埼京線と武蔵野線を乗り継いで東浦和に行く。これまで一本で行くことのできなかった駅だ。
反対側の府中本町方面のホームに行く。やってきた「しもうさ号」はほかの武蔵野線の電車と同じ、205系の8両編成。誤乗を防ぐためのアナウンスが流れる。武蔵浦和を過ぎてからが「しもうさ号」の大事な区間。武蔵浦和を出てすぐ、ポイントを左に渡り、貨物線に入る。そのまま弧を描くように右に曲がり、埼京線中浦和駅をくぐる。しばらくするとトンネルに入り、地上に出ると東北線と並行する。終点の大宮に着いた。「しもうさ号」の写真を撮ったが、行先表示幕はすでに「回送」となっていた。(続く)
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今晩の宿は「あけぼの」。シャワーの設備はない。どこかでお風呂に入っておく必要がある。選んだのは大鰐温泉。五所川原16:12発に乗る。キハ40系2両編成の普通は、4分ほど遅れてやってきて、多くの客を乗せる。立っている人もいる。いつの間にか橋上駅舎となっていた弘前では、弘前17:24発の秋田行き普通に乗り換え。701系3両編成は、青森からの電車を待ち、7分ほど遅れて発車した。大鰐温泉では、事前にプリントアウトした地図を見ながら探す。駅から10分ほどで、なぜか予定していたのとは別の温泉に着いた。浴槽がひとつあるだけの温泉で、地元の人向けだ。150円と非常に安い。ただ、温泉の湯は非常に熱い。
「あけぼの」は4分遅れて大鰐温泉に来た。「あけぼの」は「シングルデラックス」と「ソロ」2両をつないでいるが、選んだのは運賃と指定席特急料金だけで利用できる「ゴロンとシート」。2段式の開放式のB寝台から、シーツと毛布のサービスをなくしただけだ。ともかく、横になることはできる。非常にコストパフォーマンスに優れた席だ。車内は明るいものの、車内販売はなく、ただ闇夜を進むのみ。早々とカーテンを閉める人もいる。晩は事前に予約しておいた、大館の「鶏めし」。店員がホームまで来てくれる。(続く)
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買い物を済ませ、南口のバス乗り場に行く。青森から五所川原へはバスがある。川部まで行かずにショートカットし(国道7号線と101号線に沿って走る)、しかも1時間に1本はあるので、利便性が高い。五能線の本数が少ないことを考えると、なおさらだ。かつてはこのバス、新青森駅には寄らなかったが、新幹線開業を機に、新青森に立ち寄ることになった。バスは13:40発だが、時間になっても来ない。10分遅れでやってきた。10人ほどが乗り込む。バスは前と中に扉があるタイプだが、乗り降りは前からのみ。その理由はバスに乗ると分かる。中の扉から乗り降りできないように改造されていたのだ。東京あたりで走っていたバスのお古なのだろう。バスは雪を考慮して余裕あるダイヤを組んでいるようで、終点の五所川原駅前には逆に5分速く着いた。運賃は1010円。途中の停留所から30分近く、全く運賃が上がっていない。
津軽鉄道に乗る。JRの横にある小さな駅に入り、金木までの切符を買う。硬券だ。発車10分前に改札が開いたのでその改札を通り、JRと共用している跨線橋を渡って、津軽鉄道のホームに行く。迎えてくれたのは、アテンダント。単行のディーゼルカーに乗り込む。ボックスシートにひとりかふたり座った状態で、定刻の15:10に発車。アテンダントも乗り込む。彼女は沿線の観光案内もしてくれる。
唯一の交換駅、金木で折り返し。いつの間にか観光施設付きの駅になっていた。ここで帰りの切符を買う。帰りは冬ならではの名物列車、「ストーブ列車」だ。やがて津軽中里方面から「ストーブ列車」がやってきた。かわいらしいディーゼル機関車の後ろに、場違いとも思えるディーゼルカー(行きに乗ったものと同じタイプ)が付き、その後に旧型客車が2両付く。旧型客車に乗るには300円がいる。運行にはコストがかかるのでやむを得ない。本来ならディーゼルカー抜きで走りたいところだが、地元客のことを考えるとそういう訳にもいかず(交換できる駅がひとつしかないため、増発が利かない)、現代風のディーゼルカーと旧型客車が一緒に走るという妙な姿になっているのだ。後ろの車両から、団体が降りてきた。ガラガラになった後ろの車両に座る。
「ストーブ列車」の旧型客車には、車内2か所の座席を撤去して、ダルマストーブを置いている。燃料は石炭。この珍しい暖房設備が売りなのだ。時々、車掌(?)やアテンダントが石炭をくべる。車内販売もやっていて、スルメがよく売れる。もちろん、ダルマストーブで焼くのだ。「ストーブ列車」は準急扱いだが、金木からの通過駅はひとつのみ。ストーブを中心に、列車は雪の中を進む。(続く)
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行きに新幹線に乗ったなら、帰りは並行在来線の青い森鉄道。青森までは「スーパー白鳥11号」に乗る。在来線ホームに行くと、寒い風が吹く。ホームには雪が積もっている。新幹線ホームではなかったことだ。特急に乗っても、青森までは特急料金なしで自由席に乗ることができる。便利な制度だ。JRとしても青森までの普通列車を用意する必要もない。「スーパー白鳥22号」の到着を待って10分遅れで出発。次の青森で向きが変わるので、後ろ向きに座席がセットされている。青森で降りる客が多かったので少し心配だったが、乗る客も多くひと安心。
青い森鉄道の車両も、JRと同じ701系。3扉ロングシートの車両が2両で走る。アクセントに青い森鉄道のキャラクターが描かれている。八戸行きの電車は10:42に青森を出た。一面の銀世界を電車が走る。ガラスは曇って何も見えない。終点の八戸は太平洋側にあるため晴れているが、それでも雪化粧はしている。車内はと言えば、座席はほぼ埋まり、立っている人もちらほらいる。野辺地(南部縦貫鉄道の跡を探したが、それらしきものはなかった)で降りる人が多かったので、ここで座ることができると思ったら、逆に乗る人が多く、ラッシュみたいな混雑になる。八戸には所定の12:11に到着。96キロを各駅に停まりながら1時間30分で走るとは、意外に速い。
再び新幹線で新青森に向かう。盛岡以北は原則として全車指定席の「はやて」しか走っていないため、近距離利用者向けに特定特急券が売られている。自由席特急券と同じ料金で、空席に座ることができるものだ(指定券を持っている人がいれば、席を譲らないといけない)。昼食用に「八戸小唄寿司」を買ったのち、「はやて73号」に乗り込む。臨時列車のためか、ガラガラであった。
五所川原行きのバスに乗るまでの約40分が買い物タイム。新幹線駅の1階の土産物コーナー(あおもり旬味館)で買う訳であるが、この際、ハイブリッドのリゾート列車を見ておこう。そう思って在来線ホームに降りたのだが、新青森13:00着の「リゾートあすなろ津軽2号」がまだ来ていない。そのため、新青森13:03発の「スーパー白鳥19号」がまだ発車できず、ホームに待っている。ふと先頭のほうを見ると、車両が変だ。785系の改造車が前にいたのだ。もともとはどちらも運転席がついていたが、後ろのほうは撤去され、窓も塞がれている。前の運転席も低いままだ。やがてハイブリッドの「リゾートあすなろ津軽2号」も来て、両方の列車を撮影する。(続く)
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時刻表上では名古屋23:20発の「ムーンライトながら」で東京へ。尾張一宮のあたりで踏切故障があったようで、遅れている(その割には、反対側の大垣方面が何事もなく発車しているのは不可解だが)。向かいの2番線では快速電車を待つ人の列が伸びている。
その2番線に70分以上遅れて快速が来て慌ただしく発車した後、平然と3番線に大府行きのディーゼルカーが入る。もちろん、「ムーンライトながら」ではない。豊橋行きの快速が出た直後だし、無理に大府行きを入れる意味がわからない。結局、80分遅れで「ムーンライトながら」は名古屋を出た。
その「ムーンライトながら」、一時は90分遅れにまで拡大したが、豊橋を過ぎたあたりから猛烈な回復運転に努め、終点の東京ではたったの5分遅れ。正に往年の走りをみた。空いていた車内も、いつの間にか満席になっている。
東京からの乗車券は持っていないので、「みどりの窓口」が5:30に開くのを待って切符を買う。買ったのは、「スリーデーパス」。JR東日本、JR北海道の函館以南、IGRいわて銀河鉄道、青い森鉄道などが3日間乗り放題なのだ(新幹線や特急などに乗る場合は特急料金などが必要)。主に連休のときに使うことができる。
東京発が6:28と早いためか、大宮を出ても「はやて11号」にはところどころ空席があったが、仙台で乗る客が多く、満席になる。仙台だと8時過ぎなので、東京より使いやすいのだろう。八戸まで満席状態は続く。
中小の駅を通過していった「はやて11号」も、盛岡以北はいわて沼宮内以外は各駅に停まる。八甲田トンネルなどの長いトンネルを抜け、新青森に定時に到着した。(続く)
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1月7日(金)から9日(日)にかけて、東北に出かけていました。もちろん、昨年12月4日に新青森まで延伸したばかりの東北新幹線にも乗っています。
明日から何回かに分けて、そのときの訪問記を書きます。
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8日に行われたラグビーの試合。橋下大阪府知事は、とある人と話をしていました。その相手は同じくラグビーに関心の深い森元首相。橋下知事は、森元首相に、北陸新幹線は「米原ルート」でつくるべきだと訴えたのです。「米原ルート」なら大阪府には北陸新幹線の線路はありませんが、建設費の負担をしてでも「米原ルート」で建設することを主張しています。本来なら府内に新幹線が通らないので建設費の負担は要らないのですが。新大阪付近の人口密集地での建設の難しさを考えると、滋賀県の負担を肩代わりしてでも「米原ルート」にしたほうがいいと考えているかもしれないですが。
北陸新幹線の最大の問題は、前原前国交相が指摘したように、敦賀以西のルートが決まっていないこと。東海道新幹線の米原で接続する「米原ルート」と若狭を経由して直接新大阪に向かう「若狭ルート」がありますが、一長一短があり、未だに決まりません。福井県が高速増殖炉「もんじゅ」をカードに新幹線を引っ張って来ようとしていますが、はっきり言って県外の人の心には響きません。北の大都市札幌を目指す北海道新幹線と、一地方都市の福井への北陸新幹線とでは、インパクトが異なります。札幌に対抗できるのは大阪。せっかく橋下知事が積極的になっているのですから、それに乗ったほうが賢明です。
インフラができたからと言って、直ちに都市が栄える訳ではありませんが、ないと見向きもされないというのも事実です。橋下知事はそのあたりを考えているのかもしれません。北陸新幹線は2014年度末に金沢まで延長予定です。しかし、それ以西は着工が決まっておらず、関西にとってはデメリットしかない新幹線です。北陸新幹線の全線開業はそのデメリットしかない新幹線をメリットのあるものにするという効果があるのです。関西のために北陸新幹線が必要だと考えているからこそ、大阪府が一定の負担をしてでも北陸新幹線を全線開業させようとしているのです。
北陸新幹線の「米原ルート」での全線開業は、ほかのプロジェクトにも影響を与えます。「米原ルート」で開業すれば、東海道新幹線に乗り入れないと新大阪にはいけません。しかし、その東海道新幹線、ダイヤがひっ迫していて十分に乗り入れできるわけではありません。リニアも名古屋止まりという中途半端なことではなく、全線開業させないといけません。また、リニアを全線開業させたなら、関西3空港の需要大幅減少が問題になります。空港設備の縮小が求められます。伊丹を廃港し、(騒音が少なく、設備が整った)関空に機能を集中させるのです。ただ関空には有利子負債という重荷がありますから、それをリニアが出るまでに減らしておく必要があります。経営統合はここから出ているのです。
(参考:asahi.com http://www.asahi.com/kansai/travel/news/OSK201101090008.html)
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JR西日本のアーバンネットワークを代表する列車と言えば、新快速。特急顔負けのスピードでライバル私鉄を圧倒しています。
しかし、このような快走はアーバンネットワークでも北のほうだけで、南部の阪和線はお寒い限りです。戦前の阪和電鉄時代は、天王寺-和歌山間を45分で走る超特急というものがありましたが、今の快速は速いものでも1時間かかります。停車駅が大幅に増え、需給の関係で日根野まで「関空快速」と併結するものが多く、特急が増発されたために和歌山まで逃げきれないという事情で遅くなっているのです。かつての超特急が泣いています。
3月12日のダイヤ改正でこの阪和線の鈍足ぶりにさらに磨きがかかります。昼間(9~17時)に運行する快速(「関空・紀州路快速」のこと?)が日根野以南の各駅に停車するのです。これにより、大阪から和歌山までの所要時間が今より5~9分遅い90分になります。大正に快速が停まることを考えると、大阪-天王寺間は18~19分かかると考えられます。61.3キロの阪和間に何と70分以上もかかるのです。
区間快速は日根野止まりのため、さすがにすべての列車を和歌山まで快速運転するわけにはいかないでしょうが、半分ぐらいは和歌山まで快速運転してもよかったのでしょうね。「関空・紀州路快速」が1時間に3本から4本に増えるため、大阪-和歌山間を直通する快速は現在の1日45本から55本に増えますが(平日での数字)、「和歌山は遠い」というイメージを植え付けることになり、手放しでは喜べないダイヤ改正です。
余談になりますが、同じ阪和線系統の話題なので続けます。同じ3月12日のダイヤ改正では、白浜以遠で「くろしお」系統のうち2往復が廃止され、白浜-新宮間は1日7往復となります。1997年度(「オーシャンアロー」が走り始めたころ)には1日約2800人だった利用者が2009年度には半分以下に減ったためです。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/wakayama/news/20110109-OYT8T00693.htm、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/region/kinki/wakayama/101230/wky1012300121001-n1.htm)
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ホームでの転落事故を防ぐためには、ホームに柵を設けるのがいいのです。しかし、現実にホーム柵を導入するのは難しいです。地下鉄や新交通システムのように、同じ車両ばかりが走るところはいいのですが、JRの場合は様々なタイプの車両が走ります。例えば、アーバンネットワークの場合は、新快速や快速は3扉車、普通は4扉車が主に使われています。これまでの「常識」では、とてもホームに柵を設置するのは無理です。車両を統一すればいいのですが、アーバンネットワーク全体でみると3扉車は約1400両、4扉車は約1300両あり、できたとしても何十年もかかる話です。そもそも、比較的長距離の快速系統と短距離の普通とでは、求められる座席配置も違います。快速系統は転換クロスシート、普通はロングシートです。
そこでJR西日本とその子会社のJR西日本テクシアは、3扉車にも4扉車にも対応できるホーム柵を開発しました。ホームには5つ扉があり、来た電車に応じて扉を開けます。5つあるうちの真ん中の扉は、3扉車が来たときのみ開くもの。この扉だけは両扉になっていて、そのときには開いていない別の扉の裏に収納されます。そういえば、北新地にホーム柵を設置する話がありましたが、その後どうなったのでしょうか?
もちろん、課題は残っています。多くの駅に設置するには、莫大な予算がかかりますし、1扉車か2扉車の特急には対応できません。導入が進むに越したことはありませんが、完全に解決するのはまだ先のようです。
(参考:asahi.com http://www.asahi.com/kansai/travel/news/OSK201101070001.html)
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馬淵国交相は5日に行われた記者会見で、今年の夏までに高速道路を最終的に無料化する区間を示す方針を示しました。無料化区間を決めるにあたっては、厳しい財政事情や実験結果、国民の意見を踏まえ、これまでマニフェストで掲げていた「原則無料化」ではなく、一部のみ無料化を行う可能性も示しています。
このようにマニフェストといえども見直さざるを得ないのは、与党ならではのものです。野党のようにアメばかりの理想論ばかりかざしているわけにはいきません。
そもそも、高速道路の無料化が緊急で必要であったか自体が問題です。馬淵国交相の話のように、確かに高速道路を無料化することによって、高速道路の有効活用を図ることができます。そもそも、一般道が無料で、高速道路だけがどうして有料かということも理論的には説明できないです。本来なら、歩行者でも通行に応じて料金をとるというのが正しいやり方かもしれません。子供も例外ではありません。しかし、実際にはこういうわけにはいかず(全国に無数の料金所を設けないといけないので、そのコストのほうが高い)、車だけにこのコストを転嫁しているのです。それならそれで、揮発油税等を思いっきり上げて、高速道路料金をカバーできるようにすればいいでしょう。それなら、高速道路無料化もできます。揮発油税等の増税などで車に適正な負担を課すことなしに、高速道路の無料化を行うのはおかしい話なのです。
無料化を行う高速道路は一部の道路にとどまります。本来なら、建設費を償還した東名や名神などこそ真っ先に無料開放しなければならないのですが、実際に無料化されるのは、地方の利用者が少ない高速道路でしょう。建設費を幹線の高速道路に押し付けたまま、無料化の利益を享受するのです。反対に、東名や名神は第二東名や新名神のようなバイパスとなる高速道路だけではなく、こういう直接的な関係のない高速道路の建設費を負担し続けるのです。ある意味地方のほうが優遇される事態なのです。地方の高速道路の中でも、無料化されるところとそうでないところがあります。不公平な話です。
こういう不公平感をなくすためにも、無料化される区間を抱える地方自治体は、高速道路の未償還部分を負担するなどの策を課してもいいでしょう。
(参考:asahi.com http://www.asahi.com/politics/update/0106/TKY201101050450.html)
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先日、「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」に残っているお金のうち国民年金の財源として取られなかったものなどを利用して、経営が厳しいJR4社(JR北海道、JR四国、JR九州、JR貨物)に対する支援策を行うという記事を載せました。本来の剰余金の使い道です。
このうち、JR四国には総額1800億円の経営支援策が行われます。1400億円は、事実上経営安定基金(分割民営化時に国から給付を受けたもの。2082億円)を積み増すもので、運用益を収益の一部に充当することによって、赤字の補てんを図ります。JR四国は2009年3月からの高速道路料金の大幅割引により収支が大幅に悪化し、2010年度の業績予想は経常損益で15億円の赤字となる見込みです。1400億円の無利子貸し付けは、2011年度から20年間の期限付きです。
残る400億円は、設備投資に対する助成と無利子貸し付け。JR四国が2011年度から10年間の間に新車の導入などの設備投資を行った場合に、国がその費用の半分を助成し、残りの半分を無利子で貸し付けます。JR四国はこの制度を利用して、特急「南風」などに使われる2000系車両(第3セクターの土佐くろしお鉄道が保有しているものを含めて78両)を新車に置き換えるようです。2000系車両は非電化区間のエースとして活躍していましたが、デビューから20年が経ち、老朽化が進んでいるようです。実は2009年に、後継車両の設計に着手する予定でしたが、利用客の減少などで先送りしていたのです。また、駅施設の改良や線路基盤の整備も併せて行います。
他のJR各社はICカードの導入が進んでいます。JR間同士だけではなく、「PASMO」などの主要私鉄のICカードとの相互利用が行われるとの話もあります。JR四国だけが蚊帳の外です。そこでJR四国もICカードの導入も考えています。その際には、JR四国だけではなく、四国にある私鉄、高松琴平電気鉄道、伊予鉄道、土佐電気鉄道とも共通で利用できる「四国共通カード」(仮称)を導入するようです。導入時期は2014年とされています。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/region/shikoku/tokushima/110103/tks1101030202000-n1.htm、四国新聞社ホームページ http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/administration/article.aspx?id=20101223000072、http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/economy/article.aspx?id=20020226000100)
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3月12日にいよいよ全線開通し、山陽新幹線との直通運転を行う九州新幹線。しかし、新大阪直通の「みずほ」「さくら」は15往復しかありません。
その原因は、JR西日本のN700系7000番台が足らないこと。当初予定の19編成になるのは来年春のことで、3月の全線開業の時点では9編成しかありません(JR九州は開業時までに必要な10編成をそろえます)。そのためやむなく、直通の「みずほ」「さくら」の数を抑えているのです。
JR西日本とJR九州は、車両がそろった来年春の段階で、ダイヤ改正を考えています。ここで直通の「みずほ」「さくら」を増やすようです。航空機との競争を有利にするため、新大阪-鹿児島中央間最速3時間45分の「みずほ」を中心に増やすという見かたもあるようです。つまり、「みずほ」と「さくら」が1時間に1本ずつ、鹿児島中央まで走るダイヤになるということです。「みずほ」が増えると考えられるのは、直通「さくら」が必ず停まる福山や川内に停まったとしても、4時間以内で新大阪と鹿児島中央を結ぶことができるからです。「さくら」では遅いのです。3月の時点では車両不足のため暫定的に走ることになる「ひかりレールスター」は、博多で熊本以南各駅停車の「さくら」と接続します。これが2本目の直通便となるのです。熊本以南が各駅となることから、鹿児島中央までは4時間30分程度かかりますが、熊本までなら十分速いです。この熊本以南各駅停車の「さくら」は、原則として久留米を通過しますが、「みずほ」増発の救済策として停車する可能性は十分にあります。
直通「さくら」は九州新幹線沿線に配慮して、すべての駅で3本以上は停まりますが、これも来年春の時点で見直されます。新鳥栖、久留米、熊本以南の各駅はいいでしょうが、危ないのは筑後船小屋、新大牟田、新玉名の3駅。実績づくりが求められます。ある意味当然のことでしょう。
(参考:asahi.com http://www.asahi.com/kansai/travel/news/OSK201101020016.html、JR九州ホームページ http://kyushushinkansen.com/cms/wp-content/uploads/2010/12/jikokuhyo.pdf)
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JR、阪急、阪神の3社が激しく争う阪神間。JRの強みはスピードですが、弱点もあります。運賃の高さです。阪急、阪神の梅田-三宮間がともに310円であるのに対して、JR(大阪-三ノ宮間)は割安の特定区間であっても390円します。大阪-三ノ宮間は30.6キロありますから、通常なら540円するところを値引いてもこの価格です。
しかし、ある特別な切符を使えば、この価格のハンディもなくなります。12枚つづりの回数券、「昼間特割きっぷ」です。本来は12枚つづりの回数券なのですが、金券ショップでバラ売りされています。阪急や阪神にも昼間用や休日用の割引切符はありますが、それと比べてもお得です。休日用は私鉄のほうが安いかもしれませんが、何しろスピードの差がありますから。そこで、新たな商売が出てきました。
それは、JRの駅前に自販機を置き、「昼間特割きっぷ」を売るのです。それまでも価格に敏感な人は街中の金券ショップで買っていたのですが、駅前だとさらに便利。あっという間に売れます。駅の券売機で切符を買うのと手間はほとんど変わらないですから。業者の中にはたった4台で年間2億円を売り上げるところもあるようです。
JR西日本としては正規料金のきっぷを買っている乗客との不公平感があるとして、あまり好ましくないような考えを述べていますが、「昼間特割きっぷ」がバラ売りで使える構造ですから、「使うな」というほうが無理な話です。自販機の場所も私有地を借りているのですから、兵庫県迷惑条例が禁ずるダフ屋行為にもあたらず、違法ではありません。JR西日本としては、バラ売りできないように切符の形状を変えるほうが先決でしょう。現に新幹線の切符は、山陽新幹線「2枚きっぷ」のように異様に利用期間が短かったり(金券ショップ対策がありありで、単純な往復割引切符にしたほうがイメージ的にもよいと思います。JR東海の「のぞみ早特往復きっぷ」みたいに)、九州新幹線への割引切符のように専用のクレジットカード限定だったり、使えないものが増えていますから。
(参考:asahi.com http://www.asahi.com/kansai/travel/news/OSK201012250080.html)
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岐阜乗合自動車(岐阜バス)は、朝夕の通学で混み合うJR岐阜駅-岐阜大・同大医学部付属病院間(8.4キロ)で、車両がつながった連節バスを3月27日から運行します。愛称は長良川にちなんで、「清流ライナー」といいます。
連節バスは、すでに藤沢・厚木・千葉で走っていますが(千葉の乗車記はこちらを御覧ください)、首都圏以外では岐阜が初めてです。連節バスは長さが通常のバスの約1.5倍の18メートルあり、定員130人(座席数46席)。通常のバスの約1.9倍の輸送能力を持ちます。このバスは2台投入され、1台あたりの購入費は約7120万円です。このバスは、国と岐阜市から、公共交通ネットワークの充実を図るための補助金をもらってつくられました。国が半額、岐阜市と岐阜バスが1/4ずつ負担します。
この区間は、朝の通学ラッシュ時は5分おきに運行されているにもかかわらず、学生の行列が200人以上できるところです。こういう時間帯に2台の連節バスを投入するのでしょう。今後、連節バスのためのバスレーンやバス停を整備するようです。
(参考:岐阜バスホームページ http://www.gifubus.co.jp/news/liner/index.html、中日新聞ホームページ http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20101217/CK2010121702000124.html、毎日jp http://mainichi.jp/area/gifu/news/20101217ddlk21020036000c.html)
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政府の2011年度予算案に、大阪市中心部から関空への高速鉄道アクセスについての調査費が盛り込ました(金額は3月までに確定します)。アクセスにはなにわ筋線や既存の鉄道を利用したアクセスルートが想定されていますが、橋下知事の主張するリニア建設の可能性も排除されていないようです。そのほかに関空関連の予算としては、関空・伊丹の経営統合の準備費10億円、関空の経営基盤強化を目的とした補給金75億円があります。
確かに関空までリニアができれば、あっという間に関空に着きます。(日本の主要空港で一番都心から近い)福岡空港並みの速さでしょう。しかし、リニアで関空に行くとなるといくらかかるのでしょうか? 建設費が莫大でしょうから、料金もそれを反映して高くなります。四国方面のリニアがつくられ、それが関空付近を通るなどの事情がない限り、夢物語で終わりそうです。
それよりも関空に必要なのは、リニア中央新幹線が部分的にでも開業したときに備えて、有利子負債を減らしておくこと。リニアが名古屋まででも開業すれば、関西3空港の航空需要は激減してしまいます。こうなったら、3空港の並立はできません。部分的にリニアができるまでに15年ほどの時間がありますから、それまでに有利子負債を減らしておく必要があります。関空は利子の支払いさえなければ、今でも黒字の優良空港なのです。関空2期島の一部が(当面使用の見込みがないために)未完成のため、泉佐野市が関空会社に固定資産税の超過課税を行う動きがありますが、超過課税による負担は約6億円ほどなので、大きな問題ではありません。経営統合により、リニアが走っていない今なら伊丹空港の黒字をつぎ込んで、利子支払いの足しにすることができます。リニアが開業すれば伊丹空港を廃港して土地を売却することにより、1000億円程度は有利子負債を減らすことができます。伊丹空港に(利便性に見合う)適切な負担を課し、関空の有利子負債の軽減を図るのです。アクセスの問題は梅田に地下駅をつくり、そこに「はるか」が停まればそれなりのものになります。大阪の北側の梅田からでも40分程度です。関空の足かせとなっている有利子負債を削減すること、これが関西3空港問題を解決する処方箋なのです。
(参考:Sankei Biz http://www.sankeibiz.jp/macro/news/101224/mca1012242255033-n1.htm、毎日jp http://mainichi.jp/kansai/news/20101226ddn001010004000c.html)
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