橋下大阪府知事、ラグビー場で「米原ルート」の採用を訴える
8日に行われたラグビーの試合。橋下大阪府知事は、とある人と話をしていました。その相手は同じくラグビーに関心の深い森元首相。橋下知事は、森元首相に、北陸新幹線は「米原ルート」でつくるべきだと訴えたのです。「米原ルート」なら大阪府には北陸新幹線の線路はありませんが、建設費の負担をしてでも「米原ルート」で建設することを主張しています。本来なら府内に新幹線が通らないので建設費の負担は要らないのですが。新大阪付近の人口密集地での建設の難しさを考えると、滋賀県の負担を肩代わりしてでも「米原ルート」にしたほうがいいと考えているかもしれないですが。
北陸新幹線の最大の問題は、前原前国交相が指摘したように、敦賀以西のルートが決まっていないこと。東海道新幹線の米原で接続する「米原ルート」と若狭を経由して直接新大阪に向かう「若狭ルート」がありますが、一長一短があり、未だに決まりません。福井県が高速増殖炉「もんじゅ」をカードに新幹線を引っ張って来ようとしていますが、はっきり言って県外の人の心には響きません。北の大都市札幌を目指す北海道新幹線と、一地方都市の福井への北陸新幹線とでは、インパクトが異なります。札幌に対抗できるのは大阪。せっかく橋下知事が積極的になっているのですから、それに乗ったほうが賢明です。
インフラができたからと言って、直ちに都市が栄える訳ではありませんが、ないと見向きもされないというのも事実です。橋下知事はそのあたりを考えているのかもしれません。北陸新幹線は2014年度末に金沢まで延長予定です。しかし、それ以西は着工が決まっておらず、関西にとってはデメリットしかない新幹線です。北陸新幹線の全線開業はそのデメリットしかない新幹線をメリットのあるものにするという効果があるのです。関西のために北陸新幹線が必要だと考えているからこそ、大阪府が一定の負担をしてでも北陸新幹線を全線開業させようとしているのです。
北陸新幹線の「米原ルート」での全線開業は、ほかのプロジェクトにも影響を与えます。「米原ルート」で開業すれば、東海道新幹線に乗り入れないと新大阪にはいけません。しかし、その東海道新幹線、ダイヤがひっ迫していて十分に乗り入れできるわけではありません。リニアも名古屋止まりという中途半端なことではなく、全線開業させないといけません。また、リニアを全線開業させたなら、関西3空港の需要大幅減少が問題になります。空港設備の縮小が求められます。伊丹を廃港し、(騒音が少なく、設備が整った)関空に機能を集中させるのです。ただ関空には有利子負債という重荷がありますから、それをリニアが出るまでに減らしておく必要があります。経営統合はここから出ているのです。
(参考:asahi.com http://www.asahi.com/kansai/travel/news/OSK201101090008.html)
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