JR四国、2000系車両置き換え&ICカード導入へ
先日、「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」に残っているお金のうち国民年金の財源として取られなかったものなどを利用して、経営が厳しいJR4社(JR北海道、JR四国、JR九州、JR貨物)に対する支援策を行うという記事を載せました。本来の剰余金の使い道です。
このうち、JR四国には総額1800億円の経営支援策が行われます。1400億円は、事実上経営安定基金(分割民営化時に国から給付を受けたもの。2082億円)を積み増すもので、運用益を収益の一部に充当することによって、赤字の補てんを図ります。JR四国は2009年3月からの高速道路料金の大幅割引により収支が大幅に悪化し、2010年度の業績予想は経常損益で15億円の赤字となる見込みです。1400億円の無利子貸し付けは、2011年度から20年間の期限付きです。
残る400億円は、設備投資に対する助成と無利子貸し付け。JR四国が2011年度から10年間の間に新車の導入などの設備投資を行った場合に、国がその費用の半分を助成し、残りの半分を無利子で貸し付けます。JR四国はこの制度を利用して、特急「南風」などに使われる2000系車両(第3セクターの土佐くろしお鉄道が保有しているものを含めて78両)を新車に置き換えるようです。2000系車両は非電化区間のエースとして活躍していましたが、デビューから20年が経ち、老朽化が進んでいるようです。実は2009年に、後継車両の設計に着手する予定でしたが、利用客の減少などで先送りしていたのです。また、駅施設の改良や線路基盤の整備も併せて行います。
他のJR各社はICカードの導入が進んでいます。JR間同士だけではなく、「PASMO」などの主要私鉄のICカードとの相互利用が行われるとの話もあります。JR四国だけが蚊帳の外です。そこでJR四国もICカードの導入も考えています。その際には、JR四国だけではなく、四国にある私鉄、高松琴平電気鉄道、伊予鉄道、土佐電気鉄道とも共通で利用できる「四国共通カード」(仮称)を導入するようです。導入時期は2014年とされています。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/region/shikoku/tokushima/110103/tks1101030202000-n1.htm、四国新聞社ホームページ http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/administration/article.aspx?id=20101223000072、http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/economy/article.aspx?id=20020226000100)
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Comments
はじめまして。愛読者です。
いつも大変参考になります。
新車の投入は当然ですが、
高速道路無料化に打ち勝つには
土讃線の高知までの電化と
予讃線伊予西条-松山間の短絡線建設が
絶対必要だと思っていましたので、
今回それが俎上に上らなかったのは
大変残念です。
現実にはトンネルがあったり
お金がかかりすぎたりと
実現はなかなか難しいのでしょうか?
Posted by: miyahara | 2011.01.08 09:06 PM
miyaharaさん、おはようございます。
* 高速道路無料化に打ち勝つには
確かに車に対抗するには高速化は欠かせないですが、1800億円ではできないですね。
また、短絡線については、今治を通過する是非が問われます。無視するには規模が大きいです。
Posted by: たべちゃん | 2011.01.14 05:25 AM