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JR西日本、ローカル線の保守運休に変化か?

 JR西日本のローカル線の一部では、年1回~月1回、昼間の列車を運休させて保線工事を行います。保線も昼間にやったほうが効率が上がるので、昼間に列車を止めて保線工事を行うのは合理的です。しかし、JR西日本の場合、代行のバスは運転されません。保守による運休を知らずに駅に来たら、なかなか列車が来ない、という悲惨な状況になる危険性があります。しかし、このローカル線の保守による運休に変化が生じているようです。

 先日、JTBの時刻表(3月号)を買いました。3月号には6月までの春の臨時列車も掲載されています。6月までの分であれば保守による運休の有無もわかります(桜井線や和歌山線のように、保守による運休が6月までないところは、保守による運休の有無は時刻表上ではわかりません)。ところが、これまでなら保守による運休が行われるはずの区間なのに、保守による運休がない、というところが散見されます。関西線のように、これまで毎月保守による運休があったところでも、運休は3月のみ、というところもあります。

 中には、4月以降も保守による運休はあるものの、代行バスが運転されるところもあります。バスなので、鉄道と同じダイヤで運ぶことができるか疑問ですが、代行バスすら用意されないという厳しい状況よりは、ありがたい改善ですね。
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/hosyu/)

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橋下知事、リニア京都経由を支持?

 最終的には東京(品川)と大阪(新大阪)とを結ぶリニア。暫定開業の終点である名古屋からは、奈良市付近を経由することになっています。

 しかし、これに異議を唱える人が出てきました。大阪府の橋下知事です。橋下知事は奈良市付近にできる予定のリニアの駅を、京都府内に持ってこようとしています。

 その理由は、京都府が関西広域連合に参加しているのに対して、奈良県がそれに参加していないこと。関西広域連合は滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・和歌山県・鳥取県・徳島県の7府県からなっています。近畿2府4県では唯一、奈良県が参加していないのです。もちろん、奈良県の荒井知事(旧運輸省出身)は、橋下知事に強く反発しています。

 とにかく、リニアは大阪まで全線開業させるのが大切です。リニアができれば、航空需要が減るので伊丹を整理でき、東海道新幹線の本数が減るので「米原ルート」での北陸新幹線もできます。どちらも望む方向です。内輪もめをしている暇はありません。せっかくのリニアが、名古屋止まりの、全国的に見ればそう大きな効果はない、中途半端なものになってしまいます。

 リニアを京都に通す動きはところどころ見られますが、問題は多いです。最大の問題は、災害に対するリスクが高まること。リニアと新幹線は別々のところを通ったほうが、リスク回避には有効です。どちらかは大きな被害なく動いている、ということになります。北陸新幹線の新大阪までの全線開業も、その考えからは望まれるところです。金沢や敦賀止まりでは決して生まれない効果です。

 ただ、奈良も積極的に支持できるわけではありません。それは、奈良にできるリニアの駅が、地下駅であること。品川、相模原、名古屋、新大阪ならともかく、奈良は大深度の地下駅をつくらないといけないような人口密集地帯ではありません。奈良は平城京以来の古都ですから、工事をすると遺跡が出てきそうです。少しずらしてけいはんなにすれば地上に駅を置くことができそうですし(駅建設コストの削減を図ることができます)、府県境付近だと建設費を2府県で負担するという方法も採ることができます。

 リニアの駅を京都にもっていくのならともかく、けいはんなクラスの微調整は柔軟に行ってもよいのではないでしょうか?
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110224/lcl11022409020002-n1.htm)

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明知鉄道に食堂車つき急行登場!

 JR中央線の恵那駅で枝分かれして、明智まで結ぶ第三セクターの明知鉄道。接続するJR中央線がダイヤ改正を行わないため、全くノーマークでしたが、3月12日にダイヤ改正を行います。

 今回のダイヤ改正では、昼間に急行「大正ロマン」を1往復運転します(月曜運休です)。途中の停車駅は阿木、岩村のみです。通過駅は多いものの、所要時間はほかの列車とほとんど変わりません。明智行きの「大正ロマン1号」はむしろ遅いです。急行券は不要で、乗車券や定期券で乗車できます。

 明知鉄道は国鉄時代にも急行列車の運転はなく、今回の「大正ロマン」の運転は快挙です。しかし、この急行で特筆されることは、「大正ロマン1号」に食堂車が連結されること。和食が提供されるため、JTBの時刻表にも(戦前に存在した)「和食堂車」のマークで登場しています。「食堂車」はナイフとフォークを交差させたデザインですが、「和食堂車」はお盆の上にお椀が2つ載ったデザインです。

 実はこの急行列車のダイヤは、寒天などの食事を提供する貸切列車の枠を転用したもの。これまでは何人かの利用がないと乗ることができなかったのですが、急行列車化すれば、食事を注文しないのなら予約なしに乗ることができます(食事ができる車両を1両か2両つなげるとともに、食事をしない一般客用の車両を1両つなげます)。食堂車で食事をしたいときだけ、乗車の5日前の15時までに予約をする必要があります。予約が7人いると、食堂車が連結され、食事をすることができます。
(参考:鉄道ホビダス http://rail.hobidas.com/news/info/article/126145.html、asahi.com http://www.asahi.com/travel/rail/news/NGY201102190019.html)

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「ナッチャン」、高速輸送艦に変身か?

 青森と函館とを結ぶ高速フェリー用として使われてきた2隻の船。愛称は「ナッチャン」です。全長112メートル、時速約67キロの双胴型の船で、乗客774人、トラック33台、乗用車195台を運ぶことができます。高速フェリーとしては世界最大級です。1隻約90億円しますが、燃料高騰による赤字で2008年10月から運行を停止し、せっかくの性能を活用できていないのが現状です。

 その「ナッチャン」に新しい転用案が出てきました。何と防衛省が、高速輸送艦として使用することを検討しているのです。日本の周辺海域がきな臭いので、場合によっては陸上自衛隊部隊を高速で島に運ぶのに使うようです。新たに船をつくるのはコストがかかるので、「ナッチャン」の転用が考えだされたのです。

 もともと、高速輸送艦は2005年の日米合意で導入が明記され、昨年12月の「防衛計画の大綱」でも島嶼部への高速輸送の必要性についても触れられていました。「ナッチャン」は高機動車や軽装甲機動車も積むことができ、要件を満たしています。

 海外の災害にもこの「ナッチャン」は使えます。国際緊急援助活動に部隊を派遣するときも、活用できるのです。現在、沖縄の海兵隊が日本本土や西太平洋に行く際、オーストラリアの民間高速フェリーを借りています。これを代替することもできます。

 中国が「ナッチャン」に興味を示しているとの話もあり、急いで決着をつけないといけません。6月までに結論を出し、2012年度予算案の概算要求に盛り込む考えです。

(追記)
 11月、九州で大規模な演習を行います。この演習には北海道の防衛を担う第7師団も参加します。戦車や装甲車などは「ナッチャン」や貨物列車で、それぞれ大分港や西大分駅まで運びます。
(参考:Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110221-00000071-san-pol、時事ドットコム http://www.jiji.com/jc/zc?k=201110/2011103100019)

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伊丹の活用とは適正な負担をさせること

 このblogで何回か取り上げた、関空と伊丹の経営統合の話。18日、その経営統合を行うための法案の骨子を地元自治体や経済界関係者に示しました。国交省は地元自治体等から大筋で了承を得たと考え、閣議決定をしたのち、2012年度中の経営統合を目指して国会に提出します。

 経営統合ののち、関空・伊丹の両空港はどうなるのでしょうか? 法案では、両空港ともに活用するという、この種の文書に多い、反対意見が出ないように工夫された、どのようにもとれる内容になっています。事実、関空側、伊丹側の両方の自治体も容認しています。

 関西の空の表玄関である関空はともかく、伊丹を活用するとはどういうことでしょうか? 法案にははっきりとは書いていませんが、伊丹のジェット機の便数規制を緩和して(枠が余っているプロペラ機の分を振り替える)、伊丹の発着便数を増やす方向のようです。

 しかし、伊丹はリニアが開業すれば廃止も考えられる、将来性の見込めない空港。今になって増便なんかして、本当に廃止できるのでしょうか? ややこしい要因は減らしたほうがよいです。伊丹の役割を(新幹線などと競合する)短距離便に限定するなど、縮小の方向性をみせておかないといけません。

 ただし、伊丹をすぐに廃止できる訳ではありません。当分の間は伊丹も使わざるを得ません。よく「伊丹は便利、関空は不便」と言われます。需要があっても拡張できず騒音が社会問題となった伊丹と、それらをクリアした関空を同列に比較した、ナンセンスな話です。関空が国営の空港なら、土地造成の利子負担はなく、固定資産税もありません。今ごろ大儲けの空港で、黒字をどうやって利用者に還元するかが話になることでしょう。伊丹でも、民間になれば固定資産税の話が出てきます。土地の固定資産税を払えば、「伊丹が儲っている」という「神話」も、メッキがはがれるかもしれません。

 そんなに伊丹が便利だと主張したいのなら、その便利さに見合った負担をすればいいのです。伊丹の利用者はざっと年間1500万人なので、1人1000円ずつ払えば(少々利用者が減っても)100億円は堅いです。関空への補給金を上回ります。2000円なら、利子支払額の大半をカバーできます。伊丹の利用者に負担を課すことにより、伊丹が赤字になればどうするのでしょう。(将来性のない)伊丹を潰して土地を売ればいいのです。伊丹を潰しても関空の利用者が劇的に増える訳ではありませんが、ややこしい要因は減ります。これが伊丹の望ましい活用のしかたです。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110218/biz11021822120038-n1.htm、http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110218/plc11021801310001-n1.htm、http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110203/plc11020309030004-n1.htm)

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阪急「京とれいん」3月19日運行開始&5月14日ダイヤ改正

 かつて阪急を代表する車両として活躍した、6300系。2扉転換クロスシートの車両でおもに特急用として走り続けてきましたが、特急の停車駅がかつての急行並みに増えた現状では使いにくく、嵐山線向けに4両にリニューアルされたもの以外は廃車になる予定でした。昨年2月に引退運転が行われました。

 ところが名車、6300系を惜しむ声が強く、昨年春の嵐山方面への臨時列車で復活以前にも書きましたが、このたび、観光列車としてリニューアルされることになったのです。

 「京とれいん」と名付けられるこの観光列車、コンセプトは京都をイメージさせる「和・モダン」。6両編成が京都をイメージした車両になります。1号車(大阪方先頭車)、2号車、5号車、6号車(京都方先頭車)は京唐紙をモチーフにした座席デザイン。1号車、2号車は「蘭の華散らし」、5号車、6号車は「麻の葉」です。座席数は1号車、6号車が52席、2号車、5号車が56席です。座席は転換クロスシートが並ぶようです。大きく変わるのは3号車、4号車。京町家をイメージした車両になります。客室へのエントランスとして格子状の飾りをつけ、デッキ風のデザインにしています。車内は4人掛けと2人掛けのボックスシートが並びます。座席の背もたれの一部に畳を使用するなどの工夫が施されています。座席数は3号車、4号車とも38席とかなり少なくなっています。

 「京とれいん」の運行開始は3月19日。後で述べる5月14日にダイヤ改正を行うまでの間は、梅田-嵐山間で快速特急として休日に1日1往復運行されます。梅田9:51発、嵐山16:38発です。そのほか、梅田・河原町から快速特急が、宝塚(今津線経由)・高速神戸から直通特急が嵐山に向けて走ります。運転日はいずれも3月19日から5月8日までの休日です。「京とれいん」が運転されない平日には、貸切列車として使用することもできます。

 そして、5月14日には京都線でダイヤ改正が行われます。今回のダイヤ改正で変更されるのは休日のみ。平日は変わりません。梅田-河原町間に1日4往復、「京とれいん」を使用した快速特急が運転されます。停車駅は十三、淡路、桂、烏丸のみです。梅田-河原町間の所要時間は約43分です。

 また、1時間に6本運転されている昼間の準急のうち3本を、梅田-河原町間の運転から天下茶屋-河原町間の運転に振り替えます。特急や普通の運転本数は基本的には変わりませんので、単純に梅田への本数が減り、天下茶屋への本数が増えることになります。天下茶屋-河原町間の準急は1日19往復運転され、約80分かかります。

 ダイヤ改正後の嵐山への直通列車は、今年の春は5月14日、15日のみ運転されます(車両は「京とれいん」以外のものになります)。今回からは天下茶屋からの直通特急が1日1往復運転されます。途中の停車駅は日本橋、天神橋筋六丁目、淡路、桂、嵐山線内の各駅のみです。なお、梅田、河原町からの快速特急は運行本数が減ります。
(参考:阪急ホームページ http://holdings.hankyu-hanshin.co.jp/ir/data/ER201102212N1.pdf、http://holdings.hankyu-hanshin.co.jp/ir/data/ER201102213N1.pdf)

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「はやぶさ」「みずほ」に関する料金制度

 3月5日に東北新幹線に「はやぶさ」が、12日には山陽・九州新幹線に「みずほ」が登場します。これらの列車は、東海道・山陽新幹線の「のぞみ」と同様、他の新幹線に比べて少々高い料金が適用になります。「はやぶさ」の東京-新青森間で500円、「みずほ」の新大阪-鹿児島中央間で300円です。今日はその「はやぶさ」「みずほ」に関する料金制度をみていきたいと思います。

 「はやぶさ」については、運賃のみ有効(特急券などは別払い)の「グランクラス」を除いては、「フルムーン夫婦グリーンパス」、「ジャパン・レール・パス」でも追加料金なしで乗ることができます。「はやぶさ」にかかる速達料金(東京-新青森間で500円)も支払う必要がありません。「レール&レンタカーきっぷ」についても「グランクラス」以外は運賃・特急料金・グリーン料金も通常通り割引になります。運賃は20%、特急料金・グリーン料金は10%です。「グランクラス」は運賃のみ20%割引です。なお、「グランクラス」は当面「はやぶさ」のみにしか連結されないのですが、運行の都合によりほかの東北新幹線にも連結されることが想定されています。後述の「新幹線回数券」の規定から考えると、その場合も同様の扱いになると考えられます。

 全車指定席の「はやぶさ」に乗り遅れた場合には、後続の「はやぶさ」「はやて」「こまち」の立席を利用することができます。逆に、「はやて」「こまち」に乗り遅れた場合には、「はやて」「こまち」にしか乗ることはできません。「はやぶさ」は不可です。

 意外なのは「はやぶさ」では「新幹線回数券」で乗ることができないこと。「はやて」などとの差額を支払っても乗ることができません。「新幹線回数券」では運賃部分のみが有効で、特急料金は別払いです。乗車の際は御注意ください。

 これに対して「みずほ」は、東海道・山陽新幹線の「のぞみ」と同じようになります。すなわち、「フルムーン夫婦グリーンパス」、「ジャパン・レール・パス」では自由席すら乗ることができません。運賃すら別払いしないといけないのです。とても残念な話ですね。「のぞみ」「みずほ」は超豪華列車でも何でもなく、単なる都市間特急なのに、お高くとまりすぎです。JR東海・JR西日本・JR九州の3社には早急の見直しが求められます。請求できるのは「ひかり」「さくら」などとの差額ぐらいです。

 「レール&レンタカーきっぷ」についても、「のぞみ」と同様、割引になるのは運賃だけで、特急料金等の割引はありません。こちらも改善が求められますね。
(参考:JRおでかけネット http://tickets.jr-odekake.net/shohindb/view/consumer/tokutoku/detail.html?shnId=111000045、http://www.jr-odekake.net/railroad/ticket/guide/06.html、えきねっと http://www.jreast.co.jp/torenta/outline/、JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/tickets/info.aspx?GoodsCd=1070、Blue Worksホームページ http://blue-works.com/jpn/?cat=17)

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この春、117系観光列車「水都大垣トレイン」運転!

 「おくのほそ道」結びの地と言われる、大垣。水郷としても知られています。

 その大垣で、4月4日から17日までの間、大垣市観光協会主催で「水の都おおがき舟下り」が行われます。大垣市営東外側駐車場前から四季の広場までの約1キロを25分かけて下ります。乗船料は1000円で、1日10便します。それに合わせてJR東海は、4月3日から17日までの間、全車指定席の快速「水都大垣トレイン」を運転します。飯田線で「そよかぜトレイン117」として使われていた117系を利用。平日は1日1往復、休日は1日2往復します。なお、「水都大垣トレイン」は名古屋-大垣間、ノンストップです。尾張一宮や岐阜も通過します。

 ところでこの117系、2号車は「ウィンディスペース」として、風を感じることができるようになっています。ほかの車両には一部のイスをつぶして大型のテーブルを置いています。大垣まで44分かかる「水都大垣トレイン1号」を除いては、新快速・快速とほぼ同じ速さで走るので、2号車の「ウインディスペース」に吹き込む風はかなり強いものになるのでしょうね。日ごろ窓が閉まって、冷暖房が利いた電車にしか乗っていない人は気を付けたほうがいいです。
(参考:JR東海ホームページ http://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000010015.pdf、http://jr-central.co.jp/news/release/nws000668.html)

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JR九州、博多-宮崎間に高速バス「たいよう」を運転

 九州新幹線の全線開業により、これまで鉄道で行くには遠かった宮崎も行きやすくなります。鹿児島中央で「きりしま」に乗り換えるルート、新八代で「B&Sみやざき号」に乗り換えるルートがあります。

 これに加えて、JR九州は、バスだけで博多から宮崎に行くルートも設定します。子会社のJR九州バスは、4月13日から、博多バスターミナル-宮崎駅間に高速バス、「たいよう」を運転するのです。1日10往復し、主に3列シート(1列+2列)の車両を使用します(1往復は独立3列シート、1往復は4列シート)。博多バスターミナル-宮崎駅間の所要時間は3時間55分、博多バスターミナル-宮崎駅間の運賃は4500円です。しかし、この運賃は車内で払ったときのみに適用されるものです。発車間際でも、コンビニなどの発売窓口で切符を買えば3000円(3列シートのうちの1列、独立シートは3500円、4列シートは2500円)になります。この「前売きっぷ」が事実上の正規運賃です。西鉄などの「フェニックス」と比べると格段の安さです。所要時間も15分短いです(ただし、天神は通りません)。

 すでにお気付きの方もいるでしょう。JR九州バスも西鉄などと共同で、福岡から宮崎への高速バス(「フェニックス」)を運行しているということを。実は、JR九州バスは「フェニックス」の運行から撤退するのです。JR九州バスが新八代からの「B&Sみやざき号」(混雑する区間を新幹線で移動することにより、定時性を保つことができます)を運行することにより西鉄サイドと対立し、「フェニックス」から撤退。対抗策として「たいよう」の運行を始めることにしたのです。

 西鉄などの「フェニックス号」は4月13日以降も従来通り、24往復運転します。
(参考:JR九州バスホームページ http://www.jrkbus.co.jp/shared/PDF/taiyou_chirashi.pdf、毎日jp http://mainichi.jp/seibu/seikei/news/20110120ddp041020021000c.html)

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無理につくった神戸空港、独立採算の危機

 今日で開港してちょうど5年になる、神戸空港。その神戸空港の経営が思わしくないようです。

 神戸空港は、すでに近隣に伊丹と関空があるにもかかわらず、地元自治体である神戸市がつくりました。神戸市は(近くに空港がひしめいているため)神戸空港の状況を不安視する地元住民に配慮して、神戸空港には税金を投入しないことを約束しました。しかし、それが破られることになったのです。開港当初は黒字で基金の積み立てを行っていましたが、2010年度の赤字約5.6億円でそれを食いつぶし、2011年度以降はほかの企業会計から繰り入れるようです。また、空港島の建設のために市債を約2000億円発行しましたが、当初もくろんでいた島の中の土地は5%程度しか売れず、市債の返済はなかなか進みません。

 神戸空港は、JALが撤退したものの、スカイマークが神戸空港を関西の拠点として使っているので、本数は減っていません。しかし、小型機が多いので、利用者は増えないのです。開港当初の予測である年間319万人は一度も達成せず、2010年2月からの1年間の搭乗者数は223万人。2年連続で過去最低です。

 神戸空港の発着枠が厳しいのは、近くに伊丹や関空があるため。狭い地域に空港がひしめいているので、互いに干渉しているのです。「それなら関空を少々犠牲にしても、神戸空港をフル活用したほうがいいのでは?」という考えもありますが、それによって得られるものはありません。滑走路が1本の神戸空港に発着する便が増えても、神戸空港は単なるローカル空港のままだからです。関西にある3空港のうち、メインになることができるのは関空のみ。あとの2つはどう頑張っても無理なのです。

 もちろん、空港はインフラです。施設そのもので利益を出さなければならないものではありません。公共の役に立つのが第一で、必要なら税金で支援する必要もあります。しかし、先ほども述べたように、神戸空港は少々便が増えてもローカル空港のまま。(利用時間の制約が厳しく、需要に応じて拡張することができない伊丹も同様ですが)関空の代わりにはなれません。第一、伊丹や神戸を拡張したとしても、関空の負債は残ります。何の意味もありません。

 関空の問題は、有利子負債の多さのみ。それさえなければ、安定した利益を稼ぐ空港です。黒字をもとに、着陸料の軽減も図れます。いち早くやらなければならないことは、関空の有利子負債を減らすこと。そのためには、伊丹に負担を課してもいいのです。伊丹を潰してもいいのです。リニアが開業すれば大きな打撃を受けるという神戸に発着枠の制約を課してもいいのです。

 神戸空港サイドとしては、伊丹が廃港になれば、発着する航空機も大型化し、経営面で有利になるでしょう。どうしても残したいなら、伊丹をつぶしましょうか?
(参考:Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110207-00000119-san-soci)

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名古屋・京都から「『のぞみ&九州新幹線』早特往復きっぷ」発売

 九州だけならいいのですが、本州に行くと厳しくなる傾向のある九州新幹線の割引。大阪市内など、JR西日本エリアを発着地とするものは専用のカード会員限定の、非常に敷居の高いものです。

 九州新幹線から直通の「みずほ」「さくら」は新大阪までの乗り入れ。それを反映して、関西以西は九州新幹線に対する盛り上がりがあるようですが(関西エリアでは、九州新幹線のみが唯一の使える整備新幹線です。東北・北海道新幹線は遠いですし、北陸新幹線は金沢以東しか着工されていないのでデメリットしかありません)、新大阪以東では全く効果がないか、といえばそうではありません。東京はともかく、名古屋ぐらいなら効果があります。4時間程度で熊本まで行くのです。航空機に比べて時間はかかりますが、本数は圧倒的に多いです。

 そこで、JR東海・JR西日本・JR九州の3社は、名古屋市内・京都市内から熊本・鹿児島中央への往復割引切符を発売します。「『のぞみ&九州新幹線』早特往復きっぷ」です(京都市内からは、久留米などほかの九州新幹線沿線への設定もあります)。九州発のものは、「『九州新幹線&のぞみ』早特往復きっぷ」といい、熊本・鹿児島中央から東京都区内・名古屋市内・京都市内への設定があります(京都市内へは、久留米などほかの九州新幹線沿線からの設定もあります)。「のぞみ早特往復きっぷ」と同様、出発日の21日前から7日前までの発売です。ただ、「のぞみ早特往復きっぷ」と違い、期間限定の商品ではなく、席数限定の商品でもないようです(指定席がある限り、購入できるようです)。

 名古屋市内-熊本間の往復が37400円、名古屋市内-鹿児島中央間の往復が43400円です。京都市内-熊本間の往復が33600円、京都市内-鹿児島中央間の往復が39800円です。東京都区内へは、熊本からが45800円、鹿児島中央からが52000円です(東京都区内からの設定はなし)。従来の「九州往復割引きっぷ」等に比べると、値段は上がっています。もっとも、名古屋市内から熊本に行く場合、博多まで「のぞみ早特往復きっぷ」で行き、面倒でも博多でいったん改札を出て事前にインターネットで予約した「九州ネットきっぷ」を買ったほうが安いです。なお、「『のぞみ&九州新幹線』早特きっぷ」の登場により、従来の九州新幹線沿線へ(から)の「九州往復割引きっぷ」等は廃止になります。長崎、大分など九州新幹線沿線以外へ(から)の「九州往復割引きっぷ」等については、継続して発売されます。

 このきっぷのキーポイントは、博多までは「のぞみ」に乗らないといけないこと。いくら新大阪から話題の「みずほ」「さくら」に乗りたくても、博多まで我慢しないといけません。「みずほ」「さくら」は1時間に1本しかないので混みますが、「のぞみ」は西に行けば行くほど空くからでしょうか?
(参考:JR東海ホームページ http://jr-central.co.jp/news/release/nws000675.html、JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/news/newslist/article/1175183_799.html、JR九州ホームページ http://www13.jrkyushu.co.jp/newsreleaseweb.nsf/9dd28b8cb8f46cee49256a7d0030d2e6/7c7b56b49cb6c2b6492578380001d449?OpenDocument、http://www.jrkyushu.co.jp/net-yoyaku/index.html)

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仙石線に新型列車制御装置

 鉄道においては、列車が追突するのを防ぐため、線路を一定の区間ごとに区切り、そこにはひとつの列車しか入らないようにしています。軌道に電流を流すことによって列車の位置を検知し、運転士には先行列車の位置を信号によって知らされます(新幹線など一部の区間を除いては、線路沿いに立っている信号機によって知らされます)。すぐ前に先行列車があれば赤(当然ながら進入できない)、ずっと遠くにしか先行列車がないときは青(フルスピードで走ることができる)が表示されます。

 ところが、JR東日本は3月27日から仙石線のあおば通-東塩釜間に、新しい列車制御装置(ATACS)を導入します。ATACSは各列車の運転席にアンテナと計算機能を持った装置(車内信号機)を置き、無線で位置情報を沿線に1か所ある基地局に発信します。基地局は列車間の距離を算出し、各列車にこれ以上進むと衝突する危険性のある距離(停止位置)を伝えます。それを基に各列車がそれぞれ適切な速度を算出する仕組みです。すでに香港のディズニーランドには同様の設備がありますが、都市型鉄道としては世界初の事例のようです。

 ATACSの導入により、信号機などの設備は不要になり、設備が簡素化されることで故障となる原因が減るとともに、メンテナンスコストの低減も図れます。仙石線はほかの線との乗り入れがない独立した路線であるため(車内信号機を置く車両が限定できる)、最初の導入路線に選ばれました。このATACSの本命は首都圏。閉塞の概念が変わることにより、今よりも列車の増発ができるのかもしれません。

(追記1)
 東日本大震災の影響により延期されていたATACSの導入ですが、当初の予定から半年ほど遅れて9月25日から使用開始することになりました。

(追記2)
 さらに、台風15号の影響により、ATACSの運用開始が10月10日に再延期されました。
(参考:YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/feature/20090128-945707/news/20110205-OYT1T00454.htm、MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/region/news/110207/myg11020700510000-n1.htm、JR東日本ホームページ http://www.jreast.co.jp/press/2009/20090406.pdf、http://www.jreast.co.jp/press/2011/20110619.pdf、日本経済新聞 http://www.nikkei.com/tech/trend/article/g=96958A90889DE1E3EBE2E4E4E7E2E2EBE2E5E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;df=3)

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2011年度高速道路無料化社会実験、本四架橋は平日乗り継ぎ客500円

 国民からの支持がないのに、マニフェストにこだわり続いている高速道路の税金を使った無料化実験。2011年度も行われます。

 2月9日に国交省から出された案によれば、平日、休日の別、車種を問わずに適用される無料化社会実験は、沖縄道以外は継続される方向です(無料化実験開始から1年となる6月までのデータを検証したうえで、再度検討します)。沖縄道は休日は無料ですが、平日は実験前の割引(那覇-許田間の全線利用した場合、普通車1000円)の半額となるようです。また、2011年度は6か所の無料化区間を追加します。2011年度に開通する道東道夕張-占冠間(これで札幌と帯広が一本の高速道路でつながります)、舞鶴若狭道小浜-小浜西間のほか、秋田道、米子道、大分道(日出ジャンクション以東)、宮崎道が新たに無料になります。実験期間は2011年6月ごろ(実験開始日は、料金システム改良などの準備状況を考慮して決まります)から2012年3月です。

 2011年度から行われる新しい施策としては、夜間の大型車に限った無料化社会実験が挙げられます。無料化の対象となる区間を22時から翌6時に走行する、ETCのある中型車以上の車両に適用されます。無料化の対象となる区間は、道央道(千歳恵庭ジャンクション以南)、東北道(富谷ジャンクション以北)、磐越道・北陸道(郡山ジャンクション以西)、北関東自動車道(栃木都賀ジャンクション以東)、九州自動車道(鳥栖ジャンクション以南)です。結構幹線の高速道路ばかりです。実験期間は2011年6月ごろ(実験開始日は、料金システム改良などの準備状況を考慮して決まります)から2011年12月です。

 瀬戸大橋などの本四架橋については、平日に本四架橋のみを利用した場合は上限2000円、本州や四国の高速道路を乗り継ぐと上限500円となります(2011年度限りの暫定措置です)。休日については本四架橋だけを利用しても、本州や四国の高速道路を乗り継いでも上限1000円です。
(参考:国交省ホームページ http://www.mlit.go.jp/common/000135200.pdf、山陽新聞ホームページ http://www.sanyo.oni.co.jp/news_s/news/d/2011020721521364/)

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「みずほ」「さくら」で焼酎、生ビールを販売

 あとちょうど1か月で全線開業する九州新幹線。看板列車は山陽・九州新幹線を直通する「みずほ」「さくら」です。JR西日本は、その「みずほ」「さくら」の車内で、焼酎を販売します。新幹線では初めてのことです。

 「みずほ」「さくら」の車内で販売される焼酎は、霧島市の錦灘酒造が九州新幹線全線開業に合わせてつくった、芋焼酎「さくらの風」(350ミリリットル、390円)です。通常の半分のサイズで、車内で飲みやすいようにコップも付けています。

 また、「みずほ」「さくら」の車内では、夕方以降に生ビールも販売します(山陽新幹線区間のみ)。生ビールは普通に車内で売っていそうなイメージがありますが、実は食品衛生法に基づく飲食店営業の許可が必要なのです。食堂車があった時代には厨房に洗浄設備があったので、東海道新幹線などで販売した実績があります。しかし、今の新幹線には食堂車がなく、したがって洗浄設備もないので、飲食店営業の許可が取れず、生ビールを販売することができません。しかし、「みずほ」「さくら」に使われるN700系7000、8000番台の車内販売準備室には冷蔵や洗浄の設備があります。生ビールのサーバーが使用可能になり、晴れて生ビールを提供することができるようになったのです。そのほかにも、車内販売では、九州の自治体や観光協会と協力して、月替わりで地元の特産品や工芸品を販売するフェアを行う予定です。新大阪-鹿児島中央間は4時間前後かかるので、こういう付加価値をつけておかないといけないでしょう。

 「みずほ」「さくら」で車内販売を担当するのが、約120人の「さくらクルー」。彼女たちは、山陽新幹線で働く約300人のクルーのうち、身だしなみや笑顔、お辞儀などサービスに関する約80項目の観点から選ばれた人たちです。彼女たちは開業後1か月の間の期間限定ですが、「みずほ」「さくら」専属のクルーとして、ピンクのスカーフをつけて車内販売を行います。

(追記)
 「みずほ」「さくら」での生ビール販売についてですが、生ビールサーバーを載せたワゴンの軽量化に時間がかかったため、7月1日からの販売となります。

 「みずほ605号」(新大阪17:59発)など夜間に走る8本の列車で、新大阪-博多間にて販売します。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110210/biz11021012150029-n1.htm、神戸新聞NEXT http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/0003796219.shtml、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110210-OYT1T00717.htm、産経関西 http://www.sankei-kansai.com/2011/06/27/20110627-054560.php)

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名鉄6750系、今春に引退

 10年ほど前まで名古屋本線といえども古くて味のある車両が平気で走っていた名鉄ですが、急速に車両の置き換えが進み、「パノラマカー」などが消え、良くも悪くも普通の鉄道会社になりました。名古屋中心部の栄町から尾張瀬戸に伸びる名鉄瀬戸線も、古い車両がたくさん走っていました。並行して走る路線がなく、渋滞する名古屋中心部のことを考えるとスピードを出さなくても車に勝てるので、名鉄にとってはおいしい路線でした。(JRとの競争が激しい)名古屋本線のように努力する必要もなく、勝手に乗客が集まりますから。

 ただ、そういう瀬戸線にもステンレスの新車、4000系が投入され、従来から走っている車両を置き換えつつあります。当然、古い車両は廃車になります。(軌間が狭いために吊り掛け車しか使えないと言われている、近鉄の特殊狭軌線を除けば)大手私鉄で最後の吊り掛け車、6750系もその中に入ります。現在、4両編成2本が運行を続けていますが、今月下旬から1編成だけになり、今春に引退することになりました。

 引退を目前にして、名鉄は2月19日(土)から記念切符を発売し、翌20日(日)には尾張旭駅から喜多山駅、尾張瀬戸駅で折り返し、尾張旭検車区までを往復する(帰りも尾張瀬戸駅、喜多山駅で折り返します)「さよなら運転」を行います。乗車には専用の「最後の吊り掛け6750系 さよなら運転」乗車券が必要です(この切符は「購入予約証」が必要で、その申込期限を過ぎているため、その「購入予約証」がない限り、「さよなら運転」に乗車することができません)。

(追記1)
 残った1編成も、3月19日(土)に「さよなら運転」を行います。2月のときと同様、専用の乗車券を買い求める必要があります。

(追記2)
 最後まで残った6750系は3月19日(土)に「さよなら運転」を行いましたが、その後もしばらくの間は定期列車として運転されていました。

(追記3)
 名鉄は2013年度に4000系を4両編成4本新造し、瀬戸線の電車をすべて4000系に統一させます。
(参考:名鉄ホームページ http://www.meitetsu.co.jp/profile/news/2010/1207696_1138.html、http://www.meitetsu.co.jp/info/2010/1208348_1156.html、http://www.meitetsu.co.jp/profile/news/2012/__icsFiles/afieldfile/2013/03/28/release130329ceprogram.pdf、「鉄道ダイヤ情報」 交通新聞社 2011年5月号)

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水了軒の「八角弁当」、予約注文で復活!

 かつて大阪駅では水了軒が駅弁を販売していましたが、昨年4月に破産し、7月に商標と工場をデリカスイト(本社:大垣市)が取得しました。

 デリカスイトは、調理長や営業担当者を雇い、この15日から主力商品であった「八角弁当」の販売を再開します(そのほかにも大阪の橋の名称を付けた弁当など19種類を用意します)。味付けは販売が好調であった10年前のものに戻し、白い小さなカップに入った煮付け以外は当時のものです。値段は従来と同じく1100円です。当面は電話とファックスによる予約注文のみを行いますが(大阪・豊中・吹田・尼崎市内へは、1万円以上の注文で配達します。事前に予約して工場に受け取りに行けば、1個からでも購入できます)、将来的には駅の売店や百貨店などでも購入できるようにするようです。

 初年度の売り上げ目標は7億円とのことです。
(参考:asahi.com http://www.asahi.com/kansai/travel/news/OSK201102030028.html)

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可部線廃止区間、2013年度に一部復活か?

 可部線は広島の西隣、横川から三段峡まで伸びていましたが、非電化区間の可部以遠は利用者が極めて少なく、2003年に廃止されました。

 廃止されずに残った横川-可部間は日中でも20分間隔で運転される、便利な区間(ただし、並行して走るバスはもっと多く、日中でも広島バスセンター方面に1時間に10本以上運転されています)。しかし、終点の可部駅は、可部の町の手前にあります。区役所などの行政施設や商業施設はもう少し奥のほうにあります。

 そこで広島市は、廃止された区間のうち、可部-河戸間を電化させて復活させる方針です。運営するJRも、2011年度の早い時期に経営会議に諮り、復活させるかどうかを最終判断します。復活が実現すれば、JRでは初めてのケースになります。広島市とJRは、2013年度までの復活を目指しています。

 復活させる区間は、河戸駅近くまでの約2キロ。駅は2つ設置します。河戸駅付近と、復活させる区間の中間あたりです。敷地は廃線跡を利用し、通信ケーブルなど不要な設備は撤去します。1日約2000人の利用を見込んでいます。工事費は国が1/3、残りを市とJR西日本が負担します。

 もともと、廃止された区間のうち、河戸までは人家が多かったので、適切なサービスさえあれば利用されると考えられていました。2003年の廃止のときでもこの区間だけは廃止させずに残すという話もありましたが、そのときは(利用者の極めて少ない区間を含めて)廃止反対一辺倒で、冷静な議論ができませんでした。ようやく冷静に考えられるようになったのでしょう。

 ともかく、鉄道が復活することは喜ばしいことであります。廃止の話が続くだけに。
(参考:中国新聞ホームページ http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201102030053.html、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110204-OYT1T00091.htm?from=navr)

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長野電鉄屋代線、多数決で廃止へ

 長野電鉄には2本の路線があります。長野と湯田中を結ぶ本線格の長野線と、途中の須坂から分かれる、屋代線です。もともとは屋代から須坂、信州中野と経由して(2002年に廃止された)木島まで行く路線(河東線)が先にでき、その後、長野や湯田中に伸びる路線ができましたが、信州中野-木島間が廃止された2002年に現実に合わせて路線名が変えられ、須坂-屋代間が屋代線となりました。

 かつては上野からの直通急行が通り賑わっていたのですが、利用者は減り続け、2009年度はたったの45.4万人。ピークの1965年度と比べると14%ほどになっています。当然ながら赤字で、経営の足を引っ張り続けてきました。屋代線の活性化のために、沿線3市(長野、須坂、千曲)と住民でつくられた活性化協議会のもと、実証実験も行われてきましたが、長野電鉄の廃止の意向はかたく、沿線3市もそれを容認するかたちになり、実証実験も3か月で打ち切られていたようです。

 そんな中、2月2日に活性化協議会が行われました。協議会の事務局は昨年11月、すでに(1)屋代線を存続して実証実験を続ける (2)休止して代替バスを運行しながら検討 (3)廃止して代替バスを運行 の3案を提示していました。2日に住民などの反対を押し切るかたちで無記名での投票が行われ、(3)を支持するものが14人、(1)を支持するものが11人(ほかに白票1人)ということで、屋代線廃止の方針が決まりました。今後、地元住民の声を聞きながら代替バスのルートを決定し、それが決まり次第、長野電鉄は廃止届を国に出します。

 沿線住民や市議会はこの投票による廃止の決定に反発しています。ただ、利用者が少なく、鉄道を維持しようとするとかなりのお金がかかります。民間企業の長野電鉄が出せない以上、もし残したければだれかが出さざるを得ません。そのあたりも考えないと、説得力を持った存続策はないでしょう。

 そもそも、屋代線が廃止の方向になったのは、屋代線が人の流れと合っていないからです。主要都市長野を避けて通っている現状では、なかなか使うことができません。現実、屋代線は約90分間隔での運転ですが、途中の松代から長野へは約30分間隔でバスが運転されています。沿線3市にとっては重要な路線ではなく、廃止になっても深刻な打撃はありません。

 もっとも、人の流れと線路が一致していないということは、代替バスの運行の厳しさも予想されます。今は鉄道があるから利用されるところもありますが、鉄道がなくなり、代替バスになるとそのような利用のされかたはありません。鉄道時代よりかなり利用が減ることが想定されます。事実、代替バスも赤字が見込まれ、国の交付金と沿線3市の負担によって補てんします。

(追記1)
 長野電鉄は3月25日、屋代線の廃止届を国交省北陸信越運輸局に提出しました。これにより、2012年3月までに屋代線は廃止されることになります。

(追記2)
 屋代線の沿線住民はLRT化を求めていましたが、これについて、長野市交通対策審議会は2012年7月30日、それを否定する内容の報告書を市長に提出しました。審議会の調査結果によると、旧屋代線の施設改修や新車両の整備などの初期投資に約158億円、年間運行経費に約9.2億円かかると試算しています。運賃を鉄道時代の9倍にしないと黒字化できないようで、渋滞緩和などの効果を加味しても投資を上回る効果は得られないとしています。もっとも、それで効果が得られるならば、鉄道は廃線にならなかったことでしょう。
(参考:asahi.com http://www.asahi.com/travel/rail/news/TKY201102020396.html、毎日jp http://mainichi.jp/area/nagano/news/20110203ddlk20020089000c.html、http://mainichi.jp/area/nagano/news/20120731ddlk20020008000c.html、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagano/news/20110205-OYT8T00064.htm、長野電鉄ホームページ http://www.nagaden-net.co.jp/img/pdf/yashiro0325.pdf)

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JR九州の観光列車は超豪華

 かつて東京・大阪から九州方面へのブルートレインがたくさんあり、それが廃止された後もイベント列車として何回か運転されていました。しかし、それも売却されてしまいました。確かに九州だけならそれほど広くはなく、寝台列車を走らせるほどの距離はありません。東京や大阪なら距離はありますが、特に東京の場合は時間がかかりすぎて話になりません。

 しかし、以前にも触れたことはありますが、JR九州は2013年の春か夏に、九州を一周する豪華観光列車「クルーズトレイン」(仮称)を走らせる計画です。6~7両編成の専用列車で、レストランや展望車も備えています。1両につき3~5室の個室があり、列車の定員はたったの30人程度。1両の定員ではありません。コースは博多発着を原則とする2泊3日のものが考えられています。一例としては、博多を出て、由布院で列車を待たせて高級旅館に宿泊。その後、日南海岸や桜島を回ります。季節に応じて年2、3回コースを変え、長崎や阿蘇に行くものもあるようです。料金設定は旅館での宿泊費やツアー中の食費も入れて15~20万円。さすがにかなりかかります。

 JR九州が想定している顧客ターゲットは国内外(アジア)の富裕層や定年退職後の夫婦。気軽に乗ることはできないでしょうが、そういう「夢」を売る列車が実現すれば、それは明るい話ですね。
(参考:asahi.com http://www.asahi.com/national/update/0130/SEB201101300012.html、西日本新聞ホームページ http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/223997)

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北陸新幹線について積極的な大阪府と消極的な福井県

 北陸新幹線の敦賀以西は、まだどこを通るか決まっていません。その先には大阪という大都市が控えているにもかかわらず、まだ決まらないのです。北陸新幹線の新規着工に当たっては、重要な課題です。

 その難問を解決しようとしているのが、橋下大阪府知事。いろいろなところで精力的に動いています。橋下知事は、(大阪府内を通らないために、本来なら負担する必要のない)「米原ルート」の建設費の負担をしてでも、北陸新幹線の新大阪までの全線開通を目指しています。大阪府と滋賀県は、新年度からルートの選定や建設費の負担についての協議を始めます。また、京都府や福井県とも協議の開始に向けての調整を行っています。

 大阪府の計算では、現在の地元自治体の負担の枠組みをそのまま適用した場合、「米原ルート」と「若狭ルート」では次のようになります(敦賀以西の数字)。「米原ルート」は福井県108億円、滋賀県468億円の計576億円。「若狭ルート」は福井県576億円、京都府486億円、大阪府360億円の計1422億円です。「米原ルート」のほうが半額以下になりますが、ネックは滋賀県。資金の負担を渋っています。なにしろ、南びわ湖駅の建設を拒否したという「実績」がありますから、期待できないでしょう。

 そこで大阪府が考えているのは、滋賀県の負担を軽減すること。全線開通による利益を考慮し、福井県が158億円、京都府と大阪府が209億円ずつ負担し、滋賀県の負担を50億円に抑える案(計算が合わないような気もしますが)など3つの案を考え、滋賀県を説得したいようです。滋賀県は、新幹線開業により在来線の特急が減ることを懸念していますが(ただし、現実には、「サンダーバード」は滋賀県内を通過するのが大半ですし、「しらさぎ」も長浜に停まるのは半分もありません。近江今津あたりの利便性のためなら、朝夕の通勤特急を走らせればよいでしょう)、協議には参加します。

 大阪府には、2014年度に北陸新幹線長野―金沢間が開業すると、北陸と東京の結びつきが強くなり、関西との結びつきが弱体化するという懸念があるようです。ですから、本来なら負担する必要のない大阪府が負担をしてまで、北陸新幹線の最大の課題である敦賀以西のルートの問題を解決しようとしているのでしょう。本来なら、敦賀以西のルートの問題は、北陸にフル規格の新幹線が着工される前に解決しておくべき課題でした。金沢までの開業が見えているこの時期でははっきり言って遅いのですが、やらないよりはいいでしょう。

 それに対して不可解なのは、福井県の態度。敦賀以西のルートの問題は国が解決すべきだとして、自ら解決しようとはしません。福井県としては、「米原ルート」を採った場合、(新幹線が通らない)若狭地方のことが頭にあるかもしれません。しかし、何度も言いますが北陸新幹線において解決すべき課題は、敦賀以西をどうするかであり、それが決まらない限り、金沢以西の新規着工の可能性はかなり低くなります。福井止まりの新幹線では説得力が全くありません。高速増殖炉「もんじゅ」をカードにしても無意味です。「大阪」だけが唯一のカードになるのです。

(追記)
 福井県の西川知事は、敦賀以西のルートを決めることよりも、金沢-敦賀間の着工を急ぐことを優先しています。何も分かっていないですね。

 敦賀以西の問題に消極的であるということは、「うちの県に北陸新幹線はいらない」ということと同義と言っても過言ではありません。
(参考:asahi.com http://www.asahi.com/kansai/travel/news/OSK201102020071.html、
http://www.asahi.com/travel/rail/news/OSK201102020160.html、Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110216-00000052-san-l18)

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北近畿タンゴ鉄道、一部区間廃止か?

 福知山と宮津を直結する宮福線と、国鉄路線だった宮津線の2線からなる北近畿タンゴ鉄道は、京都府や兵庫県などが出資する第三セクターです。地元住民の通学輸送を行うのに加えて、天橋立などの著名な観光地が沿線にあるため、京都や大阪から直通の特急列車が乗り入れています(ただし、大阪方面からは3月のダイヤ改正で廃止)。また、JR西日本からの直通の特急列車を受け入れるだけではなく、自社でも特急車両を保有し、京都や大阪に乗り入れています(ただし、大阪方面への乗り入れも3月のダイヤ改正で廃止。これまで大阪直通用だった「タンゴエクスプローラー」は線内特急用に使われます)。

 これまでも北近畿タンゴ鉄道は巨額の赤字が続いていました。しかし、これまでその赤字の元は特急車両製造のための減価償却費とされ、さほどの心配はされていませんでした。ところが、2008年度以降、急激に経常赤字が増えました。2009年度の経常赤字は約7.2億円。高速道路の無料化により舞鶴若狭道が全線無料となったため、さらに収益の悪化が予想されます。最悪の場合、一部区間が廃止になることもあるようです。

 筆頭株主の京都府は、春に兵庫県や福知山市、豊岡市など沿線7市町の代表と有識者を交えた検討会を発足させ、抜本的な経営改善策を考えていくようです。その中で、赤字額を抑制するために、運転本数の削減や、一部区間の廃止も考えられているようです。今年の9月に一定の結論を出す予定です。

 検討会では、北近畿タンゴ鉄道を3つの区間に分けて、現状の分析を行います。電化区間の福知山-宮津-天橋立間、宮津線東部の西舞鶴-宮津間、宮津線西部の天橋立-豊岡間です。経営が厳しいのはこのうち最後に掲げた、天橋立-豊岡間です。廃止されるとしたらこの区間なのでしょう。

 もちろん、赤字の北近畿タンゴ鉄道は京都府、兵庫県や沿線の市町から赤字補てんのためのお金を受け入れています。ただ、2009年度の場合、京都府が約5億円を出しているのに対して、兵庫県はたったの約1000万円。京都府は兵庫県に対して支出の増加を求めていますが、兵庫県は負担の増加には慎重な姿勢を見せています。北近畿タンゴ鉄道は京都府と兵庫県に跨がりますが、大半は京都府内で、兵庫県を通るのは豊岡付近のごく一部だけです。京都府と兵庫県で力の入れかたに差があるのはそこからきているのでしょう。
(参考:日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/news/local/article/g=96958A9C93819890E1E3E2E19A8DE1E3E2E3E0E2E3E39E9693E2E2E2;p=F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2;n=9694E3E4E3E0E0E2E2EBE0E0E4E5;o=F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kyoto/news/20110202-OYT8T00039.htm)

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休暇を全国3つのブロックに分けても意味はない

 以前、春と秋の年2回、全国をいくつかのブロックに分けて休みを分散させるという記事を書きましたが、批判が相次いだこともあり(私もそうなのですが)、新たな動きが出てきました。

 それは、秋(10月)のみを対象に、全国を3つのブロックに分けて、休みを分散させるというもの。春はすでにゴールデンウィークというまとまった休みがあるので、秋だけにしたのです。

 各ブロックとも10月に、土曜日から始まる5日間の連続した休みをとります。ブロックは東日本(福井、三重以東)、南関東(埼玉、千葉、東京、神奈川)、西日本(滋賀、奈良以西)の3つに分けます。それぞれの地域で時期をずらして官公庁、民間企業、学校などが一斉に休みを取るのです。東日本は10月第1週の土曜日から5日間、南関東は10月第2週の土曜日から5日間、西日本は10月第3週の土曜日から5日間の休みです。政府が導入を目指している2012年で考えるとそれぞれ、10月6日、13日、20日からのスタートとなります。秋に連休を設定するため、海の日、敬老の日、体育の日は平日の扱いとなります。

 もちろん、分散して取る休みを年2回から年1回にし、ブロックを5区分から3区分に分けても根本的な解決にはなりません。分けること自体が問題なのです。取手から東京に通勤する人や、名張から大阪に通勤する人のようにブロックを跨ぐ人は、親子で休みが異なります。全国規模で展開する企業だと、本社と支社や工場との間で休みが異なります。大体、官庁も霞が関と全国の出張所との間では休みが異なるのです。

 無理に休みを分散させる必要はありません。祝日にはそれぞれ意義があります。いつでもいい訳ではありません。「ハッピーマンデー」すら、本来の意味を損うものです。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110128/plc11012822190054-n1.htm)

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