北近畿タンゴ鉄道、一部区間廃止か?
福知山と宮津を直結する宮福線と、国鉄路線だった宮津線の2線からなる北近畿タンゴ鉄道は、京都府や兵庫県などが出資する第三セクターです。地元住民の通学輸送を行うのに加えて、天橋立などの著名な観光地が沿線にあるため、京都や大阪から直通の特急列車が乗り入れています(ただし、大阪方面からは3月のダイヤ改正で廃止)。また、JR西日本からの直通の特急列車を受け入れるだけではなく、自社でも特急車両を保有し、京都や大阪に乗り入れています(ただし、大阪方面への乗り入れも3月のダイヤ改正で廃止。これまで大阪直通用だった「タンゴエクスプローラー」は線内特急用に使われます)。
これまでも北近畿タンゴ鉄道は巨額の赤字が続いていました。しかし、これまでその赤字の元は特急車両製造のための減価償却費とされ、さほどの心配はされていませんでした。ところが、2008年度以降、急激に経常赤字が増えました。2009年度の経常赤字は約7.2億円。高速道路の無料化により舞鶴若狭道が全線無料となったため、さらに収益の悪化が予想されます。最悪の場合、一部区間が廃止になることもあるようです。
筆頭株主の京都府は、春に兵庫県や福知山市、豊岡市など沿線7市町の代表と有識者を交えた検討会を発足させ、抜本的な経営改善策を考えていくようです。その中で、赤字額を抑制するために、運転本数の削減や、一部区間の廃止も考えられているようです。今年の9月に一定の結論を出す予定です。
検討会では、北近畿タンゴ鉄道を3つの区間に分けて、現状の分析を行います。電化区間の福知山-宮津-天橋立間、宮津線東部の西舞鶴-宮津間、宮津線西部の天橋立-豊岡間です。経営が厳しいのはこのうち最後に掲げた、天橋立-豊岡間です。廃止されるとしたらこの区間なのでしょう。
もちろん、赤字の北近畿タンゴ鉄道は京都府、兵庫県や沿線の市町から赤字補てんのためのお金を受け入れています。ただ、2009年度の場合、京都府が約5億円を出しているのに対して、兵庫県はたったの約1000万円。京都府は兵庫県に対して支出の増加を求めていますが、兵庫県は負担の増加には慎重な姿勢を見せています。北近畿タンゴ鉄道は京都府と兵庫県に跨がりますが、大半は京都府内で、兵庫県を通るのは豊岡付近のごく一部だけです。京都府と兵庫県で力の入れかたに差があるのはそこからきているのでしょう。
(参考:日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/news/local/article/g=96958A9C93819890E1E3E2E19A8DE1E3E2E3E0E2E3E39E9693E2E2E2;p=F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2;n=9694E3E4E3E0E0E2E2EBE0E0E4E5;o=F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2F2、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kyoto/news/20110202-OYT8T00039.htm)
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