6月1日から京阪でも「ICOCA」販売
関西の私鉄で使えるICカード、「PiTaPa」。ポストペイ(後払い)方式なので、新たにクレジットカードをつくらなければなりません。これが普及へのネックとなっているのが現状です。
そこで以前にもコメント欄で少し触れましたが、京阪(大津線を除く)でも6月1日から、JR西日本が発行するICカード「ICOCA」を販売することにしました。「ICOCA」は「Suica」などほかのICカード同様、プリペイド(前払い)方式なのでクレジットカードをつくる必要なく、駅にお金を持っていけば買うことができます。「PiTaPa」に比べると敷居は極めて低いです。
また、すでに昨年5月8日からJR西日本の駅で京阪との「ICOCA」での連絡定期券を発売していましたが、6月1日からは京阪の駅でも京阪線内(大津線を除く)及びJR西日本との連絡定期券を発売します。
ICカードが普及することにより、鉄道会社としては自動改札機の維持コストが下がるというメリットがあります。切符を高速で読み取り、しかも高速で前方に送る必要はなくなります。ですから、鉄道会社はICカードを普及させようと懸命です。普及させるためには、利用者にICカードによる便利さを実感してもらわないといけません。しかし、「PiTaPa」はクレジットカードという厚い壁があり、しかも個人情報をさらして新しくクレジットカードをつくった割には、メリットが薄いです。大阪市交通局のように1割確実に引いてくれるのならつくる価値もあるのでしょうが、ほとんどの会社の割引は渋いです。
ヘビーユーザーの定期券をICカードにするのも有効な対策です。毎日のように使ってくれ、便利さを実感する度合いが高くなります。こうやってICカードの利用者を増やしていき、最終的には魅力的な「PiTaPa」で顧客の囲い込みを図る。そういう意味でベーシックなカードの「ICOCA」の導入は、むしろ遅きに失したと言えるかもしれません。他社も敷居が高く、魅力的ではない「PiTaPa」にこだわらずに、裾野を広げる施策をとらないといけないでしょう。
(参考:京阪ホームページ http://www.keihan.co.jp/news/data_h23/2011-03-01-4.pdf)
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