JR東海にリニア建設指示が出される(2)
紆余曲折のあった長野でも、「南アルプスルート」で決まりました。県に1か所設けられる駅は飯田市付近にできることになります。飯田市など地元市町村は飯田駅に併設することを望んでいるようですが、市街地の建設はどうしても費用がかかり、飯田線がアクセスとして不十分な現状では、中央道へのアクセスを重要視した立地にしたほうがよいでしょう。
なお、JR東海はリニアの駅を飯田の北側、下伊那郡高森町南東部に考えています。駅をつくるためには、平らな1キロの直線が45メートルの幅で確保できることが求められます。高森町南東部はそれを満たしているようです。以前の記事とは反対の結果となりました。
長野のほかに、リニアのルートを巡って問題になったところがあります。それは奈良。もともとリニアは奈良を通る計画だったのですが、京都府の駅誘致活動に乗るかたちで政治的な思惑もあり、京都を通る案が出てきました。今回の建設指示で、リニアは奈良市付近を通ることが明示され、この問題も解決に向かうことでしょう。ただし、リニアの駅を奈良に置いたとしても、問題があります。リニアの奈良駅は地下が想定され、地元が全額負担する計画である駅の建設費は2200億円に上ります。奈良県にとっても頭の痛い問題です。
そんな中、奈良市の仲川市長は、リニアの駅を学研都市に建設することが望ましいとしています。確かに賢明な話で、古くからの都である奈良を避けることにより、地上に駅を設けることができるかもしれません。大幅な負担の減少につながります。地上駅なら350億円で出来上がります。しかも、京都府に置けば、京都府と共同して負担することになります。先ほどの政治的な話もクリアでき、これで丸く収まればかなりいい話になるかもしれません。
(追記)
JR東海は、6月中に、東京(品川)-名古屋間の中間駅案を沿線各自治体に提示するようです。中間駅は相模原市のJR橋本駅、市川三郷町から中央市にかけて、高森町付近、中津川市のJR中津川駅周辺が有力視されています。地元自治体と調整の後、12月までに設置場所を確定したいようです。
(参考:信毎web http://www.shinmai.co.jp/news/20110531/KT110530ATI090019000.html、毎日jp http://mainichi.jp/area/nara/news/20110528ddlk29020605000c.html、YOMIURI ONLINE http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20110601-OYT1T00893.htm)
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