先日、北陸新幹線金沢開業時に関西と北陸を結ぶ「サンダーバード」が金沢打ち切りとなることがわかりました。関西と富山を一本の列車で行くことができず、金沢での乗り換えを余儀なくされます。しかし、事態は「サンダーバード」に止まらなかったのです。
就任したばかりのJR西日本金沢支社の三浦支社長は、その就任記者会見で、北陸新幹線が金沢まで開業すると、並行在来線には原則として在来線特急を走らせないことを明らかにしました。夜行列車以外の4列車が対象になります。
大阪、名古屋から直通する「サンダーバード」「しらさぎ」は原則として直通運転がなくなり、金沢止まりとなります。金沢からは北陸新幹線か第三セクター(各県ごとに会社が分かれます)に乗り換えないといけません。名古屋からは高山線経由の「ひだ」もありますが、こちらには言及していません。高山線は枝線としての廃止対象になっていないので、直通運転は残るでしょう。貴重な直通列車です。
越後湯沢で上越新幹線からの乗り継ぎを受け、金沢まで走る「はくたか」については、北陸新幹線開業によりその使命を終えると判断され、廃止となるようです。今後、北越急行と「はくたか」の廃止について協議しますが、「はくたか」があるから北越急行は価値があるのであって、「はくたか」がなくなれば非常に経営は厳しくなってしまいます。
金沢以東を走る特急としては、新潟との間を結ぶ「北越」があります。これについても直江津までの運転は終了します。JR東日本として残る直江津以東については未定とのことですが、特急しては残らず、快速「くびき野」になる可能性が高いと考えられます。
糸魚川市では、県庁所在地である新潟への直通列車に反発する声もありますが、「北越」の廃止はやむをえないことでしょう。直江津止まりになることにより、高価な交直流電車を使わなくても済む、というメリットもあります。「北越」用の485系はかなり古いので、何らかの置き換えが図られることでしょう。
そもそも、北陸新幹線を認めたこと自体が誤りだったのです。新潟県にとって北陸新幹線は大したメリットがありません。上越新幹線は枝線化し、北越急行の経営は厳しくなり、新たにできる第三セクターの赤字も問題になります。大阪までの幹となる新幹線ならともかく、単なる金沢までの一地域だけの新幹線ですから、はっきり言って別にできなくてもよいのです。反対に、北陸新幹線ができるのならば、そういう大きなデメリットも受け入れないといけないでしょう。
(追記1)
またJR西日本は、北陸新幹線金沢開業時に、金沢以西の特急の本数が減る可能性があるということを明らかにしています。従来、福井県内から米原経由で首都圏に向かっていた人が北陸新幹線経由になるとみられるためです。米原発着の「しらさぎ」が削減の対象になるのでしょうか?
(追記2)
石井富山県知事は、10月4日に行われた記者会見で、(市民から特急の存続を求める声がタウンミーティングなどで出ていましたが)特急が残ると新幹線の停車本数に影響するという理由から、並行在来線の特急運行は困難だという認識を示しました。
また、金沢止まりとなると考えられる「サンダーバード」については、金沢駅での乗り換えを問題視し、北陸新幹線の大阪までの延長を国に求めるようです。
(参考:日本経済新聞ホームページ http://www.nikkei.com/news/local/article/g=96958A9C93819890E2E6E2E1998DE2E6E2E5E0E2E3E39E90E2E2E2E2;n=9694E3E4E3E0E0E2E2EBE0E0E4E4、毎日jp http://mainichi.jp/area/niigata/news/20110706ddlk15020174000c.html、http://mainichi.jp/area/toyama/news/20111005ddlk16020568000c.html、福井新聞ホームページ http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/railway/29080.html)
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