トラックの東北地方高速道路無料化、8月末で廃止
6月20日から行われた東北地方の高速道路無料化。トラックなどの中型車以上は、被災者とは関係なく、すべての車が対象です。発着地点のいずれかが東北地方の無料区間にあれば、すべての区間が無料になります。料金所を通らないように経路さえ工夫すれば、鹿児島まで無料なのです。
トラックなどの中型車以上をすべて無料としたのは、被災地への物資輸送のため。しかし、出てきたのは、被災地とは何の関係もない車。国交省が7月に調査したところによると、無料区間の南端にあたる常磐道水戸インターを利用したトラックのうち14%が、悪用の疑いがあるとされています。そういうトラックには大畠国交相の苦言が通用するわけなく、ついに今月末で廃止になる方向です。もともとこの措置は8月までの措置でしたから(ETC改修の話はどうなったのでしょうか?)、その通りと言えばその通りですが(ただし、国交相は期間を延長するつもりだったようです)、後味の悪いものですね。
ただし、9月以降も被災者向けのものはそのまま残ります。トラックなどの中型車以上でも、被災証明書等があれば、これまで通り無料になります。被災証明書は乱発されていますので、安心はできません。
このような悪用や乱発が横行するのは、しっかりとした制度設計を行わず、ただ次の選挙だけを考えているからです。ばら撒けば、次の選挙で安泰と考えているのでしょう。次の世代は全く考えていません。お金に余裕があればともかく、ばら撒きできる余裕はどこにもありません。それなのに、できもしないマニフェストを掲げたり、減税などの甘い言葉を囁いたりする政治家(選挙屋、政局屋)が横行しています。負担増の覚悟ができていないのは政治家だけです。
(追記)
国交省は24日、トラックの東北地方無料化廃止を正式に発表しました。
本文にも書きましたように、9月以降も被災者向けのものは残ります。被災証明書等があれば無料です。しかし、被災証明書は乱発されていますので、24日の池口国交省副大臣の話によれば、被災の程度によって差をつけるかどうか考えているようです。
(参考:47NEWS http://www.47news.jp/CN/201108/CN2011081901000346.html、時事ドットコム http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2011081900343&j4、朝日新聞8月24日朝刊 中部14版)
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