「京とれいん」と京阪8000系(1)
かつては看板車両を引っ提げて、国鉄・JRに対抗していた阪急だが、スピードの差は如何ともしがたく、「全面敗北」というかたちになってしまった。京阪間ノンストップだった特急の停車駅はやたらと増え、一昔前の急行みたいになり、車両も一時はロングシートが走るようになった。
その情けない事態を打開するために投入されたのが、「京とれいん」。嵐山線向けを除いて引退したはずの6300系(かつての特急用車両)をリニューアルして投入したのである。「京とれいん」は1編成しかないため、休日に快速特急として京阪間を4往復するのみ。貴重な存在である。
「京とれいん」の中で、ひときわ光るのが、中ほどの3・4号車。元からある転換クロスシートではなく、2人用と4人用のボックスシートが並んでいる。椅子は京都らしく、畳の上にクッションが載っている。扉付近も大きく変わり、京都らしい雰囲気を醸し出している。「京とれいん」に乗るなら、やはりここだ。確実に乗るため、梅田発車の30分前に着いたが、花火でもないのに夕方近くになって京都に遊びに行く人は少ない。15:52の発車10分前まで、誰も来なかった。当然、座席も楽々確保。
特急の後を追って、「京とれいん」は発車。発車10分前から乗客が集まり、さすがにボックスは大体埋まっている。大阪市内は十三、淡路とこまめに停まる。
本領を発揮するのは、淡路を出てから。次の停車駅は、京都市内に入った、桂。往年の特急停車駅とは違うが、確かに京阪間ノンストップなのだ。日本語、英語のほかに韓国語、中国語の4か国語で、観光アナウンスが流れる。それでも時間は余る。モーターの音がするだけの、静寂な時が流れる。かつての特急でも、このような時は流れたのであろうか?
桂で嵐山に行く客ではなく、梅田で買い物をしたであろう客を降ろし、2分前に梅田を出た特急を抜かさないまま終点河原町へ。河原町まで43分もかかってしまうのだが、下手に特急を抜かすと利用者が「京とれいん」に集中してしまう。このまま後を追って走るのがいいのであろう。乗換えのため地上に出ると、激しい雨が降っていた。西院で地下に入ったときはそのような様子はなかったが。(続く)
| Permalink | 0
「鉄道」カテゴリの記事
- ひたちなか海浜鉄道は2段階で延伸か?(2023.12.05)
「阪急」カテゴリの記事
- 阪急、阪神もクレジットカードのタッチ決済(2023.11.26)
- 阪急、座席指定サービス対応の車両を導入(2023.10.07)
- 阪急から南海、JRに乗り入れるのは急行(2023.08.17)
- 南海、新大阪へは阪急にも乗り入れ(2023.08.02)
Comments