吹田、尼崎、灘駅に折り返し設備新設
複々線の線路を駆使して、ライバル私鉄を圧倒するJR西日本のJR京都線、JR神戸線。看板列車の新快速が東は北陸の敦賀、西は播州赤穂まで走ります。
しかし、いったん事故などでダイヤが乱れると、その影響は大きくなります。新快速などが大阪駅から遠いところまで走っているからです。JR西日本によれば、運休や30分以上の遅れが出るトラブルが年間約300件起きています。
そこでJR西日本は、ダイヤの乱れが影響する範囲を小さくするため、吹田、尼崎、灘の3駅に折り返し設備をつくります。投資額は約17億円です。完成時期はそれぞれ、尼崎が2012年1月、吹田が同じく2月、灘が3月です。吹田、灘には上り線(米原方面)から下り線(姫路方面)に移動できる、渡り線をそれぞれ2本設けます(吹田には国鉄時代、普通の折り返しが多数あり、引き上げ線があるのですが、普通電車用なので長さが足らないのでしょうか?)。尼崎では12両編成でも下り線から上り線に折り返すことができるように、引き上げ線を延長します。
これらの折り返し設備が完成したらどうなるのでしょうか? 京都-吹田間で事故があれば、半数の普通は吹田で折り返すことができます(残りの半数は大阪折り返し)。快速は新大阪まで旅客運転し、吹田-新大阪間は回送、吹田で折り返します。新快速も大阪以西で運転することができます。つまり、大阪駅までは通常の輸送ができるのです。これまでは、快速と普通が大阪駅で折り返すだけで、新快速は運休していました。
尼崎は反対に、尼崎-西明石間で事故があっても、新快速が大阪駅まで運転できるようになります。灘は、大阪-灘間で事故があっても、姫路方面から三ノ宮への輸送がある程度はできるようにするためのもの。これまでは、すべての電車が大阪-西明石間で運休せざるを得なかったケースでも、普通だけは灘-西明石間での運転ができます。ところで、2016年度に新設されるというまや駅(仮称)にも、折り返し設備の話はありますが、これは灘駅のことを指しているのでしょうか?
(参考:JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2011/09/page_721.html、神戸新聞NEXT http://www.kobe-np.co.jp/news/keizai/0004468476.shtml、毎日jp http://mainichi.jp/area/osaka/news/20110915ddlk27020380000c.html)
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Comments
よく事情が分からんのに軽々しく言うのはよくありませんが、それでも言いたい。
「今までなかったんかい!!」
あれだけ長距離の高速鉄道網が年300回も運休・30分以上の遅れが出ていると毎年17億円くらいの(社会的)損失は蒙ってそうですが。
Posted by: 日置りん | 2011.09.17 10:47 AM
日置りん さん、おはようございます。
* よく事情が分からんのに軽々しく言うのはよくありませんが、
今までも折り返し設備はありましたが、普通電車しか使えないところもあります。そういう意味では、能力は低かったです。
* あれだけ長距離の高速鉄道網が年300回も運休・
運休や遅れが全くなくなることはないでしょうが、ある程度の効果はあるでしょう。
Posted by: たべちゃん | 2011.09.18 06:22 AM