JR四国、高松駅と坂出駅にICカード設置
JR6社で唯一、未だにICカードが導入されていないJR四国。2014年度までに導入する予定です。
ところがそのJR四国の高松駅、坂出駅において、今年度中にJR西日本のICカード「ICOCA」を使うことができる改札機を設置します。しかも数千万円ともいわれる設置費用は、JR西日本が払います。
高松駅と坂出駅にICカード対応の改札機を置く理由は、両駅は関西方面からのビジネスマンや観光客が多く利用するからです。岡山も橋を渡ればすぐなので、通勤・通学客も多いです。本格導入の前に、両駅で導入するのは望ましい話でしょう。他社エリアにまたがって利用できるようになるのは、下関に続くものです。
ICカードの導入にはシステムの変更や改札の設置費用に数百億円かかりますが、これは独立行政法人鉄道・運輸機構から資金調達することになります。ほかのJR5社や主要私鉄と共通で使えるものにしたいようです。
さて、四国でも私鉄はすでにICカードを導入しています。そちらはどうでしょうか? 高松琴平電気鉄道は、「IruCa」を21万枚発行しています。「IruCa」は技術的にはJRや私鉄の主要カードと同じで、相互利用できますが、問題はシステム改修にかかる費用。数十億円かかります。そこで、高松琴平電気鉄道は、システム改修費が数億円で済む香川県内のみ相互利用できる方向で考えているようです。
これに対して、土佐電気鉄道(高知県内の鉄道・バス5社で利用できる「ですか」を7万枚発行)や伊予鉄道(「い~カード」を48万枚発行)は、規格がJRや主要私鉄と違い、独特の割引制度を導入していることもあり、JRなどとの相互利用は考えていないようです。乗車ポイントを貯めて割引を受ける「ですか」と、直接約10%割引する「い~カード」も割引方法が違うため、相互利用はできません。
(追記1)
9月26日、JR西日本・JR四国から高松、坂出両駅の「ICOCA」導入について正式な発表がありました。
高松、坂出の両駅に「ICOCA」専用の改札機を置き、JR西日本の岡山地区の「ICOCA」エリア内の駅との間で利用できるようになります。両駅では「ICOCA」を販売せず、両駅を区間に含む「ICOCA定期券」も発売されません。
高松、坂出両駅の「ICOCA」導入は2012年春を予定しています。
(追記2)
JR四国は2014年春以降に「ICOCA」を使用できる駅を増やす方針のようです。対象となるのは予讃線高松-多度津間及び瀬戸大橋線児島-宇多津間にある13駅です。「ICOCA」の販売なども行います。
確かに各駅にICカードを置いてもペイできるのは高松近郊ぐらいでしょうから、JR西日本のシステムをそのまま使うのは合理的な判断かもしれません。
(参考:asahi.com http://mytown.asahi.com/ehime/news.php?k_id=39000151108310004、JR西日本ホームページ http://www.westjr.co.jp/press/article/2011/09/page_771.html、四国新聞社ホームページ http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/economy/20120207000159、JR四国ホームページ http://www.jr-shikoku.co.jp/03_news/press/12-07-30/01.htm)
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