北陸新幹線敦賀以西、年内にもルートを決定へ
北陸新幹線の最大の課題はどうやって大阪までつなげるかということ。現在未着工である金沢以西を着工するときには、敦賀以西のルートの明確化が条件とされています。
北陸新幹線敦賀以西については、3つのルートが考えられています。敦賀と米原を結び米原で東海道新幹線に乗り入れる「米原ルート」、琵琶湖沿岸を走り京都に行く「湖西ルート」、若狭を通って直接新大阪に行く「若狭ルート」です。いずれも一長一短があり、単純に優劣が付けられるわけではありません。しかし、このままでいいわけではありません。関西の府県からなる関西広域連合では、これまで北陸新幹線敦賀以西のルートをどれにするか検討していましたが、予算案が固まる年内にもルートについての意見をまとめ、一本化する考えです。関西広域連合のトップを務める井戸兵庫県知事が17日、大阪市内で北陸新幹線の関係自治体が加盟する建設促進同盟の会長を務める石井富山県知事と会談し、その意思を明らかにしました。石井知事も関西広域連合のこのような動きを歓迎しています。
しかし、解せないのが福井県の態度。福井県は敦賀以西のルートについて国が決めることとし、意思表示をしていません。大阪までの見込みが立たない限り、北陸新幹線は新規着工されないのに。
(追記1)
関西広域連合が、敦賀以西のルートについて結論を出す期限は、2013年3月に伸びたようです(その後、国やJR西日本に提案します)。また、このときには、終着駅を新大阪にするか大阪にするかも併せて検討します。
(追記2)
京都府は、北陸新幹線敦賀以西で検討されている3ルートについて、ルート別に建設費や時間短縮効果を試算しました(ただし、参考とした論文は2002年にまとめたものです)。
これによりますと、「米原ルート」は建設距離が46キロと短いため建設費は3309億円と最も安いのですが、敦賀-新大阪間の時間短縮効果は12~22分にとどまります。「若狭ルート」は距離が128キロと長いため建設費は9229億円しますが、所要時間は36分短縮します。「湖西ルート」は距離が94キロのため建設費も時間短縮効果も中位でそれぞれ6768億円、28分です。
政府の整備方針では、北陸新幹線敦賀以西は2036年ごろ着工し、2046年ごろに開通するとされていますが、フリーゲージトレインの導入により打ち切られてしまう危険性もあります。ただ、基本的にはフリーゲージトレインはつなぎのものであり、全線開通が望ましいでしょう。
(参考:asahi.com http://mytown.asahi.com/fukui/news.php?k_id=19000001110180001、京都新聞ホームページ http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20120304000009、http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20120603000017)
| Permalink | 0
「鉄道」カテゴリの記事
- 「WESTERポイント全線フリーきっぷ」の旅(0)(2024.09.16)
- 「WESTERポイント全線フリーきっぷ」の旅(2)(2024.09.18)
「整備新幹線」カテゴリの記事
- 函館線余市-小樽間の代替バスは1日125本(2024.09.08)
- 北海道新幹線、開業は6年遅れか?(2024.08.25)
- 北陸新幹線敦賀-新大阪間の3ルートを比較する(2024.08.12)
- 北陸新幹線敦賀-新大阪間のルートは京都付近の経路によって変わる(2024.08.08)
- リニアの駅がコンサートホールに?(2024.08.06)
Comments
やっぱり福井県は福井まで来れば後はどうでもいいんですかね。
原発カード以前に、福井〜大阪は現状でも2時間未満・名古屋までは2時間10分台ですし、敦賀以西は事業仕分けで潰されてもいいと思ってたりして?
まさか口にはできないでしょうから「国が決める」と言って頬被り…。
さすがに事業仕分けが敦賀以西で止まるとは思ってないでしょう?から、事業仕分けそのものがグダグダになる…この隙に敦賀、いや福井までの着工を狙うつもりかも知れませんね。
なんか書いててますます福井県の腹が分からなくなってきました。
Posted by: 日置りん | 2011.10.20 07:43 AM
日置りん さん、おはようございます。
* やっぱり福井県は福井まで来れば
本音ではそうなのでしょう。当然ながら東京や他県では理解されません。
新大阪までのルートを明確化させることが、福井に新幹線を通す近道なのです。
Posted by: たべちゃん | 2011.10.22 07:42 AM