可部線が復活するかは不透明に
2003年の廃止から奇跡の復活を遂げようとしていた可部線可部-河戸間。しかし、この区間の復活に暗雲が立ち込めています。
その大きな原因は、踏切。復活する区間には廃止前、6か所の踏切がありました。今回のように復活する際は新規に線路をつくったとみなされ、国は踏切の設置を原則認めない方向です(あくまで問題となるのは新規に線路をつくった場合だけで、既存のものについては「開かずの踏切」が大量に残っています)。これに対して広島市は、踏切を残す方向で考えていたようです。
6月の段階では、JR西日本は、新駅舎を市が保有するなどの調整がつき、採算性の見通しも立っているとして、9月までに(復活の)合意の可能性が高いとしていました。しかし、踏切の取り扱いなど(ほかの問題としては、鉄橋やレールの耐久性、耐震性があります)で市との協議に時間がかかっているとして、事業化の最終判断を先送りしています。踏切については立体交差させるか、閉鎖するか、暫定的に残すか結論がついていないようです。
確かに踏切の存在は危険で、ないに越したことはありません。とは言っても、既存の「開かずの踏切」が大量に残っている以上、新設路線だけを問題にしても意味がないのも事実です。特急が頻繁に通ったり、普通でも本数が多い路線ならともかく、普通列車が1~2時間に1本しか来ない第三セクタークラスで高架が続くのも滑稽な話です。交通量が多い道路なら立体交差化もいずれはいるでしょうが、何とかうまく話を進めて、復活にこぎつけてもらいたいものです。
(追記1)
広島市の松井市長は1月31日の定例記者会見で、2011年度中の着工が困難であることを明らかにしました。踏切の設置について、一部は設置される見通しになりましたが、地元住民やJR西日本などと調整が続いているためです。
(追記2)
広島市は、仮に踏切が復活できない場合、歩行者や自転車が通ることのできる地下通路(長さ100~120メートル)を設置することも考えているようです。
地元としては踏切が復活するのがベストでしょう。地下通路が踏切よりも不便であることは確かかもしれません(ただ、公の場で踏切以外のところを横切ると堂々と言うのには、首をかしげますが。廃止前の可部線はめったに列車が通らなかったのでそういうことがよくあったという背景があるのでしょうが、表で言うことではありません)。しかし、踏切の復活が難しければ、次善の策としての地下通路はやむを得ないでしょう。
(参考:中国新聞ホームページ http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201109080129.html、http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201202060024.html、毎日jp http://mainichi.jp/area/hiroshima/news/20120201ddlk34040689000c.html)
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