常磐線原ノ町-相馬間、年内にも復旧
東日本大震災で大きな被害を受けた、常磐線。この記事を書いている10月23日現在、上野-いわき間は特急、普通とも通常ダイヤで運転しています。しかし、いわき-広野間(広野までは10月10日に運転再開)と亘理-岩沼間は普通のみの特別ダイヤで運転、原ノ町-亘理間はバス代行で運転されています。広野-原ノ町間は原発事故の影響により、運転再開もバス代行輸送もありません。
ところが、JR東日本は、バス代行区間の一部、原ノ町-相馬間について、年内にも運転再開の見込みであることを発表しました。ただし、相馬以北はまだバス代行が続くため(相馬-亘理間については後で述べます)、車両の検査設備が必要となります。新たに原ノ町運輸区内に検査設備を設置します。車両については原ノ町-相馬間に残っている車両を使えばいいかもしれません。しかし、検査期限の関係でしょうか、そのまま使う訳にはいかないようです。そこで、新たに701系6両を搬入します。相馬以北が復旧するまで大掛かりな検査の必要のない車両なのでしょう。
さて、相馬以北についていえば、以前にも書きましたように内陸部に移設することを考えています。12日、JR東日本仙台支社の相沢企画部長など3人が山元町議会の特別委員会に出席して述べたところによれば、常磐線は用地買収後3年で復旧できるようです。山元町が同日示した震災復興計画案によれば、2011年度末にも用地買収に着手し、2012年度中に着工、早ければ2015年度末の開通を見込んでいます。用地買収については、JR東日本は山元町に地権者との交渉などの代行を要請しています。
議員からは現ルートで暫定復旧させて、その後に新ルートに移設することを求める意見も出ました。しかし、JRとしては二重投資になり、しかも、現ルートでも津波対策として線路のかさ上げが必要であります。結局、内陸部に移設する場合と同じぐらいの工期が必要であるとして、否定的な考えを示しています。
(追記)
常磐線原ノ町-相馬間は、12月21日に復旧します。これまでバスで55分かかっていた区間が20分(最速の場合)に短縮されます。運行本数もバスのときの9往復から、ほぼ倍の17.5往復になります。当面の間は徐行運転しますが、2012年1月10日からは震災前のスピードで走るようになり、最速で17分になります。
(参考:河北新報 http://www.kahoku.co.jp/news/2011/10/20111013t13027.htm、JR東日本ホームページ http://www.jrmito.com/press/111021/20111021_press05.pdf、http://www.jrmito.com/press/111214/20111214_press03.pdf)
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