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「トレイン・オン・トレイン」、国交省も予算要求へ

 2015年度末に北海道新幹線新青森-新函館間が開業すると、青函トンネルなどは新幹線と在来線が共用することになります。その長さは、82キロ。新青森-新函館間が149キロなので、約55%にも及びます。

 これだけの長さを、新幹線は時速260キロで、在来線は時速140キロで走ると、在来線車両に新幹線車両が追い付いてしまいます。新幹線が1時間に1本程度ならこれでもよいでしょうが、新幹線が札幌まで伸びて本数が増えると、とてもそんなことはできません。新幹線と在来線を分けるために新たなトンネルを掘ることができたらベストでしょうが、いくらお金があっても足りません。新幹線のスピードを在来線並みに落とせば容量の問題は解決しますが(新幹線と貨物列車が擦れ違うときの風圧を問題として、新幹線のスピードダウンを主張する人もいます)、ただでさえ盛岡以北が時速260キロに抑えられている新幹線がさらに遅くなり、東京-新函館間でさえも4時間以上かかってしまいます。新函館が函館からかなり離れていることを考えると、航空機との競争にかなり不利になります。ここ青函トンネルが北海道新幹線の課題のひとつです。

 そこで考え出されたのは、新幹線の専用貨車の中に、在来線の貨物列車を載せて走る、「トレイン・オン・トレイン」。2005年度からJR北海道が開発に乗り出し、2010年度からはJR貨物と共同で開発しています。国交省も、来年度予算で効果などを測るために1000万円の調査費を要求しています。車両の開発費は以前にも書いたように、約70億円の見込みですが、実用化すれば、1000億円以上かかるともいわれています。
(参考:asahi.com http://www.asahi.com/business/update/1014/TKY201110140521.html)

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Comments

>車両の開発費は以前にも書いたように、約70億円の見込みですが、実用化すれば、1000億円以上かかるともいわれています

最悪、トレイン・オン・トレインがうまくいかなかった場合は、貨物輸送用に連絡船を復活させ、青函トンネルは新幹線専用にするしかないでしょう。

Posted by: かにうさぎ | 2011.10.23 09:41 AM

トレイン・オン・トレインができれば新幹線で貨物列車の走行が可能になりますが、将来的なダイヤからみて問題なく走れそうなのは高崎〜新潟・熊本〜川内くらいでしょうか?
三国峠越え(ずれてる!というツッコミはなしで)は上越新幹線の活性化に役立つでしょうし、まさか今回の震災の後で上越線廃止はないでしょうが、九州の方はどの程度意義を見いだせるものやら?

地図を見直したら越後湯沢〜新潟じゃないと、高崎の分岐点がやっぱりきついですね。

Posted by: 日置りん | 2011.10.23 12:59 PM

 かにうさぎさん、おはようございます。

* 最悪、トレイン・オン・トレインがうまくいかなかった場合は、

 今さら連絡船はないでしょう。不本意ですが、新幹線のスピードを落として、貨物と両立するだけです。

Posted by: たべちゃん | 2011.10.24 04:53 AM

 日置りん さん、おはようございます。

* トレイン・オン・トレインができれば

 「トレイン・オン・トレイン」は、目的地が離れている場合に成立します。九州新幹線のように、一方の目的地が近いと、八代あたりでトラックに積み替えたほうが簡単でしょうね。

Posted by: たべちゃん | 2011.10.24 04:56 AM

もう一つの方法は、トンネル内に待避線を建設できないかということ。
吉岡海底・竜飛海底駅の2か所に待避線を作れば解決しそうです。

そもそも、新幹線と貨物が同じ線路を走れば、こうなることは最初からわかっていたはずです。

なぜ、最初から待避線を作っておかなかったのかと思う。
 

Posted by: かにうさぎ | 2011.10.25 09:32 PM

 かにうさぎさん、おはようございます。

* もう一つの方法は、トンネル内に

 どうやら、そのような計画もなさそうですね。

 「トレイン・オン・トレイン」にしても、新幹線のスピードを落とす方法にしても、新幹線と貨物列車のスピード差は小さくなりますから、トンネル内に待避線がなくても何とかなるのでしょう。

Posted by: たべちゃん | 2011.10.27 04:56 AM

JR北海道としては本音は函館-札幌間も貨物は全部トレインオントレインにして北海道新幹線を走らせたいのでは?

そうすれば木古内-函館-長万部-俱知安-小樽の在来線は全廃できますしね。ひょっとしたら長万部-東室蘭間もJRは廃止したいかも・・・

在来線派として個人的には「果たしてそれで良いのか?」とも思いますが、貨物のために並行在来線を残しても赤字が増えるばかりのような気がします。人口密度も低いですし、今後高速道路も延びますしね。

ただその場合、トレインオントレイン200kmと北海道新幹線260km(将来は360km?)の時速の差は気になります。カシオペアもなくなりそうで残念・・・

Posted by: miyahara | 2011.10.27 06:12 PM

 miyaharaさん、おはようございます。

* そうすれば木古内-函館-長万部-俱知安-小樽の在来線は全廃できますしね。

 確かに貨物がなければ、鉄道の存在意義はないでしょうね。もっとも、JR北海道の場合は、すでに鉄道としての存在意義のないローカル線がゴロゴロしていますが。

* カシオペアもなくなりそうで残念・・・

 このあたりは残してもらいたいところですね。青函トンネル区間を「トレイン・オン・トレイン」で夜行列車ごと運んでもらいましょうか?

Posted by: たべちゃん | 2011.10.28 04:59 AM

>今さら連絡船はないでしょう。不本意ですが、新幹線のスピードを落として、貨物と両立するだけです。

そうは言い切れないでしょう。北海道は、木古内-五稜郭間の在来線をバス転換する方針です。
つまり、在来線貨物は廃止ということです。

http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000001110280002

Posted by: かにうさぎ | 2011.10.31 10:23 PM

 かにうさぎさん、おはようございます。

* 北海道は、木古内-五稜郭間の在来線をバス転換する方針です。

 別記事で書きましたので、そちらを御覧ください。

 話は変わりますが、コメントもかなり増えてきましたので、今日の23:59で締め切りとさせていただきます。御了承ください。

Posted by: たべちゃん | 2011.11.02 04:58 AM

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Tracked on 2011.10.31 10:20 PM

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