岩泉線運行再開の可否は今年度中に判断
2010年7月の脱線事故(列車が線路内に崩れ落ちた土砂に乗りあげた)以降、運休が続いているJR東日本の岩泉線。バスによる代行運転が続いています。
JR東日本は早速事故直後の2010年8月から岩泉線土砂崩落災害原因調査検討委員会(委員11人、非公開)を設置し、岩泉線の安全性評価のため、斜面136か所で地質調査を進めてきました。12月9日がその委員会の最終回だったのですが、調査の結果、事故現場と同じように、大規模な岩盤崩落が起きる恐れのある斜面が23か所、そのうち12か所は新たな割れ目が発生するなど、特に危険性が高いことが分かりました。それを受けて、JR東日本の内田設備部長は、岩泉線運行再開の可否は今年度中に行うことを明らかにしました。
そもそも岩泉線は名松線と同じように国鉄当時から利用者が極めて少なく、分割民営化時に廃止の対象になりました。しかし、並行する道路が未整備のため(岩泉線は今なお未整備)、廃止を免れたのです。とっくに鉄道としての使命を失っていたのに、並行する道路が整備されていないため存続すること自体おかしな話ですが(どうしても存続したければ地元で第三セクターを運営すればよい)、そのおかしな話が分割民営化後も25年近く続いているのです。そもそもJRは株式を公開している、純粋な民間会社です。将来性のない路線を維持しようとは思いません。廃止できなければ、赤字額を抑えるように数える程度の本数でお茶を濁す、消極的な運営を続けるだけです。運営するJRも、利用者も、不幸な話です。
技術的には復旧させることができるかもしれません。しかし、岩泉線が鉄道として運行するだけのある路線ではありません。鉄道が廃止になっても、JR東日本を責められません。地元自治体がお金を出すならともかく、冷静な判断が求められます。
(参考:岩手日報ホームページ http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20111210_2)
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