福知山線脱線事故で起訴された前社長、無罪確定へ
2005年4月に起きた福知山線脱線事故で、JR西日本の山崎前社長は業務上過失致死罪に問われました。しかし、11日の神戸地裁の判決では、事件の予測可能性はなかったと判断され、無罪となりました。検察の主張はほぼ全面的に退けられたのです。
この判決に対して、検察当局は24日、控訴しない方針を固めました。神戸地検、大阪高裁では控訴すべきという意見が強かったようですが、最高検はこの判決を覆すのは困難だとして、控訴の断念を最終決定しました。控訴期限を過ぎる26日午前0時に無罪は確定します。もちろんこれは、後に起訴された井出元相談役など3人の裁判にも影響するでしょう。
遺族団体(一部?)やマスコミにとっては不満な判決でしょうが、(無罪判決は)妥当な内容でしょう。刑事裁判で、個人としての責任を追及できるのは、事故を起こした運転士ぐらいです。それ以外の上司の責任を追及するのは、具体的な関連性がない限り、難しいです。今回は「事故が起こるかもしれない」とあまりにも責任が抽象的で、カーブに対するATSの設置も、当時の法令を満たしている限りは違法ではありません。マスコミにとって、官公庁や(マスコミ以外の)大企業の不祥事は蜜の味でしょうが、マスコミの大好きな感情論で有罪にできるものではありません。そもそも、起訴することが妥当だったかが疑われるような事案だったとも言えます。マスコミの執拗なバッシングで、一部の遺族団体を過熱させ、検察も起訴に追い込まれたのではないでしょうか?
もちろん、JR西日本に何の責任もないかと言えば、そうではありません。損害賠償というかたちで、金銭で責任を負うことになります。もっともこれも、妥当な金額があるのであって、一部の遺族団体が主張するような言い値が通るような話ではありません。
(参考:47news http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012012401002329.html)
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Comments
たべちゃんさんへ;今晩は。
法令に違反して居なければ、罪に問えないと言う事ですね。
Posted by: パノラマハイパー | 2012.01.26 12:35 AM
パノラマハイパーさん、おはようございます。
* 法令に違反して居なければ、
当たり前と言えば当たり前なのですが、そうなのです。
Posted by: たべちゃん | 2012.01.26 04:56 AM
>もちろん、JR西日本に何の責任もないかと言えば、そうではありません。
この事故であぶり出されたのは、JRの保安施設が大手私鉄に比して遅れていたことです。
ATS-P型は、大手では当たり前になっていたのに、JRでは未だに旧式ATSが使用されていた。
JRでは、スピードアップ等の施策は取られたものの、それを支える保安面の施設が遅れていたということです。
これだけの大事故を引き起こす背景には、様々な要因がある。単に運転士の過失・素質に帰すべき問題ではありません。JRという組織の体質が批判されるのは当然のことです。
その一方で、最近、JRでは、やたらとダイヤの乱れが多くなっている。人身事故や踏切の無謀横断発生時でも、私鉄では、比較的簡単に再開しているのに、安全確認の手順が複雑になって、なかなか運転再開できない。
結局、JRは安全管理の人的・システム的技術の低いから、異常時には何でもかんでも列車を止めるということでしか対応できないのではないかと思う。
Posted by: かにうさぎ | 2012.02.01 12:07 AM
かにうさぎさん、おはようございます。
* この事故であぶり出されたのは、JRの保安施設が
幹線にはそれに対応する保安技術が必要ですね。
そういう投資はどんどん進めてもらいたいものです。
* その一方で、最近、JRでは、やたらとダイヤの乱れが
そのあたりの手続きがかなり厳格になっているのでしょう。
Posted by: たべちゃん | 2012.02.01 05:08 AM