橋下市長、「敬老パス」見直しのベースにあるもの
次々と改革を打ち出している、大阪市の橋下市長。以前の記事でも少し触れましたが、「敬老パス」の見直しを行おうとしています。
「敬老パス」は70歳以上の全市民に無償で支給しているもの。市営の地下鉄、バスに乗り放題です。かかる市の負担は2011年度当初予算で約84億円。しかも、高齢化に伴うその額は増加します。団塊の世代が70歳を迎える2018年度には100億円を超えると想定されています。
「敬老パス」はタダで地下鉄、バスに乗ることのできる高齢者には人気が高いです。しかし、財政難の現状ではこのまま放置するわけにはいきません。前任の平松市長も、年間8万円の上限設定や年間3000円の一部負担を盛り込んだ見直しを提案したことがありましたが、市議会の反発により実現しませんでした。
この厳しい見直しに、橋下市長は取り組んでいます。「敬老パス」そのものを廃止することはありませんが、一部負担や上限設定を行います。橋下市長の考えのベースにあるものは、高齢者世代に偏っているサービスの見直し。高齢者世代に偏っているサービスを見直し、現役世代に振り向けることによって、現実にお金を稼いでいる現役世代を強化しようとしています。現役世代が稼ぐようになって初めて、高齢者世代を支えることができるのです。今のままでは、過大な高齢者サービスによって、現役世代も高齢者世代も共倒れになってしまいます。まさにその通りで、今希少価値があるのは、高齢者ではなく、子供なのです。その子供を育てている現役世代こそ重点的に支援しないといけないでしょう。
前任の平松市長もうまくいかなかったように、いくら偏っている高齢者サービスでも、反対勢力が強く、なかなか見直しが進みません。しかし、高齢者の持つ票目当てに、目先の選挙で当選するために、高齢者に甘い政策を続けることはできません。「敬老パス」に限らず、あらゆる分野において、過大な高齢者サービスを見直し、将来的にも持続可能なものにしないといけないでしょう。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/120105/waf12010521500025-n1.htm)
| Permalink | 0
「鉄道」カテゴリの記事
- 中央線のグリーン車は10月13日から(2024.09.11)
- 小田急、新型「ロマンスカー」投入(2024.09.10)
「大阪市高速電気軌道」カテゴリの記事
- Osaka Metroと北大阪急行、乗継割引を拡大(2024.07.21)
- 中央線の支線は15分間隔で線内折り返し(2024.07.05)
- 箕面萱野に行ってきました(2)(2024.05.08)
- 箕面萱野に行ってきました(1)(2024.05.07)
- 箕面萱野に行ってきました(0)(2024.05.06)
「バス」カテゴリの記事
- 函館線余市-小樽間の代替バスは1日125本(2024.09.08)
- 日田彦山線BRTの利用者の6割は観光客(2024.09.07)
- 札幌に水素バス(2024.09.01)
Comments
私も何らかの形で制限を設けたりするのは賛成なのですが、市長になった時には存続する旨を発言していただけに、一部からは公約違反という声が上がりそうな感じですね。
Posted by: うえしょう | 2012.01.12 12:39 AM
うえしょう さん、おはようございます。
* 市長になった時には存続する旨を
確かに、「敬老パス」には手をつけずに存続する、とも読み取れるような発言をしていましたね。既得権の高齢者からは反発があるかもしれないですが、望ましい方向の変化です。
Posted by: たべちゃん | 2012.01.12 05:23 AM
守口市や八尾市、吹田市、堺市の高齢者が最寄りの駅から大阪市営地下鉄に乗りたい時にも敬老パスが発行されているならまだしも、大阪市の高齢者にだけしか発行されていないのであれば、改めたほうがよいのでは。70歳以上の高齢者は誰でも小学生と同じ小人運賃にするなど、もっと単純にした方がよい。
Posted by: OSA | 2012.01.13 12:47 AM
OSAさん、おはようございます。
* 守口市や八尾市、吹田市、堺市の
大阪市営のため、沿線住民でも大阪市外に住んでいれば、「敬老パス」はもらえないですね。当たり前と言えばそうかもしれないですが。
Posted by: たべちゃん | 2012.01.13 04:48 AM
たべちゃんさん、おはようございます。
敬老パスの見直しですが、30代後半の「かずちゃん2012」も必要であると思います。
理由と趣旨はほぼたべちゃんさんの述べたとおりだと思います。
>高齢者世代に偏っているサービスを見直し、現役世代に振り向けることによって、現実にお金を稼いでいる現役世代を強化しようとしています。現役世代が稼ぐようになって初めて、高齢者世代を支えることができるのです。
敬老パス制度もそのような理念のもと、制度が実施されて長期間たちますが、現役世代も含めた税負担があっての制度です。現役世代も含めて、均等に割引できる制度に改変したほうがいいと思います。
Posted by: かずちゃん2012 | 2012.01.14 11:34 AM
かずちゃん2012 さん、おはようございます。
* 現役世代も含めた税負担があっての制度です。
高齢化の進展により、支える現役世代が相対的に減りました。今後はさらにその状況が強まるので、そのまま続けるわけにはいかないですね。
Posted by: たべちゃん | 2012.01.15 08:09 AM