JR奈良線、京都-城陽間複線化へ
京都と奈良を結ぶ奈良線。国鉄時代は並行する近鉄に完全に負け、話にもならない状態でした。しかし、国鉄末期に行われた電化、JRになってから行われた快速の運転と一部複線化(京都-JR藤森、宇治-新田間。合計8.2キロ)で、ある程度の競争力を持つようになりました。現在の昼間のダイヤは、全線通しの「みやこ路快速」と普通が1時間に2本ずつ、京都-城陽間の普通が1時間に2本運転されています。本数が多いので、すれ違いのための待ち合わせ時間が多く発生し、スピードアップや増便を制約することになってしまいます。
そこで京都府とJR西日本は、嵯峨野線複線化事業が2010年3月に完了したのち、奈良線複線化について協議をしてきました。その結果、全線複線化とはいかないものの(京都府は将来的には全線複線化を考えていましたがJR西日本は、経営効率の観点から複線化区間を乗降客が多く収益が見込める区間に絞りたい考えでした)、複線区間を増やす合意をしました。新たに複線化される区間はJR藤森-宇治、新田-城陽、山城多賀-玉水間の14キロ。これにより、京都-城陽間が連続して複線化されることになり、奈良線全体の63%が複線化されることになります。複線化に合わせて、京都駅奈良線ホームや棚倉駅の改良も行います。
奈良線部分複線化の事業期間は約10年、事業費は300~400億円を見込んでいます。京都府とJR西日本は2012年度中に複線化事業に向けた共同調査を行い、地元市町を含んだ協定を正式に締結する方針です。
(参考:京都新聞ホームページ http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20120125000030)
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Comments
どこらか資金を調達するにしても費用対効果の算段が大事なんだと改めて分かりますね。ましてこれから50年で4000万人減って行って残りの4割弱は高齢者、となるとどうなるんでしょうか。私が生きてこの目で確かめられるとは思っていませんが。
Posted by: 日置りん | 2012.02.03 07:47 AM
日置りん さん、おはようございます。
* どこらか資金を調達するにしても
純粋な民間の投資にしても、公共投資にしても、そのあたりの計算は必要でしょう。
* ましてこれから50年で4000万人減って行って
人口の減少を加味した試算が求められるとともに、人口の減少を食い止めるための子育て支援策が求められます。子育て世代支援の対策は、高齢者に偏っている福祉を見直すことにより財源を生み出すことになるでしょう。
Posted by: たべちゃん | 2012.02.04 06:55 AM