新潟中心部にBRT導入へ
日本海側唯一の政令指定都市である新潟は、地下鉄や路面電車がなく、バスが重要な役割を担っています(かつては新潟交通が白山前-東関屋間を走っていましたが、1992年に廃止されました)。その新潟で、バスが専用車線を走る、BRTを2014年度に導入するようです。第1期の導入区間は、新潟駅-万代-古町-市役所-白山駅間です。第2期の導入区間は、新潟駅から市民病院などのある鳥屋野潟南部で、こちらは平成30年代前半に見込まれる新潟駅高架下交通広場の供用に合わせて行う方針です。
BRTは2両編成のバス。道路中央に専用の車線を設けます(このため、一般の車が通ることのできる車線は減少します)。駅も道路の真ん中にできます。まるで路面電車のようなイメージです。BRTは公設民営方式で、車両や専用道路、駅などは新潟市などが整備・保有しますが、車両の運行や維持管理は新潟市内などでバス事業を行っている新潟交通が行う予定です(プロポーザル方式により行いますが、第1提案権を新潟交通に付与します)。既存のバス路線にも大きく影響し、路線再編や乗り継ぎの必要性が出るからです。2012年度予算案に実施計画の策定などの費用として約4700万円を計上します。総事業費は第1期が約30億円、第2期が約40億円です。
新潟市は、BRTを時刻表を気にしなくてもよい程度に頻繁運転を行い、現在よりも利用しやすい運賃にするようです。これにより、市中心部をバスで快適に移動できる環境を整え、バス離れを防ぎ、自家用車に依存しない交通環境の実現を図るようです。また、BRTの第2期導入前には、LRTの導入についても判断するようです。
(追記)
新潟駅の高架化が大幅に遅れ、全線が高架になるのが当初より6年遅い、2021年度になるようです。用地買収や工事の難航が遅れの原因です。新潟駅-白山駅間のBRTについては当初の予定通り2014年度に運行を始めますが、新潟駅から南に伸びるのは2年遅れて、2022年度となる見込みです。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/region/news/120214/ngt12021402270001-n1.htm、asahi.com http://mytown.asahi.com/niigata/news.php?k_id=16000001203300004)
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Comments
ルートですが、新潟駅から市役所まではそこそこ道幅が広くていいのですが、そこから白山の駅まではまさに「新潟交通」が走っていたルートになるはずで、道幅が狭い通りを走ることになると思います。 そのあたりは大丈夫かちょっと心配です。
Posted by: しみず | 2012.02.21 08:28 PM
しみずさん、おはようございます。
* ルートですが、新潟駅から市役所まではそこそこ
自動車交通をどこに逃がすかも重要な課題になるでしょうね。
公共交通の便利さを見せつけるの一策かもしれませんが。
Posted by: たべちゃん | 2012.02.22 04:59 AM
数十年前に新潟へ行きましたが、まだ新潟交通が道の真ん中を走っている姿を見て、想像していたよりもはるかに狭い道のど真ん中を、江ノ電や都電よりはるかにでかい鉄道車両が堂々と走っているのを見てびっくりしました。あれでは「邪魔だ」「廃止しろ」と言われても仕方ないですね。
しかしBRTですら「総事業費は第1期が約30億円、第2期が約40億円」かかるのですから、LRTだと数百億かかるのでしょうか?BRTに数十億って具体的には何にそんなにかかるのでしょう?車両費とかバス停の整備でしょうかね?
Posted by: miyahara | 2012.02.23 03:06 PM
miyaharaさん、おはようございます。
* 数十年前に新潟へ行きましたが、
普通の鉄道車両が道路上を走るのですから、威圧感は大きいですね。
* しかしBRTですら「総事業費は第1期が約30億円、
LRTだとさらにかかりますし、線路を敷いている間、バスをどこに走らせるのかという問題もあります。
それにしても、BRTでも結構かかりますね。
Posted by: たべちゃん | 2012.02.24 05:11 AM
連接方式のバスは、兵庫県三田市などでも導入が検討されているが、道路交通法の保安基準を超えるため、特別に許可されたルートしか走れない。
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0004841451.shtml
BRTが整備された区間はBRTを走り、それ以外の区間は一般道路を走るといった柔軟な運用はできないなら、利用者にはかえって不便になる恐れがあります。
Posted by: かにうさぎ | 2012.02.26 08:35 PM
かにうさぎさん、おはようございます。
* 連接方式のバスは、兵庫県三田市などでも
連節バスの場合、長くなることから、どうしても走る道路に制約が出ますね。
決まった区間の輸送力を重視するか、バスの特性である自由自在さを重視するか、難しいところです。
Posted by: たべちゃん | 2012.02.27 04:41 AM