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えちぜん鉄道、福井駅には単独で高架乗り入れへ

 北陸線福井駅付近は高架化されています。すでに北陸新幹線部分もできています。

 そして、福井付近で北陸線と並行する、えちぜん鉄道勝山永平寺線も高架化されます。当初の計画では、えちぜん鉄道は新幹線部分に単線を敷いて高架にし(えちぜん鉄道が乗り入れる部分は新幹線が単線になります)、後に新幹線を複線にするときに在来線に乗り入れる計画でした。ただし、この話は、県と市の考えの違いから、うまくいっていませんでした。

 しかも、新幹線を一時的にせよ単線にするという計画は、福井が一時的に北陸新幹線の終点となることが想定されていた(福井の願望?)からできたものであります。しかし、昨年末に北陸新幹線金沢-敦賀間が新規に着工される方針が示され、福井が終着駅になる可能性がなくなり、新幹線も単線にすることができなくなりました。えちぜん鉄道勝山永平寺線高架化計画の前提条件が崩れたのです。

 そこで福井県は、えちぜん鉄道勝山永平寺線の高架化について、新たな案を出しました。案は3つありますが、最有力なものは、新幹線高架に並行して新たに単独の高架線をつくる「東側単独高架案」(ほかの2案は、新幹線敦賀開業後に並行在来線高架に乗り入れる「地上走行案」、福井口駅からLRTに接続して福井駅西口につなげる「路面電車化案」)。以前、LRT化して福井鉄道に乗り入れることになっていた三国芦原線も現状通りえちぜん鉄道を走ります。えちぜん鉄道を単独高架にする「東側単独高架案」なら、単線区間を短くして(現在、福井-新福井間が複線となっていますが、高架後は福井口付近が複線になるようです)線路容量を確保することができるので、三国芦原線をLRT化して福井鉄道経由にする必要がないのです。

 「東側単独高架案」では、今のえちぜん鉄道の上に高架を設けます。いったんすでにできている新幹線の高架にえちぜん鉄道を敷き、地上の線路を撤去します。その後、地上の線路の上に新たにえちぜん鉄道単独の高架線をつくり、そこにえちぜん鉄道を移します。都市計画の変更や設備設計も含めて6年程度でできあがります。「地上走行案」だと北陸新幹線が開業しないと工事に取り掛かれないですし(特急などが頻繁に走る北陸線を、ごくわずかとはいえ単線化できません)、「路面電車化案」だと車道への軌道整備に多額の費用がかかります。それに比べて「東側単独高架案」は優れているのです。

 「東側単独高架案」の事業費は115億円となる見通しです。現行の計画の95億円を上回りますが、国庫補助の割合が増え、県の負担額はほとんど変わらないようです。ただし、新たな高架整備に伴う用地確保や道路整備の費用は別途必要になります。一方、三国芦原線をLRT化する必要がないため、その費用60億円が節約できます。
(参考:福井新聞ホームページ http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/railway/33134.html、毎日jp http://mainichi.jp/area/fukui/news/20120218ddlk18020704000c.html)

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