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気仙沼線BRT、最大毎時2~3本運転か?

 JR東日本は3日、東日本大震災で被災し柳津-気仙沼間(55.3キロ)の運休が続いている、気仙沼線の再開を話し合う関係機関会議で、BRTによる仮復旧案を説明しました。

 BRTの導入が考えられている柳津-気仙沼間のうち、約6割強の区間は線路を舗装してバス専用道とし、残りは一般道を走ります。これまでの駅だけではなく、一般道に出て仮設住宅に立ち寄るなどの柔軟な対応ができます。バスは定員約70人と想定され、混雑する時間帯には2台を同時に走行させます(連節バスを走らせる考えもあるようです)。運行本数も多く、最大1時間に2~3本運転されます。運賃はほとんど鉄道時代と変わりません。きめ細かな輸送ができ、本数も意外と多いです。震災前のダイヤだと1日9.5往復しかなかったですから(気仙沼付近はもう少し増えます)。BRTのほうがむしろ便利がよさそうにも思えます。

 ただ、気仙沼線は比較的新しいこともあり、ローカル線の割には高速で走ることができます。震災前には、1日2往復ですが、仙台-気仙沼間に直通の快速が走っていました。最速1時間58分でした。東北道を経由する高速バスより30分速く、スピードの面では評価できる水準でした。車ともいい勝負ができるでしょう。気仙沼線が使えない現状でも東北新幹線を使えば速いですが、料金がかなり高くなります。これがBRTになると、大幅にスピードダウンしてしまいます。

 地元自治体の考えは分かれています。南三陸町、登米市はBRTによる仮復旧に理解を示しました。BRTなら、1年で一部は復旧させることができるようです。これに対して気仙沼市は、鉄道の復旧を確約しないとBRTに賛成できないようです。時間がかかること、他のJR線との乗り継ぎがしにくくなることも、BRTの導入に否定的になる理由のようです。ちなみにJR東日本は、本格的な鉄道復活については、仮復旧後に、地元自治体の意向を踏まえて協議し、判断します。

(追記)
 気仙沼市は、鉄道を復旧するか確実に決まっていない状態でのBRT案に強く反発しています。気仙沼市内でバス専用道になるのは半分程度のようで、BRTだと、最速1時間58分だった仙台-気仙沼間がどれだけ遅くなるのかわかりません。そのため、気仙沼線でのBRT構想は前には進んでいないようです。

 しかし、気仙沼線に限らず、三陸の各線はすでに鉄道としての使命を失った路線ばかりです。三陸鉄道のような地元が経営に責任を持つことのできる第三セクターならともかく、株式を上場するJR東日本にとってはどうしても復旧しなければならないような鉄道ではありません。首都圏や新幹線に甘えて、単に赤字を垂れ流す存在ですから。このままでは鉄道もBRTも長い間(永久に?)できないでしょう。
(参考:毎日jp http://mainichi.jp/area/miyagi/news/20120304ddlk04040040000c.html、http://mainichi.jp/photo/news/20120319k0000m040077000c.html、河北新報ホームページ http://www.kahoku.co.jp/news/2012/03/20120303t11009.htm)

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