「高速バス」「ツアーバス」一本化へ
2000年の規制緩和で、いわゆる「ツアーバス」が認められるようになりました。旅行業者が客を募集し、バス事業者が運行を請け負う、「旅行商品」の形態です。見た目は従来からある高速バスと似ていますが、かなり規制が緩いのです。高速バスの場合は、道路運送法に基づく運行計画や運賃設定などについて国に事前の届け出が必要で、停留所の設置も義務付けられていました。高速バスも路線バスの一種だからです。住民の身近な生活に関わっていないにもかかわらず、法的には路線バスなので、厳しい規制があったのです。これに対して「ツアーバス」は、道路運送法の対象外で国への届け出や停留所の設置も義務付けられてはおらず、似たようなサービスでありながら条件面で大きな違いがありました。また、「ツアーバス」については、停留所がないため、ターミナル駅付近の場所を停留所代わりに停車して、周辺で渋滞を引き起こすトラブルが相次いでいました。
そこで、以前にも記事にしたことはありますが、両者を統合する話が出てきました。国交省の「バス事業あり方検討会」は3日、「ツアーバス」業者に対し、2013年度までに一本化することを求める報告書を出しました。
一本化された新しい制度では、両者を同じ条件にすることによって、高速バスは30日までに出さなければならなかった届け出も7日前に緩和され、外部の貸切バス業者への運行委託も認められるようになります。一方、「ツアーバス」は一定のバスの所有が義務付けられ、停留所も確保しないといけません。
確かに「ツアーバス」は、高速バスよりも安い運賃やインターネットの活用で急成長しました。2010年の利用客は2005年(23万人)の26倍以上の600万人にも上っています。「ツアーバス」によって既存の高速バスも活性化した要素もあります。しかし、似たようなサービスの両者に課せられた規制が違うのは不自然な話です。公平な土俵での競争が望まれます。
(参考:MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120403/plc12040319120021-n1.htm、トラベルビジョン http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=53042)
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